熱狂的ファン集めるラジオの底力、広告費増とネットの貢献

11月9日(金)16時0分 NEWSポストセブン

熱狂的ファン集めるラジオ(撮影/武美静香)

写真を拡大

 10月28日、神奈川・横浜アリーナで開催されたライブイベント『岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭in横浜アリーナ2018』。


 DA PUMP、三浦大知(31才)、ロバートの秋山竜次(40才)、錦野旦(69才)ら豪華ゲストに交じって、ステージ上で自作曲を熱唱したのは、ナインティナイン・岡村隆史(48才)の高校時代の同級生・ワシオさんだった。


 まったく無名の一般人だが、詰めかけた1万2500人の来場者は熱烈にワシオさんを歓迎した。なぜなら、彼は岡村のラジオ番組で頻繁に名前が出る“有名人”だからだ。


 このイベントは、『岡村隆史のオールナイトニッポン(ANN)』(ニッポン放送)の放送4周年を祝うもの。これまでも毎年開催されており、初回の8000人から動員数は右肩上がりで増えている。


 横浜アリーナに集結したリスナーたちは、ワシオさんをはじめ、ラジオにゆかりのあるゲストが登場するたびに大きな歓声を上げ、場内は終始温かいムードに包まれた。これぞ、ラジオが持つ底力だった。


 凋落が止まらないといわれて久しいラジオだが、そこに新しい楽しさを見出す人は着実に増えている。


◆どこでも聞ける


 日本に民間放送局が誕生したのは1951年。テレビが本格的に登場する前、家族は一家に1台あるラジオにかじりついて放送を聞いていた。


 1959年の皇太子ご成婚を境に、ポータブルラジオが爆発的に普及。ラジオは家族から個人で楽しむツールに変化し、その後、1964年の東京五輪を機にメディアの主役の座をテレビに奪われた。近年はインターネットなどの普及でさらに聴取率が低下する。


 一方で、電通の統計(2017年)によると、主要メディアである新聞、雑誌、テレビの広告費が軒並み減少する中、ラジオの広告費だけはわずかながらプラス成長している。


「今は10代の人がよくラジオを聞いています。ラジオが復権しつつあるのは、『ラジコ』のおかげです」


 と語るのは、ライターで構成作家のやきそばかおるさん。


「ラジコ」とはインターネット回線を通じ、AM、FMを問わず地上波のラジオ放送を配信するサービスで、2010年に始まった。2014年には全国のラジオ放送が聴取できる「エリアフリー機能」が加わった。


「スマートフォンさえあれば、どこでもラジオが聞ける時代になり、月350円で全国のラジオ番組が聞けるラジコのプレミアム会員は50万人を超えます。メインユーザーは40〜50代ですが、ラジオの受信機を持っていなくても、“テレビより面白い”とスマホでラジオを聞く10代も増えています」(やきそばかおるさん)



 ラジオ局の「王道」とされる在京民放5局は、それぞれに特徴がある。


「AMのTBSラジオはニュースとサブカルチャー、文化放送はアニメと情報バラエティーが強く、ニッポン放送には夜の定番である“オールナイトニッポンブランド”があります。TOKYO FMは大御所ミュージシャンの番組が多く、同じくFMのJ-WAVEは音楽ファン御用達です」(やきそばかおるさん)


 2015年にAMをFMの周波数で聴取する「ワイドFM」が始まり、AMの聴取エリアが広がったことも、ラジオの“どこでも化”を後押しする。


◆いつでも聞ける


 今はリアルタイムでテレビ番組を視聴せず、録画かオンデマンド(番組配信サービス)で、見たい時に見たい番組を楽しむ人が多い。その波はラジオにも押し寄せている。


「2016年から始まったラジコの『タイムフリー機能』を使えば、放送終了から1週間以内の番組をいつでも無料で聞くことができます。これは画期的な機能で、タイムフリー導入後、ラジコの利用者が増加しました」(やきそばかおるさん)


「エリアフリー機能」と「タイムフリー機能」によって、ラジオは「どこでもいつでも聞ける」という強みを手に入れたのだ。


※女性セブン2018年11月22日号

NEWSポストセブン

「ラジオ」をもっと詳しく

「ラジオ」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ