音楽評論家・湯川れい子「黒人と白人との融合を果たしていた」マイケル・ジャクソン「Thriller」がもたらした功績

10月25日(日)19時0分 TOKYO FM+

TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。10月8日(木)のお客様は、音楽評論家の湯川れい子さんと、NONA REEVESの西寺郷太さん。お2人の真骨頂でもある“マイケル・ジャクソン”の「Thriller」がもたらした功績について、語り尽くします。
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(左から)西寺郷太さん、湯川れい子さん


◆「Thriller」は起爆剤でした(西寺)
湯川:これは郷太さんも言っていたと思うけど、マイケル・ジャクソンの「Thriller」(スリラー)というアルバムは、世間の評価をある種二分してしまった。本当に高く評価する人と“あんなのはブラックミュージックじゃない”っていう評価があって。
西寺:そうなんですよね。そういうパラダイムシフトというか、考え方が変わったのが、「Thriller」というアルバムだと僕は思います。
湯川:そのなかでキーを握っていたのが、「Beat It」(今夜はビート・イット)で白人ハード・ロックの代表者であるエドワード・ヴァン・ヘイレン(ヴァン・ヘイレンのギタリスト)が参加していたこと。
西寺:エディ自身がオファーを受け入れて。そのオファーをするほうもすごいけど、彼が参加していたということが、いわゆる“白人の奏でる「ロック」”に夢中だった人も、マイケルやブラック・ミュージックに注目する1つのきっかけにもなったと思うし。
湯川:そうなんですよ。音楽のクロスオーバーで、地平を広げたなと。あそこから変わったものって、ものすごくあってね。「Thriller」を最初に聴いたときに“え? これすごい!”って本能的に思ったのは、黒人と白人との融合を果たしていたからなんですね。
西寺:湯川さんが当時ライナーノーツを書かれていて、今は僕が書かせてもらっていますけど、あのライナーノーツに“ギネスの新しい記録を塗り替えるのはマイケルかもしれない”って、当時は湯川さんくらいしかそんなことを言っていなくて。ポール・マッカートニーと歌った「The Girl Is Mine」(ガール・イズ・マイン)とかも。
湯川:すごい歌だったね。
西寺:「Thriller」からのファースト・シングルですよね?
湯川:そう。あのときに“こんな歌を歌って、マイケルはアメリカの中で生きていけるのだろうか”って思ったもん。
西寺:それくらい?
湯川:「The Girl Is Mine」のすごさは、白人と黒人が同等に1人の女の子を巡って取り合って、でも彼女が本当に好きなのは僕(マイケル)なんだよって。
黒人の若い子が言ってしまうの。それがヒットしてしまったことで、“自分たちがマイケルをスターにしてやったんだ”って思っている、潜在的なアメリカのある種の層の人たちがいるのね。
西寺:白人層の男性とかですよね。
湯川:そう、今のブラック・ライヴズ・マターを見ていれば分かるけど、今から39年も前の話なんですよ。
西寺:だからそういう意味では、ポール・マッカートニーも大きなファクターだったというか。「Thriller」にポールが参加して、エドワード・ヴァン・ヘイレンも参加したことで、あらたなダイナミズムが生まれて、その後のヒップホップの爆発へと繋がるブラック・ミュージック優勢の社会になっていった。本当に「Thriller」は起爆剤でしたよね。
ビートルズの版権を買うためにキャッシュで1億!
湯川:あそこでマイケルがやったことは、自分たちのライブのステージのプロダクツを何から何まで、全部白人社会に持ってきたというか、取り込んだというか。そこから大きく広がってきたものが、実はものすごく社会的にインパクトがあったんですよね。
西寺:あとはポールから版権を買ったりとか、出版の権利を買ったりすることも学んで。
湯川:そう。だって“これからは不動産じゃないよ。音楽著作権だよ”って言い始めたのはポール・マッカートニーですからね。マイケル・ジャクソンがビートルズの著作権・版権を買うって言ったときに、日本からも実は参加していたのよね。シンコーミュージックの草野昌一さんが、ボストンバッグに1万円札を1億円分くらい詰めて、落札するためにキャッシュで持って行ったんだって。
西寺:それはすごいですね!
湯川:“絶対にこれで勝てる”って最高値を付けたんだけど、負けたんだって。そのときに勝ったのがマイケル。最高値プラス自分のライブ収益の何パーセントかを上乗せするっていう値段を付けたんだって。
西寺:え? 自分のライブの権利みたいなもの?
湯川:うん。ライブの収入。
西寺:いくらでも最高値から足せるように?
湯川:そう。足せるようにしたんだって。それで草野さんは結局負けて、1億円の札束をすごすごと持ち帰ったという話を、ご本人から聞いたんだけどね(笑)。
(TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」10月8日(木)放送より)
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来週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……
10月26日(月)日比野克彦さん×平論一郎さん×田口智子さん
10月27日(火)羽田美智子さん×田村孝裕さん
10月28日(水)武尊さん×棚橋弘至さん
10月29日(木)えなりかずきさん×Snow Man 阿部亮平さん
がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!
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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00〜26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/

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