永野、斎藤工のアドリブに「あっ俺だ」 共同制作の映画で2人が同化

10月26日(土)11時1分 しらべぇ

斎藤工 永野

斎藤工主演の映画『MANRIKI』が、11月29日よりシネマート新宿ほか、全国の映画館で順次公開される。

本作を手掛けたのは「チーム万力」。斎藤(企画・プロデュース担当時は齊藤工名義)、芸人の永野、ミュージシャン・俳優の金子ノブアキ、映像ディレクターの清水康彦氏らによる制作プロジェクトだ。

しらべぇ取材班では今回、斎藤と永野にインタビューを実施。本作の見どころ、映画業界のトレンドについて話を聞いた。


■いっそ万力で顔をつぶせばいい

MANRIKI(『MANRIKI』 ©2019 MANRIKI Film Partners)

本作で描かれるのは、斎藤演じる整顔師の猟奇的哲学。万力によって小顔矯正を行う美容クリニックを舞台に、物語が展開されていく。

『MANRIKI』制作の始まりは2016年の東京ガールズコレクションだった。ゲスト出演した永野は、同イベントの舞台裏に小顔プリクラが用意されていたり、モデルたちが小顔マッサージの話をしたりしていることに違和感を抱く。

ただでさえ小顔のモデルが、さらなる小顔を求めている。それならばいっそ、万力で顔をつぶしてあげたらいいんじゃないか、と。そんな話を酒の席でこぼしたところ、斎藤の頭に画が浮かび、今回の映像化に至った。


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■永野と斎藤の共通点

———斎藤さんが永野さんの世界観に魅了されたことをきっかけに、今回の『MANRIKI』につながったわけですが、一方で、永野さんは斎藤さんのどういったところに惹かれますか?

永野:ラッセンなんかはいい感じに勘違いしてもらったんですけど、僕はもともと、人間の暗い部分を題材にしてネタを作ってるんです。人間が絶対に避けられない負の部分をシニカルに笑い飛ばそうって。


『MANRIKI』の撮影が終わって気づいたのが、斎藤くんの中にもそういうものがある。だから、僕は斎藤くんのこと好きですね。あと、最近はでんじろう先生も。


斎藤:今日付けじゃないですか。


———なんででんじろう先生?

永野:今日、斎藤くんと一緒に共演してきたんですよ。マッドサイエンティスト感がすごかった…。そこに斎藤くんと似通ったものを感じます。


斎藤:でんじろう先生は先輩って感じですね。崇めてます。


永野:でんじろうは爆発に憑りつかれてます。


———でんじろうって呼び捨てにしないでください(笑)。

斎藤:予想外の爆発がありましたからね。


永野:スタッフが大慌てなのに、でんじろうは笑ってました…。


———自分が焦りを見せたら、その場がよけいにパニックになると思って、でんじろう先生は平静を装っていたんですよ、きっと。

永野:だから、僕はでんじろう先生に『MANRIKI』を観てほしい。ピンポイントで申し訳ないですけど。


一同爆笑。

■カメラマンさんが美しかった

斎藤工

———斎藤さんはいかがですか?

斎藤:まろやかな番組かと思って、僕も収録に参加したんですけどね。


永野:まだ、でんじろうの話してる(笑)。


斎藤:塩を使ったさらさらマグマが僕の脚にかかって、とんでもない声が出てしまった。で、横を見たら、僕の7倍くらいのマグマを浴びたカメラマンさんがカメラを守って、僕のことを撮っていたんです。


永野:マグマですからね。60度のお湯とかじゃないですよ。


斎藤:1アツくらいの僕を、7アツの彼が撮り続けていたという精神が美しかったですね。以上です。


———以上(笑)!?

永野:いや、でもそういうことですよ。僕と斎藤くんは引っかかるところが近いんです。


■永野のネタに自分を見てしまう

永野

斎藤:『MANRIKI』が完成まで3年かかって良かったことは、永野さんの精神世界に浸らしてもらっていた期間が長くなったことで、作品を作っていく中での助走が必要なかった。向かっていく方向がズレることがありませんでした。


役を通して、永野さんと同化した瞬間があったと思っています。永野さんのネタもそうなんです。俯瞰して冷静に見ているんですけど、どこかの瞬間に自分を見てしまう。それが今まで観てきた世界中の映画と回路が一緒なんです。


外国の戯言として観ていても、なんかアルジェリアの少女に共感したり。そういう瞬間が永野さんのネタの中にあって。永野さんが自分なんじゃないかという瞬間がこの3年間で多々ありました。


永野:僕も同じように感じました。自分を見てるようで笑っちゃうみたいな。もちろん、見た目は全然違いますけど(笑)。


斎藤:僕らが普段観ている娯楽の一部の中にも、永野さんがおっしゃっていたマッド要素みたいなものが埋まっていて、それって魅力じゃないですか? 劇物的なものって、旨味とかコクにもなっていくというか。


その好きな度合いが共有できるし、永野さんの好きな基準と僕の好きな基準っていうのはすごく近いのかなとすごく思いましたね。

■斎藤の台詞に「あっ、俺だ」

MANRIKI(『MANRIKI』 ©2019 MANRIKI Film Partners)

———斎藤さんの「同化した瞬間があった」という言葉に頷いてらっしゃいましたが、『MANRIKI』の劇中で、斎藤さんを自分のように感じたのはどういったシーンですか?

永野:ばっちりと思い浮かぶシーンがあります。SWAY演じる若者が整顔師に「車を降りろ」って言うシーンで、斎藤くんが聞こえるか聞こえないかくらいの声で「ちっ、めんどくせえな」って言ったんです。


それを見て、「あっ、俺だ」って。ああいう怖そうな見た目のやつに、ガっと強くはいけないけど、最後にちょっとだけかますんです、俺。


———斎藤さんの「ちっ、めんどくせえな」は、あらかじめ永野さんが書かれた台詞ではない?

永野:はい。自然と出てきたみたいです。斎藤くんもさっき言ってたけど、3年間で俺が言いそうなこと、やりそうなことをずっと考えてたから、あの瞬間の斎藤くんは僕だったんだと思います。


斎藤くんの全部を知ってるわけじゃないけど、少なくとも、僕が知る限りではそんな性格じゃないと思うし。


■大前提が日本映画をつまらなくした

斎藤工

———斎藤さんは以前、『MANRIKI』の上映会イベント直後のインタビューで、「日本のオーディエンスは難しい」とおっしゃっていましたよね。日本と海外の観客で、こういった違いが生まれるのはなぜなんでしょうか?

斎藤:もちろん、自分もそうかもしれないんですけど、日本人には、足を運んでお金を払ったからには何を返してくれるんだろう、と採算をとる考え方がベースにある気がします。


例えば、フランスだとチケット代の半分がフランス映画に投資する分なんです。みんな、それを分かってチケットを買っている。


一方で、日本ではチケットを買うことに対して、これだけ自分のリスクを冒した自分に何を返してくれるんだろう、と審査する感じがありますよね。


———レビューサイトで評価が担保された映画を観る人は確かに多いかもしれません。

斎藤:審査しながらも、同調圧力みたいな空間になる。必ずしも悪いとは思わないですけど、それが特性としてはあると思います。僕は「日本のオーディエンスが満足するもの」という大前提で作られている映画が、日本映画をつまんなくしたなと思っていて。


誰が出るとか、こういう原作で、というニーズありき。エンタメなのに、いかに損をしないかを優先してしまう。作るほうも赤字が出ないように作ってしまっていると、海外を回って思いました。


メキシコには、僕が好きな鈴木清順監督の映画ばかりを上映している映画館もあるんです。今の日本では上映できないようなテーマ性の強い映画に、地球の裏側で未だに熱狂している。


『MANRIKI』には、こういったカルト性や芸術性、神話性が宿ったらいいなと個人的に思っています。

■永野「チーズは飲まない!」

永野

———永野さんはお笑いの舞台に来る観客に同じようなことを感じられることはありますか? ん…? (斎藤が懐から取り出した白い物体を口に入れ始める)斎藤さん、何を食べてらっしゃるんですか(笑)?

斎藤:チーズです。すみません、朝から何も食べれていなくて。


永野:自分も家に帰ってから(酒のあてにして)飲もうと思って、楽屋にあったのをバッグに入れました。


斎藤:えっ、永野さんはチーズを飲むんですか?


永野:チーズは飲まないよ!


斎藤:マッドだなあと思って。


永野:でんじろうでしょ! でんじろうはチーズ飲むだろうけど。


———いや、でんじろうもチーズは飲まない!

永野:みんな、でんじろう先生のこと、呼び捨てにしちゃってるじゃん。ダメでしょ(笑)。


■五感を駆使して感じてほしい

永野

———映画の感想について、監督や出演者の方たちから「それぞれで考えてください」なんて風に言われることも多いですが、永野さんはそれが嫌なんですよね?

永野:はい、嫌です! 俺が思うように感じてほしい。工くんがさっき言ってたみたいに、「どうぞお客さん観てください」って映画が増え過ぎたと思うんです。


———では、永野さんが『MANRIKI』をどんな風に観て、何を感じてほしいと考えているかを最後に教えてください。

永野:五感を駆使して、映像、音楽、台詞、全部を感じてほしいです。それも感想だからいいんですけど、ひとつショックだったのがあって。「めちゃくちゃ笑いました」って言われたんです。


ボケも入れてますし、そういう風な見方もできると思います。でも、一個一個にツッコミを入れられると、それだけの映画になっちゃうんで。


もっと深い部分まで感じてほしい。確かに『MANRIKI』は気取った映画だと思うんです。「こっち来いよ」みたいな(笑)。でも、俯瞰して評論するように観るんじゃなくて、体感して観てほしいです。


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(文/しらべぇ編集部・野瀬 研人



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