【Scheherazade ライヴレポート】『シェラザード結成40周年&ニュー・アルバム「once more」発売記念ライヴ』2017年10月21日 at 吉祥寺 ROCK JOINT GB

2017年11月8日(水)16時30分 OKMusic

(OKMusic)

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 日本のHR/HM&プログレ史を語るに欠かせないノヴェラの前身であるシェラザードが結成40周年を迎え、全編新曲によるアルバム『once more』を発表した。その発売記念ライヴが開催されたわけだが、東京公演は伝説のバンドの復活に歓喜したファンであふれ、ソールドアウトに。言うまでもなく、彼らの“歓喜”は最後に“感動”となるーー。

 “待ってました!”。そんな声がフロアーから飛ぶ。バンドとしては99年に再結成し、その後も不定期ながらも再集結を繰り返したが、それは決して活発なものではない。しかも、発表され作品は過去曲のリメイクをメインとしたものだっただけに、まさに全編新曲によるニューアルバム『once more』は待望であり、そのライヴをフロアーを満杯に埋めるファンたちが待ち兼ねていたことは想像に容易い。そして、オープニングから最新作より「GAIA VIRUS」「夜の散文詩」が披露されると、五十嵐“Angie.”久勝の圧巻のハイトーンヴォーカルであり、ドラマチックでスリリング、シンフォニックで壮大なサウンドが聴く者を魅了していく。しかも、“40年の足跡をこれから辿っていきます”と過去曲もメニューに加わるのである。特に約25年振りにライヴで演奏したという大曲「魅惑劇」では、奏でられる一音一音を噛み締めるように観客はじっと聴き入り、感動でしかない時間だったと言える。

 また、この10月が誕生日ということで平山照継(Gu)と堀江睦男(Dr)へのバースデーケーキが登場する場面もあり、メンバーの平均年齢も60歳に。長いキャリアの中には、それぞれにさまざまなドラマがあるわけだが、結成40周年を迎えた今、鳴らされるのは“現在のシェラザード”の音。五十嵐のナチュラルな歌声とハイトーンを使い分けて紡ぐ幻想的な物語が観客を飲み込んだ「虚言(そらごと)」をはじめ、新曲が過去曲に負けないだけの説得力を誇っていたことが、懐古趣味のバンドではないことを物語っている。そして、何よりも五十嵐がメンバーを代表するように“40年が経って本来のシェラザードに戻れた気がします”と語っていたことが印象的だった。

撮影:mohtarolin/取材:石田博嗣

セットリスト

1.GAIA VIRUS

2.夜の散文詩

3.名もなき夜のために

4.鏡

5.怒りの矢を放て!

6.揺るぎなき世界

7.魅惑劇

8.ROCK'N ROLL DIVA

9.人形賛歌

10.虚言(そらごと)

<ENCORE1>

時の崖

<ENCORE2>

SE. Introduction

1. ドント・ストップ

Scheherazade

シェラザード:1977年3月に大阪で結成。79年に『ロッキンf』誌のアマチュアバンドコンテストでグランプリを獲得するが解散。しかし、関西ライヴハウスシーンで人気を二分していた山水館のメンバーと合体し、ノヴェラが誕生。関西HR/HM系はもちろん、ノヴェラが影響を与えたバンドは数知れないことは周知の通り。シェラザードは99年に再結成され、初めてのアルバム『Scheherazade』をリリース。その後も不定期ながら再集結し、2010年に『オール・フォー・ワン』を、11年に『THE ORIGINAL~Songs for Scheherazade』を発表した。

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