『葬送のフリーレン』2巻(原作:山田鐘人 作画:アベツカサ)- 勇者が去った後の世界

10月28日(水)11時4分 Rooftop

勇者が去った後の世界

 冒険譚は多く語られますが、その後が描かれることは少ない。まぁ、戦って平和が訪れるというのは王道で盛り上がるわけですから当然といえばそうですが。これは平和が訪れてから80年、勇者たちが亡くなり、その戦いが過去となり徐々に忘れられていく中で残された魔法使いの物語。「長命種のエルフである彼女にとっては人生の100分の1にも満たない時間が、その後の生き方に大きく影響を与えた」と言葉にすると稚拙ですが誰しもが経験したことのある大事な感覚。フリーレン本人もまだ受け止め切れていないこの変化を作品を通して感じることが出来ます。今はテンポよく、早く、駆け抜ける作品が多い時代、この作品は真逆で静かにゆっくりと進んでいくいきます。その静かな流れが心地よく、穏やかに物語に浸ることが出来ます。年齢としては圧倒的に年上の彼女ですが、精神面ではまだまだ若く、勇者との旅が切っ掛けで徐々に変化していく姿が面白く楽しみです。(LOFT/PLUS ONE 柏木 聡)

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