五輪マラソン札幌開催で宮根誠司、恵俊彰、小倉智昭が「なんにもない」「美しくない」と札幌ディス、北海道民から怒りの声

11月3日(日)23時10分 LITERA

札幌をディスった『ミヤネ屋』宮根

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 1日、東京五輪のマラソン・競歩の札幌開催が正式に決定した。しかしこの決定をめぐって、ワイドショーが一斉に批判。しかも、理不尽極まりない“札幌叩き”や“札幌ディス”を展開している。


 その筆頭が1日放送の『情報ライブミヤネ屋』(読売テレビ)だろう。この日、番組では司会の宮根誠司が、まず札幌の気候について、「東京などは首都高の下など影が多いので言うほど暑くない。北海道の方が逆に日向ばっかりで暑い(と前日出演した元選手の谷口浩美氏が言っていた)」などと、東京のほうが気候的にもいいなどと主張したが、とくにひどかったのが、ルート候補地の13キロに渡る新川通りについてだ。番組ではわざわざ新川通りにレポーターを派遣した上で、そのルート、場所について、イチャモンとしか思えない欠点探しを行った。


「ずっと直線でなんにもない」
「とくに高い木があるわけじゃない。日陰もない」
「平坦な道で退屈」
「そこに行くの大変らしい。(徒歩で最寄り駅から30分40分くらい)行くか〜?ご高齢の方もいらっしゃればお子さんも見たいわけですから」
「実況アナウンサー泣かせですよ。東京だったら『あっ、雷門が見えてまいりました』とか『東京タワーが見えてきました』とか、いろいろ名所を言いながら、実況できるわけですよ。想定していると思うんですよ、実況される方。これ、どう実況します?」
「『真っ青な空、緑の木々、風が吹いています』それを(実況で)繰り返すしかない、延々と言うしかないという。延々とそれを言うしかないとういう。東京だったらいろいろ言えるんですけどね」
「(札幌で勝てないなら)止めようよ」


 番組では北海道マラソン優勝の経験もある元選手の藤原新氏もライブ中継出演していて、「気候的に東京よりは良い」などと札幌の利点を指摘していたにもかかわらず、しかし宮根はそれを遮り、「日向とかはけっこう堪えます」「道が単調」といったネガティブな発言を引き出そうと誘導さえしていたのだ。


 札幌開催、いや札幌という場所についてケチョンケチョンにした宮根に対し、北海道の視聴者やネット民から批判が殺到している。たとえば、ツイッターではこんな声が溢れた。


〈北海道、札幌市が決定したわけでもないのにミヤネ屋で北海道は何も無い、東京は名所が沢山あるとかってなんで言われなきゃならないんだ。〉
〈ミヤネ屋見てるけど、なんでこんな札幌ディスられなきゃいけないんだろうか.. ごめんね 何もなくて!ごめんね 最寄駅は遠くて!〉
〈テレビ等では札幌dis「東京ならたくさん言うことがあったのに、こんな田舎じゃ言うことも無い」と地元を貶されて、札幌は立候補した訳でもないのに目の敵にされ、オリンピックのせいで楽しみのビアガーデンも出来ないかもしれない。〉
〈頼んだわけでもなく、IOCの横暴と東京都の無能のせいで押し付けられたのに何故札幌が批判されなければならないのか。各コメンテーターは一度自分の発言の理不尽さを顧みてください。〉


 北海道にゆかりのある有名人からも非難の声が上がった。例えば、北海道在住のマンガ家・瀧波ユカリはやはりツイッターでこう反論。


〈とにかくあらゆる角度から札幌のコースがけちょんけちょんに言われ笑われていて、登校したら突然自分がいじめのターゲットになっていた時の気持ちをとてもリアルに思い出せるぞ!〉
〈今日はテレビから「東京より札幌のほうが暑い日だってありますよねえ」って声まで聞こえたのでびっくりした。5月くらいに何故か札幌だけ30度超える日はあるけど、さすがに真夏にそれはないと思う。落ち着いてくれ…こっちは北海道なんだ〉


 また、北海道出身の精神科医・香山リカはこう批判した。


〈10月16日に「マラソンは札幌」という話が初めて出たときから「負担大きすぎるから断った方がいいのでは?」と言ってきたけど、断る余地もなく押しつけられ、そのあげく東京やマスコミから非難されるとは想像してなかった。いまの日本社会は私の想像を上回るひどさだった。〉


小倉智昭は「映像的には美しいコースじゃない」恵俊彰も「ほんとになにもない」


「なんにもない」「真っ青な空、と繰り返すしかないなどという宮根のコメントはあまりにひどく、北海道民ならずとも、こうした抗議の声が上がるのは当然だろう。


 しかも、札幌ディスは『ミヤネ屋』だけではない。各局のワイドショーがこぞって札幌批判を繰り広げていたのだ。


 たとえば、『とくダネ!』(フジテレビ)では司会の小倉智昭が、北海道に別荘を持っていて2年前にエアコンを付けたと明かしながら「だから、どれだけその時期札幌が暑いかわかってますから」と語り、「8月下旬に開催される北海道マラソンでも暑い。8月上旬の五輪はもっと暑い。普通、一流ランナーは北海道マラソンに出たがらない」「決して映像的には美しいコースじゃないと思いますよ」などと言及した。


 また『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)では、出演した元マラソン選手の千葉真子氏が「日差しも強く、周りに建物など何もない」「アクセスが非常に悪くて駅から3キロくらい離れている。応援しに行く人も少ない場所」「直線で景色が変わらない。心が折れる区間」などと解説し安藤優子ら出演者も同調、また『ひるおび』(TBS)でも司会の恵俊彰が「(新川通りは)ほんとにないね、なんにも」と呆れたように発言していたほどだ。


 また札幌決定前の27日には松本人志が『ワイドナショー』(フジテレビ)で
「(IOC)バッハ会長は夏の北海道を涼しいと思い過ぎていませんかって話」「意外と沖縄より暑い時ありますから」と、やはり札幌開催について否定的意見を言っている。


 札幌が2020年五輪開催に立候補したわけでもなければ、札幌で五輪マラソンを開催したいと言ったわけでもない。東京の酷暑対策が不十分なために、開催まで1年を切った今ごろになって、五輪のマラソン開催を押し付けられただけなのに、この言われよう。宮根や小倉をはじめとするワイドショーの連中は、選手や観客たちが酷暑のなか熱中症で倒れてでも、景色が変わって実況や中継の絵面のいい東京でマラソンをやれ、と言うのだろうか。


「札幌だって暑い」というがそれでも東京よりはマシだから選ばれただけ、そんなこと言い出したら、根本的に日本国内での開催は無理、南半球か北極圏に近い国でやるしかないだろう。


●札幌バッシングの裏に潜むメディアの大都市中心主義と地方蔑視


なぜここまで理不尽な札幌バッシングが起きるのか。この背景には、延期になった英語民間試験問題にも共通する、大都市基準でしか物事を考えず地方のことなどどうでもいいという、露骨な大都市中心主義と地方蔑視があるのは間違いない。


 しかも、それ以上に看過できないのは、今、札幌を理不尽にディスりまくっているメディアがそもそも今回の事態を招いた共犯者であることだ。


今回の五輪マラソンの開催地を札幌に変更するという事態は、人命に関わるほどの東京の猛暑を「温暖」「理想的な気候」などと大ウソをついて、五輪を招致したことに端を発する。招致決定後も、猛暑について正面から問題視しまともに議論せず、「打ち水」「朝顔」「氷風呂」など文字通り“焼け石に水”や効果が疑問視される「遮熱性舗装」など、場当たり的な策を弄するばかりで、開催1年を切った現在にいたるまで、なんら根本的な解決をはかってこなかった組織委員会や東京都の責任はもちろん大きい。


 しかし、招致決定直後から指摘されてきた酷暑問題をまともに追及することなく放置し、五輪礼賛報道ばかりを繰り返してきた国内マスコミも、はっきり言って同罪だ。もし、もっと前から、マスコミがこの問題をきちんと検証・追及していれば、開催1年を切った段階でIOCが強権的に札幌開催を決めるというドタバタ劇は起きていなかっただろう。


「札幌だって暑い」「何もない」「宿泊のキャパシティが……」などとワイドショーは難癖をつけまくっているが、こうした不安点もマスコミがもっと早くから東京の酷暑問題をきちんと追及していれば、東京でのマラソン開催はあり得ないという結論にすぐたどり着いていたはずだ。


「札幌だって暑い」なら札幌よりももっと気温の低い地域を検討することもできたし、「何もない」「景色が変わらない」とワイドショーが難癖をつけるコースだってより魅力的なコースを検討することも可能だっただろう。


 真夏の東京でマラソンなどというあり得ない事態を何年も見て見ぬふりをしてスルーしてきた自分たちの責任を棚に上げて、急に五輪マラソン開催を押し付けられ負担を強いられることになった札幌に、地方差別丸出しで文句をつけまくるなど、言語道断だろう。


●酷暑、汚職、費用高騰、被災地復興の妨害…問題だらけの東京五輪の共犯はマスコミだ


 しかもマスコミが東京五輪の抱える問題を放置しているのは、この酷暑問題に限ったことではない。招致をめぐる汚職疑惑、当初の7000億円から3兆円と膨れ上がる費用、過労死も相次ぐ建設現場での過重労働、ボランティアのブラック労働、五輪の影響で阻まれる被災地復興……。これだけ問題だらけの東京五輪をマスコミはまともに批判することなく、招致決定以来6年に渡って礼賛報道ばかりを繰り広げてきた。


 なぜマスコミは酷暑問題をはじめ東京五輪の問題を批判せず放置してきたのか。それは、メディア自身が東京五輪利権共同体の一員だからだ。大手新聞社が軒並みスポンサーに名を連ね、テレビ局にいたっては、高額をつぎ込んで放映権を獲得しており、五輪ビジネスと完全に一体化しているのだ。


 こうしたマスコミの姿勢はマラソン開催地変更という異例の事態が起きても、いまだ変わっていない。1日の東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、東京五輪・パラリンピック組織委員会、政府の4者協議では「他の競技の移転はしない」で合意したが、馬術や自転車などマラソン・競歩以外の屋外競技、水質汚染の指摘されるお台場の海で開かれるオープンウォータースイミング猛暑が続く9月はじめに行われる車椅子マラソンなども、開催地変更が検討されてしかるべきだ。しかし、ワイドショーはこの問題をまったく追及していない。その代わりに精を出しているのが、札幌ディスだ。


 五輪を批判検証するというメディアの役割を捨てて、五輪でいかに金儲けするかという商売のことしか頭にないことがよくわかる。


 アメリカの放映権収入目当てに8月・9月開催を動かせないIOCの商業主義を批判する向きもあるが、日本のメディアだって同じ穴のムジナなのだ。


 本サイトは何度も繰り返し批判してきたが、あらためて言う。命にかかわるきわめて深刻な事態するまともに解決できない東京都や組織委員会。そして問題を追及することを放棄し札幌バッシングに走るようなマスコミ。そんな日本で、オリンピックなどやるべきではない。
(伊勢崎馨)


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