ハグの風習について【川合亮平の英国コラム】

10月29日(火)10時8分 海外ドラマboard

過去10年以上、英国に頻繁に滞在し、トラベルジャーナリストとして様々な英国の場所を巡り、英国人俳優・ミュージシャンの取材・通訳を数多く担当する、通訳者・川合亮平の英国コラム。今回のテーマは「ハグの風習について」です。

こんにちは、川合亮平です。

僕はこれまで10年以上にわたって、イギリスに幾度となく出入りし、数え切れない数のイギリスの人々と生身のコミュニケーションをしてきました。

オンラインではない、フェース・トゥ・フェースのコミュニケーションの場において、自身の言語レベルはまあまあ大丈夫かな、と思っているんですが(もちろんまだまだ広大な伸び代はあるにせよ)、

1つだけいつまでたっても全然慣れない風習(文化)があるんです。

それは、グリーティングのしょっぱなでどのようなリアクションをすべきか?ということ。

「いや、そんな難しいことあります? 別に、Helloとかで良いんじゃないんですか?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろんそれで済む場合もあります。
でもそれで済まないケースも意外と少なくない、というのが僕の個人的経験です。

日本でのグリーティングといえば、例えばお辞儀は文化に根付いた風習だと思いますが、イギリス(ヨーロッパ)にお辞儀文化はなく、その代わりともいえるものが、ハグ文化なのです。

つまり、
「初対面でも、2回目以降でも、イギリス人に会った時、ハグすべきなのかどうなのか!?」

これが僕にとって大きな大きな命題となっているのであります。

とはいえ、男性は比較的話が早いです。

男性とのグリーティングは基本的には握手ですみます。特にあれこれ思い悩む必要はありません。

男性でもハグをする場合は少なくありませんが、まあそれは相手にお任せで、相手に近づく中で相手が手を広げればハグに対応しますし、片手を出せば握手です。

イージーです。

握手をしてからその腕を自らに引き寄せるような格好で握手ハグ(というのかどうか知らないけど)に移行する場合も、成り行きに任せます。特に思い悩む必要はありません。

イージー・ジョブです。

しかし、女性が相手の場合はそうは簡単にいきません(というのは、僕の完全に個人的な意見なんですが)。

基本的には男性の場合と同様に、相手の出方にお任せ、という態度なんですが、そもそも女性とのハグはちょっと緊張します(というのも、完全に僕の性格の問題なんですが)。

相手の出方に任せるのが僕のデフォルトの姿勢なんですが、相手のイギリス人女性も日本人である僕の出方に任せる姿勢だった場合、話は若干ややこしくなるのです。

”どちらがイニシャティブを取るのか?”、そういう微妙な雰囲気って、大抵、瞬時に感覚的にお互い感じ取れるものなんですよ。

それで、その責任が僕にのしかかってきた場合、一気に緊張感が高まります。

握手でいいのか?

それとも相手の風習に合わせてハグした方が適切なのか?

非常に迷うわけです。

瞬時の判断で、仮にハグをしようと意を決して僕が両手を広げたと同時に、相手が右手を握手で差し出してきた時の気まずさ、というか、痛恨の判断ミスは、だれが責任を取ってくれるのか?

広げた手のごまかし方は?

頭を掻く?いや、そんな挙動不審では第一印象が台無しになってしまう。

そういうことが0.5秒とかの間に、頭の中をぐるぐる駆け巡って、

非常に思い悩み、うろたえるわけです。

更にあろうことか、ハグの後に、頰と頬でキスをするのも(僕が観察する限り)イギリスでは至極一般的なあいさつなのです(もちろん、毎日会う同僚とかとの挨拶にこれは当てはまりませんが、たまに会う友人などには普通に適応されると認識しています)。

だから、
女性とのグリーティングにおいて、ハグまで無事にこぎつけてもまだまだ予断は許されません。

ハグの後に頬を出すのか、出さないのか?

仮に出したとして、相手にその気がない場合、

「そこまで親しくもないのに、チークキス? この人、嫌に積極的だわ」

というようなネガテイブ感想を相手が持ってしまった場合、僕はその後、出鼻をくじかれた深い頓挫感を抱えたまま、普段通りのコミュニケーションを続けられるでしょうか?

また、
左の頬の挨拶が成功したとして、次に、右頬はあるのか?それともないのか?という選択が迫ってきます。

選択に継ぐ選択です。
油断も隙もありません。

勢いで右頬に移行したとして、相手が左でおしまいにしようとしていた場合、宙に浮いたその僕の不自然極まりない首の動きをどのように説明すればいいのか?

その場合、“寝違い”は、エクスキュースとして通用するのか?

まあそもそも、
グリーティングの際に、そんな要らぬ妄想が頭をグルグル駆け巡って明らかに目が泳いでいる自分自身を相手に悟られた時点で半分アウト、かもしれないんですが・・・。


とまれ、異文化間グリーティングというのは、非常に奥が深く興味深いテーマですよねー。
(って、単に僕が考え過ぎなのかもしれないけど)

川合亮平でした。

英国コラム、続きます。

いかがでしたでしょうか。

今後も、【川合亮平の英国コラム】シリーズ、あくまで軽いタッチで継続してアップしていく予定です。

シリーズで取り上げてほしいテーマや疑問・質問があれば、以下コメント欄にコメントをいただくか、ツイッター(@ryoheikawai)などでお気軽にご連絡くださいね。

お待ちしています。

川合亮平でした。

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