71歳“パラ陸上レジェンド”の挑戦…大井利江 5大会連続出場へ「少しでも恩返しできれば」

11月1日(金)19時0分 TOKYO FM+

藤木直人、伊藤友里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMの番組「TOYOTA Athlete Beat」。10月26日(土)の放送では、パラ陸上界のレジェンド・砲丸投げの大井利江選手にお話を伺いました。

メダルを手にする大井利江選手



◆50歳で円盤投げデビュー
大井選手は、71歳にして今なお現役。漁師だった39歳のころ、仕事中のケガによって頸髄を損傷。リハビリを兼ねた水泳を経て、50歳で円盤投げをスタートします。2004年アテネパラリンピックを皮切りに、北京、ロンドンと3大会連続でパラリンピック出場。2016年リオパラリンピックでは砲丸投げに転向して出場し、2020年東京パラリンピック出場を目指しています。

◆56歳初のパラリンピックで銀メダル

藤木:怪我をして一生海に出られなくなったことに対して、生きる目標を見失い、自暴自棄だった大井選手に“力”をくれたのがスポーツだったそうですね。2004年、56歳のときに円盤投げで初めてのパラリンピック、アテネ大会に出場したときの心境はいかがでしたか?

大井:まさか自分がパラリンピックに出場するとは想像していなかったから、アテネに着いたときは、1人で興奮していましたね(笑)。金メダル候補と言われていたので、勝手にワクワクしていました。

でも、クラス分けで1つ軽いクラスになったので“メダルは獲れないかな”と思っていました。まさか銀メダルを獲れると思わなかった。練習以上に記録が出たので、自分でもビックリしました。

伊藤:クラスが急に変わったにもかかわらず、銀メダルを獲得されたのはすごいですね。

藤木:カテゴライズされるクラスによって、選手のパフォーマンスも変わるでしょうから。練習以上の記録が出るとは、本番に強く素晴らしいこと。アテネ大会のあと、北京、ロンドンにも、円盤投げでパラリンピックに出場しています。なぜ続けることができたのでしょうか?

大井:次の目標を掲げていたからです。やはり金メダルが目標だったから。ライバルもいたので、そのライバルを破ろうと死ぬ気で練習していました。主に水泳と筋トレをやっていましたが、パートナーを見つけるのが大変なんです。ボランティアだとなかなか探せないですし、アルバイトだとお金もかかりますし。いつ自分の体が全身麻痺になるかという恐怖があったので、少しでも妻に迷惑をかけないように、日々体を鍛えてきました。それが競技にも繋がっています。

伊藤:練習の環境を整えるのも大変だったんですね。

◆「東日本大震災」競技継続への葛藤も

藤木:ロンドン大会の前の年、2011年には東日本大震災がありました。大井さんの住む洋野町は岩手県最北部の沿岸地域ということもあり、競技を続けるうえで葛藤があったそうですね。

大井:災害があったとき“自分が好きなことをやっていていいのかな?”と思って、しばらく何も手につかなかった。周りの人たちが(自身が)練習に行く姿を見かけないので「どうして練習しないの?」と声をかけてくれて……。

そこで“みんなが応援してくれているんだな”と気づいたのがきっかけで、また練習を始めました。思うような結果は出なかったけど、ロンドンに出場したことだけでも、皆さんの力になったかなと思います。帰ってきたときも「また次がある」って声をかけてくれました。

◆砲丸投げ転向で左投げに

藤木:競技を続けていいのか悩まれたんですね……。2016年リオパラリンピックでは、大井選手が出場していた円盤投げ「F53クラス」が競技に採用されず、砲丸投げで大会に出場。なぜ挑戦しようと?

大井:そのときは引退しようと思っていました。でも、ロンドンが終わって2年後に(2020年五輪で)東京が開催地に決まったんですよね。それで、“よし、やったことのない砲丸投げに挑戦してみよう!”って思ったんです。

自国開催ですし、これまで応援してくれた人たちに観てもらいたかった。出場できるかわからないけど、とにかく挑戦してみようと。東京大会に間に合えばいいかと思っていたので、リオに行けたのはまぐれだったと思います(苦笑)。

藤木:同じ投てき競技でも、円盤投げと砲丸投げでは動作が違いますからね。

伊藤:円盤投げは右投げだったそうですが、右手が肩まで上がらないので、砲丸投げでは、利き手ではない左手で挑戦。いろいろな困難を乗り越えていらっしゃるんですよね。

◆「妻は一番の支え」

藤木:今度は東京パラリンピックです! 東京に懸ける思いはいかがでしょうか?

大井:東京での開催が決まったとき、一生に一度のチャンスだと思いました。11月の世界パラ(「ドバイ 2019 世界パラ陸上競技選手権大会」)での成果で、ある程度出場できるかが決まると思うので。

妻や応援してくれている仲間、選手の仲間、そういった人たちがいたから大きな大会に出られるようになった。そのなかでも、妻の存在は一番の支えになっています。とにかく今まで応援してきてくれた人たちに少しでも恩返しできればと思うので、もし出場できたら応援に来てほしいですね。

次回11月2日(土)の放送は、元女子サッカー日本代表・丸山桂里奈さんをお迎えした公開収録の模様をお届けします!お楽しみに!

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聴取期限 2019年11月3日(日・祝) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:TOYOTA Athlete Beat
放送日時:毎週土曜 10:00〜10:50
パーソナリティ:藤木直人、伊藤友里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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