『まんぷく』の“朝ドラ送り” 高瀬アナだけではなく関西でも!

11月10日(土)7時0分 NEWSポストセブン

”朝ドラ送り”が話題の高瀬耕造アナ(公式HPより)

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 安藤サクラ主演で、好調が続くNHK連続テレビ小説『まんぷく』。ドラマの内容以外にも、注目を集めているのが同局の高瀬耕造アナらが、『NHKニュース おはよう日本』で、放送直前の『まんぷく』についてコメントする“朝ドラ送り”。その魅力についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。


 * * *

 連日『あさイチ』で博多華丸・大吉と近江友里恵アナの“朝ドラ受け”が注目を集め、ネットメディアやSNSでも話題となるなど、朝ドラとの連続視聴が定番化しています。


 一方で、昨年からチラホラ話題になりはじめているのが、『NHKニュース おはよう日本』の高瀬耕造アナ、和久田麻由子アナ、豊原謙二郎アナ、酒匂飛翔アナらが7時59分ごろにコメントする“朝ドラ送り”。特に高瀬アナは、かつて昼の朝ドラ再放送直後でニュースを担当し、「朝ドラのラストシーンに笑顔や厳しい顔をリンクさせている」「“昼ドラ受け”の高瀬アナ」と言われただけに、昨春の『おはよう日本』キャスター就任から注目を集めていました。


『まんぷく』の1週目は1話の「台風も暑さもお腹いっぱいですね。『まんぷく』です」という1回のみ。2週目の“朝ドラ送り”は3回に増えたものの、3週目は1回、4週目は2回、5週目は1回にトーンダウンしましたが、放送2か月目に入った6週目は4回と本格化しつつあります。


 高瀬アナらが見せる『おはよう日本』の“朝ドラ送り”は、『あさイチ』の“朝ドラ受け”と、どんなところが異なり、どんな魅力や難しさがあるのでしょうか?


◆制約の中で見せる旺盛なサービス精神


“朝ドラ送り”の主な狙いは、「視聴者の期待感を高める」ことであり、アナウンサーたちがコメントするため、物語に関するベタなものになりがちです。また、CMや番宣を挟まず、いきなり朝ドラがはじまるため、視聴者の集中力をそぐリスクのあるコメントは避けなければいけません。


 対して“朝ドラ受け”の主な狙いは、「視聴者の満足感を高める」こと。芸人の博多華丸・大吉が担当しているだけあって、思い切ったウケ狙いのコメントが可能です。


 ただ高瀬アナは、すでに1年半もの間“朝ドラ送り”をしてきただけに、徐々に「ベタながらも視聴者を楽しませよう」というサービス精神がアップ。


 21話で「(すでに亡くなった)咲姉ちゃんが割とたびたび出てきてくれるんですよね。これを“『わろてんか』現象”と勝手に呼んでます」、25話で「(劇中で登場した)『べっちょ』という言葉は亡くなった私の祖母が『大丈夫だよ、心配ないよ』と(いう意味で)よく使ってたんですよね。今日がべっちょな一日になりますように」、31話で「家族は早い段階で離ればなれになるんですけど、ヒロインのお母さん・すずさんはついてきます。だって武士の娘ですから」などのユーモアあふれるコメントを披露し、“わろてんか現象”はTwitterのホットワードにもなりました。


『おはよう日本』は報道・情報番組のため、「朝ドラの話題ばかりではなく、天気や交通情報などの呼びかけ、体調への配慮などに関するコメントもしなければいけない」のも難しさの1つ。また、番組冒頭の“朝ドラ受け”は時間調整が利きやすいのに対して、「番組最後の“朝ドラ送り”は時間調整が利きにくい」という技術的な難しさもあります。


 つまり、「今日なら“朝ドラ送り”ができる」という日を見極め、「その日の時間進行に合わせて言葉を選んでいる」ということ。コメントやフレーズ選びの的確さも含めて、百戦錬磨のアナウンサーだからこそ可能なコーナーなのです。


◆『おはよう関西』の“朝ドラ送り”も負けていない



 ただ、高瀬アナの“朝ドラ送り”は、関東甲信越エリア限定。『おはよう日本』は、7時45分から各エリアの放送局が番組制作するローカル枠に変わるのです。


 そこで新たに注目を集めているのが、『まんぷく』を制作しているNHK大阪放送局の『NHKニュース おはよう関西』。近畿エリアでは同番組の中で二宮直輝アナや塩見泰子アナらが“朝ドラ送り”をしているのです。


 たとえば、今月の放送では二宮アナが、2日に「続いては『まんぷく』です。忠彦さんが帰ってきて本当によかったですね」、5日に「続いては 『まんぷく』です。今日から舞台は、泉大津です」、6日に「続いては『まんぷく』です。萬平さん、泉大津でさっそくひらめきました。はんこの次は……(塩見アナと一緒に)塩!」、7日に「続いては『まんぷく』です。塩造り、成功しました。『おはよう関西』と同じになりますね。いい塩味(しおみ=塩見アナ)」と“朝ドラ送り”を連発。


 朝ドラは、東京のNHK放送センターとNHK大阪局が交互に制作していますが、今回の『まんぷく』は地元・大阪を舞台にし、自局で制作していることもあってか、前作より“朝ドラ送り”が多くなっているようです。


 私自身は東京在住のため、残念ながら『おはよう関西』の“朝ドラ送り”は見られません。大阪に住む友人から内容を聞いているだけですが、今後はTwitterなどのネット上で比較されるなど、「どちらが面白いか」「どちらの愛が深いか」という、いい意味でのちょっとしたバトルになるのではないでしょうか。この点は全国放送である『あさイチ』の“朝ドラ受け”にはない楽しみ方と言えます。


◆民放の裏番組は占いや天気予報など強敵ぞろい



 民放各局に目を向けてみると、『おはよう日本』が“朝ドラ送り”している時間帯は、いずれも情報番組が生放送されている激戦区。8時スタートの番組までCMを挟まずに、占い、天気予報、各番組のキャスターがクロストークを行うなど、それぞれチャンネルを変えられない工夫を凝らしています。


 熾烈な競争があるからか、『おはよう日本』のキャスターたちは「少しでも盛り上げよう」と必死。たとえば、「高瀬アナの言葉に、和久田アナがツッコミ、酒匂アナが戸惑う」など、残り1秒までアドリブや素のリアクションをベースにした楽しげなかけ合いを見せています。


 NHKのアナウンサーと言えば、アナウンスだけでなく、人柄も「真面目で堅実」というイメージがあるだけに、多少の喜怒哀楽が顔に出る“朝ドラ送り”は貴重な姿。これまで“朝ドラ送り”は週平均2回程度でしたが、人気の高まりを受けてどこまで増えていくのか、注目してみてはいかがでしょうか。



【木村隆志】

コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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