東京五輪開会式 安倍、森氏、丸川氏の「我が物顔」見たい?

10月26日(木)7時0分 NEWSポストセブン

開会式で大きな顔?(写真:共同通信社)

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 議院内閣制の日本では、総理大臣は国民の直接選挙ではなく、国会議員の投票で選ばれる。制度上はそうであっても、安倍晋三・首相が「国難突破」を掲げて解散・総選挙に踏み切り、有権者の信任を得た以上は、来年9月の自民党総裁選に出馬して3選を果たし、国政を担って危機を突破してみせなければならない。それが国民に対する責任というものだろう。


 ところが、自民党内では、安倍首相は余力を残したまま退陣し、総裁選も実施せずに後継指名で「キングメーカー」の座をめざすという見方が浮上している。


 その前例が1987年の「中曽根裁定」だ。中曽根康弘・首相(当時)は“死んだふり解散”で総選挙(1986年)に大勝して任期を1年延長したあと、影響力を残して退陣。その際、自民党は総裁選を行なわず、中曽根氏が安倍氏の父・晋太郎氏、竹下登氏、宮沢喜一氏の3人から後継総裁を選ぶことになった。中曽根氏は「後継総裁の指名について」という長い裁定文を書き上げ、3人を並べて「竹下登君」と後継指名し、力を見せつけたのである。


「安倍さんも憲法改正の発議を花道に勇退し、キングメーカーの道を選ぶ。政権禅譲をちらつかせることで石破茂岸田文雄ら総裁候補たちに忠誠心を競わせ、長く裏の権力を握ることができる」(細田派中堅)


 1人の政治家が権力維持のために次の首相を決めるというやり方は国民不在の政治そのものだ。


 しかも、政権禅譲説の効果はすでに現われている。森友学園・加計学園問題で「首相は説明責任が足りない」と批判していた石破氏は安倍批判を一切しなくなり、改憲に慎重だった政調会長の岸田氏は自民党の選挙公約の柱に「自衛隊明記」の改憲を盛り込んだ。


 そして、ダークホースと見られている小泉進次郎氏は選挙応援の先頭に立って小池百合子・希望の党代表批判を展開した。禅譲期待のなせるわざだ。もちろん禅譲をちらつかせたうえで、“やっぱり続投する”という選択肢も残している。


 五輪の栄誉も「安倍派」で独占する。安倍氏は首相を勇退すれば派閥領袖として政界に君臨し、東京五輪組織委員会会長にも就任、現会長の森喜朗氏は名誉会長に退くというシナリオが語られている。そして五輪開催年である2020年には次の都知事選が行なわれる。政治ジャーナリストの野上忠興氏が指摘する。


「都民の支持を失った小池百合子氏の再選はまず難しい。自民党は安倍派の丸川珠代・前五輪相を擁立して新都知事が誕生する可能性があるでしょう」


 東京五輪開会式に安倍氏、森氏、丸川氏が“我が物顔”で並ぶ光景を国民は見たいだろうか。


 しかも、あれほど批判を浴びた加計学園問題も選挙が終われば、「禊は済んだ」と疑惑はなかったことにされ、文科省が先送りしていた岡山理科大学の獣医学部新設を認可して予定通り2018年4月に新キャンパスが開校する可能性が高い。


 まさに安倍首相とその仲間たちだけが、我が世の春を謳歌する未来図が浮かび上がってくる。


※週刊ポスト2017年11月3日号

NEWSポストセブン

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