注目!週末に胸を熱くする、名作ぞろいなNHKドラマ

11月1日(金)21時15分 All About

金曜土曜の週末には多彩なジャンルで意欲的かつ挑戦的にドラマを作り続け、コメディから社会派までみごとな世界観で視聴者を魅了しているNHKのドラマに注目だ。

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大河ドラマ、朝の連続テレビ小説と妥協することなくじっくり作られたドラマが支持されるNHKだが、それ以外の作品も名作ぞろいだ。コメディあり社会派あり謎解きありと幅広いジャンルの作品は、どれもクオリティが高い。

ファッショナブルでクール! 時代にとらわれない洗練

物語の面白さに加え、際立っているのはファッション、音楽、照明とスタイリッシュな映像。洗練された作品はNHKならではだ。嗅覚で謎を解く海外ドラマのリメイク『スニッファー 嗅覚捜査官』(2016年)や中途採用された刑事が実験で謎を解く『実験刑事トトリ』(2012年)などは記憶に新しい。

その洗練は時代を超えて昭和の華やかなエンターテインメントを描いた『トットてれび』(2016年)や『植木等とのぼせんもん』(2017年)、『幕末グルメ ブシメシ!』(2017年)にも。美術、演出、HPに至るまで完成度の高さや世界観の徹底っぷりから、とことんブラッシュアップを重ねていることがうかがえる。

心をクギヅケにする、躊躇なしのストレートな演出

差し障りのない内容を差し障りのない表現で……というようなドラマはNHKに見当たらない。人間の内部に滞る、何ものとも融合しないドロドロしたものを引きずりだし、それをさらす凄さがある。演じる側は、えぐり出しさらけ出す覚悟をもって挑むわけで、ここにもNHKの攻めが見える。

向田邦子の名作『阿修羅のごとく』(1979年)では嫉妬や憎悪が牙をむき、『リミット -刑事の現場2-』(2009年)では、刑事たちが生身で激しく感情をぶつけ合っていた。

その覚悟は高校生のマイノリティを切実かつ力強く描いた『腐女子、うっかりゲイに告る。』(2019年)や、地下アイドルにミステリーを絡めた『だから私は推しました』(2019年)にも受け継がれ、若い世代の凄まじく赤裸々な演技は清々しいほど私たちの心にしっかり届いた。

緊張感を切らさない俳優陣の集中力とそれを可能にする撮影現場は圧巻だ。

時代を投影しながら光を見せる力強さ

社会が抱える闇と歪みを描く熱意と丹念な取材はNHKのドラマを支える原動力、まさにプロの仕事だ。ドラマ作りの誇りも感じる。

平成30年度の文化庁芸術祭で大賞(テレビ・ドラマ部門)を受賞した『透明なゆりかご』(2018年)は医療現場のタブーをオブラートに包むことなく描きながらも、視聴者の心に明かりを灯した。

フェイクニュース』(2018年)や『デジタル・タトゥー』(2019年)ではインターネット社会の盲点をグイグイと深掘り、『サギデカ』(2019年)では実像が流動的な詐欺グループを浮き彫りに。

『お母さん、娘をやめていいですか?』(2017年)や『トクサツガガガ』(2019年)では、毒親と対峙する熾烈な描写がみごとだった。

いつの間にか心が元気になる明るさ

ピリピリとしたドラマばかりではない。多部未華子主演の『これは経費で落ちません』(2019年)の森若さん(多部未華子)と同じ職場の太陽クン(重岡大毅)、2人の恋物語はあまりにピュアで魅力的。

その一方シビアな経理の仕事と社会人としての明確な判断はクールに描き、主人公へのエールと自分へのエールを気持ちよくクロスできた作品だった。

鎌倉が舞台の『ツバキ文具店〜鎌倉代筆屋物語〜』(2017年)の主人公も多部未華子。

時間が緩やかに流れるなかで心があらわれていく物語だ。マンガや小説が原作であることに異を唱える声を聞くこともあるが、NHKにおいては、そういうことをまったく意識させない。違和感のない作品づくりもNHKの技術なのだろう。ドラマが何を物語っているのか、鮮明に心に残る作品ばかりだ。

若い世代やはたらく女性に向けた作品も充実してきたNHKドラマ。

今クールは、温かい涙がとまらない寅さんの少年時代を描いた『少年寅次郎』(土曜夜9時)や、天才工学者が事件の謎を解くNHK得意の科学×コミカル×ファッショナブルの『ミス・ジコチョー〜天才・天ノ教授の調査ファイル』(金曜夜10時)などバラエティ豊か。攻めの姿勢は相変わらずだ。

スポンサーではなく視聴者目線に徹底できる風土と、培ってきた攻めのドラマのDNAがNHKの強み。これから何を見せてくれるか、楽しみでしかたない。
(文:竹本 道子(ドラマガイド))

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