“怪演女優”松本まりか、「声」を武器に35歳で本格ブレイクへ

11月13日(水)8時10分 オリコン

現在はドラマホリック!『死役所』(テレビ東京/毎週水曜 24:12)にレギュラー出演中の松本まりか。この世を去った者たちが最初に訪れる“あの世の市役所=シ役所”で働く職員・ニシ川を、笑顔を封印しクールに演じる (C)「死役所」製作委員会

写真を拡大

 今年、大きなブレイクポイントを迎えている女優・松本まりか。昨年1月期のテレビ朝日系『ホリデイラブ』でのあざと可愛い主婦役で注目されて以降、クセ者の役が続き、今クールも第1話にゲスト出演したフジテレビ系『シャーロック』での鬼気迫る演技や、テレビ東京系『死役所』での美人だが口が悪いクールな役どころで話題を呼んでいる。その熱演ぶりから“怪演女優”という枕詞も浸透しつつあるが、彼女の最大の武器は「声」にある。ドラマ解説者の木村隆志氏に、35歳を迎えた今、彼女が存在感を高める理由について解説してもらった。

◆顔より“声”が求められる現代、培ってきた演技スキルで「甘い声」が武器に

 松本が世間から注目を浴びるようになったのはここ1〜2年のことだが、女優デビューは15歳。学園ミステリー『六番目の小夜子』(2000年4月期)への出演にさかのぼる。本作はNHK教育(現Eテレ)の作品ながら高い人気を誇り、鈴木杏栗山千明山田孝之といった出演者たちは、その後、飛躍の一途をたどった。松本もその後、NHK連続テレビ小説『純情きらり』や『ゲゲゲの女房』、日本テレビ系『ホタルノヒカリ』など、次々と人気作に出演するが、なかなか大輪の花を咲かすことができなかった。

 長い下積み時代が続いていったが、松本は腐ることなく、劇団☆新感線やナイロン100℃などの人気劇団の舞台に挑戦し演技を磨いたり、持ち前の「甘い声」を活かして声優として活躍したり。あまり知られていないが、人気ゲーム『ファイナルファンタジーX』のリュック役や、シリーズ化され劇場版も公開された人気アニメ『蒼穹のファフナー』の遠見真矢役など、松本が声優として参加する作品は意外と多く存在する。

 そんな松本が、30代半ばで“ハマった”のが、クセが強い登場キャラクターの役だった。その理由について、木村隆志氏はこう分析する。

「松本さんの魅力の1つは声。甘い感じの声ではありますが、童顔で可愛らしい松本さんの顔にとても合っています。クセの強い役と相まって、もしかすると最初は少々鼻につくと感じる人もいるかもしれませんが、演技がしっかりしているので声を武器に演技でさらに存在感を示すことができているのではないでしょうか。もう1つの魅力は、瞬発力。さまざまなタイプの作品に出演しキャリアを積んできていらっしゃるので、(クセ者の役などで)喜怒哀楽の感情をパッと出すことができるのでしょう」(木村氏)

◆クセ者役ばかりを演じることのメリット・デメリット

 第1話にゲスト出演した『シャーロック』では、夫を亡くした悲劇のヒロインから徐々に豹変していく主婦役を。今夏AbemaTVで配信の『奪い愛、夏』では、共演の水野美紀、小池徹平と共に激しい三角関係を展開した。そして、現在出演中の『死役所』では、この世を去った者たちが最初に訪れる“あの世の市役所=シ役所”で働く職員・ニシ川役を笑顔を封印して好演中。死刑に処されて今に至るという設定で、美容師だったという生前の出来事が、今後の展開の関心事の1つとなっている。

 コンフィデンス誌によるドラマ満足度「オリコン ドラマバリュー」の調査時には、松本の演技について、「松本さんの演技に迫力があって、後半ストーリーが盛り上がった」(30代女性・北海道/『シャーロック』)、「松本まりかさんの悪女ぶりが最高」(40代男性・東京/『シャーロック』)、「松本さんが原作のイメージにピッタリと合っていて驚く」(40代女性・愛知/『死役所』)、「松本さんが物語の中で良いスパイスになっている」(30代女性・東京/『死役所』)などと、視聴者からコメントを集めている。

 怪演によってブレイクポイントを迎えた松本だが、クセ者ばかりを演じることに関して、何かリスクはないのだろうか。

「近年は、可処分時間の獲得競争が激化しています。スマホやタブレットでドラマや映画などのコンテンツを楽しんだり、何か作業をしながら“ながら観”する人も増えています。そのため、テレビドラマ業界としては、どこかエキセントリックさやインパクトを作中に求める傾向があります。強烈なキャラクターや展開があれば、ながら観をしている人の注意を引きつけられるほか、放送中から放送後にSNSやネットで話題に取り上げられやすくなり、その後の視聴につながる可能性があるからです。

 松本さんにクセの強い役のオファーが続いているのも、そういったことが影響しています。あまりにヒールな役ばかりが続くと、本人のモチベーションが下がってしまう可能性もありますが、ヒール役というのは主役の次においしい立ち位置の役。いまはヒール役でもなんでも露出を増やしていくことが大切だと思います。松本さんはヒールな役でも毎回いろんなアプローチでインパクトを残しているので、いまは怪演女優などと注目を集めていますが、役の幅が広がっていけばすぐにそのイメージは払拭されるでしょう」(木村氏)

◆未知数の伸びしろがある松本、歳を重ねることで魅力が増していく

 また、視聴スタイルなどの変化に合わせ、今は「顔より“声”が求められる時代になってきている」と木村氏。ここ最近は、ミュージカル系の俳優や声優たちがテレビ等で活躍するケースも増えているが、そういった背景も含めて、松本の需要は今後さらに増えていくのではないかと話す。

「アラフォーを前に、培ってきた経験値が引き出せるタームにきた。35歳で遅咲きですが、彼女は歳を重ねることで魅力が増していくタイプの女優だと感じます。童顔もプラスに働いて、例えば石田ゆり子さんのように、いろいろなタイプの役を何歳になっても演じることができる女優になっていきそうな予感がします。今までのキャリアを“フリ”として活かせるようなハードボイルドな作品やミステリーも合いそうですし、純愛ドラマのヒロインなど、これまでとは逆にいじめに耐える役なども合いそう。未知数の面白さがあります」(木村氏)

 松本は11月8日、15年ぶりとなる写真集『月刊松本まりか 汀』(小学館)を発売。その発売記念イベント(9日)で松本は、日の目を見るまでの日々を振り返って涙しながら、「35歳の今、やっとスタート地点に立てた」と語り、今後のさらなる飛躍を誓った。さまざまなキャリアを積んできた彼女が、今後どのような女優へと進化していくのか、楽しみだ。

オリコン

「松本まりか」をもっと詳しく

「松本まりか」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ