桑田佳祐「テレビで見聴きする歌謡曲の世界に、すごく影響を受けた」地元・茅ケ崎で過ごした幼少期からの音楽遍歴を語る

2023年11月10日(金)18時0分 TOKYO FM+

TOKYO FMをはじめJFN全国38局が毎年“文化の日”に送る全国ネット特別番組『FM FESTIVAL』。2023年度は、11月3日(金・祝)に『FM FESTIVAL 2023 サザンオールスターズ デビュー45周年!「サザンとわたし」スペシャル』が放送されました。
デビュー45周年を迎えたサザンオールスターズをお祝いし、全国のリスナーから「サザンオールスターズと自分の人生が大きく交差した忘れられない思い出エピソード」とリクエストを、「サザンとわたし」というテーマで募集。サザンの名曲の数々とともに紹介していきました。
番組では、進行の住吉美紀桑田佳祐さんにロングインタビューを実施。ここでは、サザンオールスターズの曲作りなどについて語ってくれました。

サザンオールスターズ


◆音楽の“主流”ができないことに注力してきた
ーーサザンオールスターズの楽曲は、世代を問わずさまざまな人々の心をつかんできました。番組ではリスナーの思い出とともに名曲たちがオンエアされるなか、住吉は桑田さんに「曲作り」について質問しました。
住吉:最近のインタビューでは、ご自身のことを「音楽屋」や「音楽人」と表現されていますよね。
桑田:若い頃はカッコつけて「ロック」とか言っていたんだけど、なんか違うなと思ってね。どうも歯がゆいというか、照れくさいから「歌手」と言われるほうが好きになっちゃいましたね。
もともと、僕らは中途半端なところで出てきてしまったんですよね。1曲目(勝手にシンドバッド)は、売れたと言えば売れたんですけど。僕たちがテレビに出た頃に燦然(さんぜん)と輝いていたのは、郷ひろみさんとか沢田研二さんといった妖艶でカッコいい人たちでした。
僕らのデビュー前は、役者さんでも歌手の人でも、テレビで観る人たちはそれなりにまともな人が出ていて、我々はテレビに出たはいいけど、どういうイメージで出ればいいのか悩んだことがあったんです。要するに、主流になれないんですよ。
ニューミュージックにはユーミン(松任谷由実)さんがいて、中島みゆきさんがいる。我々は、どっちに転んでも相手にされない感じがあったんです。そういうのがいまだに続いているのですが、主流の人たちがやれないこと、違うことを、と思って一生懸命やりました。
ちなみに住吉さん、プロレスはご存知ですか?
住吉:存じております。
桑田:例えば、プロレス界だとジャイアント馬場さんは主流ですよね。私なんかが、その真似をしちゃダメなんです。(名ヒールレスラーの)上田馬之助さん、武藤敬司さんみたいな人がいて、顔面ペインティングしたり、そういう荒くれ技みたいなことを使って生きていくことが(必要だと)思ったんですよね。僕は、(彼らが)ちょっとしたときに見せる哀愁が好きなんですけど、そういう方向に行こうとしたんじゃないかなあ。
住吉:当時22歳の桑田さんは、そういうことを考えられていたのですか?
桑田:もうちょっと経ってから、数年後ですね。「俺たちはカッコつけたことをやろうとしているけど、所詮、無理なんじゃないか」と何度も思って、“上田馬之助さん路線”になったのかもしれないですね。
住吉:曲作りについては、どんなことを意識されていたのでしょうか?
桑田:母親や父親が鼻歌で歌っていたドリス・デイとか、50年代のフランク・シナトラから始まって、ビートルズ、ビーチ・ボーイズがあって、70年代、80年代はシンディ・ローパーなどをスポンジのように吸収して。90年代以降は、歳のせいかあまり吸収しないんですけど。
特に60年代〜80年代のスポンジ性が豊かだった頃は、いろいろ(吸収して)その頃が一番音楽を学んだし、経験したんじゃないかな。僕の年齢と符合しているところがあるんだけど、だんだんとレコードからCD、コンピューター、シンセ(サイザーなどの音楽や)、MTVのような映像に移り変わっていって。それが僕の世代にとっては、ある種いい経験になりました。
マイケル・ジャクソンやプリンスを観て「おおっ!?」ってなったのは、スポンジがまだ乾いているうちだったので吸収できたんだと思うんです。時代の流れと年齢的な部分が、サザンのみんなにとっても、私にとってもいい流れだったのかなと思います。
住吉:そのときに吸収したものが、曲作りの糧になっているのですか?
桑田:そうですね。洋楽だけではなく、やはり邦楽もです。「これからはテレビの時代だ」と言われて育ってきた世代で、テレビで見聴きする歌謡曲の世界にすごく(影響を受けました)。おそらく(地元が)茅ヶ崎ということも関係あるんでしょうね。あまり遊びに行く所がなかったからテレビを観たり、レコードを聴いたりしていました。
今ならわかるのですが、なかにし礼さんが書いた歌詞や、阿久悠さん、筒美京平さん、浜口庫之助さんといった方たちが作ってくれた音楽って、いろいろな要素が入っているんです。若い頃はなんとなく斜めに見ていましたが、どんどん自分の原風景になってくるんですよね。
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11月3日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年11月11日(土) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:FM FESTIVAL 2023 サザンオールスターズ デビュー45周年!「サザンとわたし」スペシャル
放送日時:2023年11月3日(金・祝)16:00-19:00
出演:桑田佳祐(サザンオールスターズ)
進行:住吉美紀
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/fmfes2023/

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