安倍首相の首里城「財源支出」宣言 台風19号被災者は複雑

11月11日(月)16時0分 NEWSポストセブン

被災地住民の胸中は(時事通信フォト)

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 11月6日の閣僚会議で、安倍首相は首里城再建について、「必要な財源を含め、政府として責任を持って全力で取り組んでまいります」と発言。2019年度の補正予算に必要経費を盛り込む方針を示し、“国主導”を改めてアピールした。


 今年完了した首里城の復元事業の総事業費は240億円。首里城には火災保険がかけられており、その限度額は70億円といわれている。


「がれきの撤去や周辺整備も必要で、修復に関わる人件費や資材費も高騰している。再建には200億円以上はかかると見られている」(地元紙記者)


 この安倍首相の発言を複雑な気持ちで聞いているのが、先の台風19号で被災した人々だ。


 政府はこの台風被害からの復興のため、2019年度予算から7億1000万円を支出する方針を決定したが、甚大な被害を被った千葉県を中心に、被災地ではいまだ家屋の修復や泥水の除去に追われ、3000人超が避難所生活を余儀なくされている。


「浸水した1階の汚泥はまだ除去しきれていないし、屋根瓦が吹き飛ばされ、雨のたびに雨漏りがすごい。周りもそんな家ばかりです。一体いつになったら元通りの生活が送れるのか、先が見えない。


 そんななかで、真っ先に沖縄に何百億円もの費用を首里城に充てるという宣言は、どうなんでしょうか。もちろん文化財の再建は重要ですが、もっと優先的に国の予算をあてるべき場所があると思うんです」(千葉県茂原市の被災住民)


 ネット上にも安倍首相の発言には疑問の声が噴出しており、


〈被災地そっちのけの政策ではないか〉

〈そのお金は氾濫した河川の整備につかうべき〉


 といった書き込みが殺到した。政治評論家の小林吉弥氏が語る。


「タイミング的にも、被災地の人々は複雑だと思います。安倍首相はすでに東京五輪後の衆院選挙を見据えており、政府の沖縄政策で疲れ切っている県民の不満をここで取り除いておきたい。素早い予算対応の裏には、そうした思惑があるのだと思います」


※週刊ポスト2019年11月22日号

NEWSポストセブン

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