『リングフィットアドベンチャー』で最速クリアを目指す肉体強者たち現る。World 1クリアのタイムはわずか9分に、28時間をかけて全編攻略した者も

11月15日(金)18時39分 電ファミニコゲーマー

 2019年10月18日、任天堂よりNintendo Switch向けに『リングフィットアドベンチャー』というゲームソフトが発売された。「冒険しながら、フィットネス」をキャッチコピーとした本作は、運動を行うことを主軸に置いたゲームだ。特製のJoy-Conを取り付けた“リングコン”と“レッグバンド”を装着して体を動かすことで、ゲーム内のキャラクターもそれに合わせた動きを取るようになっている。

 ゲーム内には“アドベンチャーモード”というゲームモードがあり、フィットネスをすることでゲーム内の物語が進んでいく。ジョギングをすることで主人公がステージ上を走り、スクワットなどのトレーニングを素早く正確に行うことで敵モンスターを倒すことができる。

 単純にプレイヤーにトレーニングを課すのではなく、フィットネスを行うことで本格的にゲームを攻略していくという同作の斬新さはSNSや口コミで広がり、今では多くの量販店で品薄となるほどの人気となっている。

(画像はRing Fit Adventure – speedrun.comより)

 そんな『リングフィットアドベンチャー』だが、通常の遊び方に勝るとも劣らないほどに注目されているのが、このゲームを使ったタイムアタックだ。

 通常、ゲームのタイムアタックというものはコントローラによる緻密な操作が要求される。だが、『リングフィットアドベンチャー』のタイムアタックで大きく要求されるのは、指定された動作やトレーニングを見て正確に素早く運動できるかどうかという、フィジカル能力である。

(画像は[WR] Ring Fit Adventure Speedrun – Beat World 1 (Intensity 1) – 9:15 の7:04より)

 海外のゲームのタイムアタック記録集サイト「speedrun.com」には、すでに『リングフィットアドベンチャー』の記録が登録されている。『リングフィットアドベンチャー』のタイムアタックは、ルールに応じてさまざまなカテゴリーが存在しているが、現在もっとも流行っているものは「セーブデータがない状態から始めて運動強度を最低の1にし、最初のWorld 1をクリアするまでを競う」というカテゴリーだ。

 また、インチキをせず任天堂が想定した通りに身体を動かし正しく運動しながら進める“Intended”、ゲームを攻略するためなら何をしても構わない“Not Intended”というカテゴリが存在する。現時点では、正しく画面の指示に従ってフィットネスを行う“Intended”のほうがプレイヤーに好まれているようだ。

 “Intended”のルールでは不正防止のため、正しく運動しているプレイヤーの姿をカメラで映さなければならないというルールがある。そのため、記録達成の動画には全力で運動するプレイヤーが必ず映っているという、他のゲームのタイムアタックではめったに見られないシュールな光景が広がっている。

(画像はOld World Record RFA world 1 Intended Intensity 1 (4:07) の4:22より)

 もちろんフィジカル面での修練が求められるだけでなく、ゲーム部分の攻略も進んでいる。選択する言語でメッセージ量の差からタイムが変わるほか、特定のフィットネスを行うところであえて違うフィットネスを選択し、ボスの攻撃を受けるための腹筋ガードを失敗して時短を狙うなど、『リングフィットアドベンチャー』界隈では現在進行中で素早くクリアするための研究が進められている。

 「World 1」こそ物語の序盤なのでプレイヤー側が取れる選択肢も少ないが、有用なスキルを入手する、以降のボスに有効な装備品を入手する、ボスの属性に合わせたフィットネスで攻撃を行うなど、今後のWorldでは戦略の吟味でさらにタイムを短縮できる要素も多く、今後の解明が期待される。

 また、『リングフィットアドベンチャー』は、非常にゲームクリアまでの道のりが長いことでも知られている。「1日30分程度のプレイで約3か月のボリューム」と謳われるキャッチコピーは嘘ではない。リアルタイムアタックとして、ゲーム全編の最速クリアを目指したやまーだ氏のプレイでは、クリアまでに28時間を要している。

 氏の実際のプレイはYouTubeでライブ配信され、適度に椅子に座って休み、マップ移動中は体を動かさずに操作するなどして、体力は温存していた。にも関わらず攻略配信では、ゲームクリア時に画面に表示されるカロリー消費量は「3000」以上であったことが確認できた。成人男性の一日分の消費カロリーを軽く凌駕するということで、通しプレイを行う上での過酷さが伺える。

(画像はRing Fit Adventure SpeedrunsのDiscordサーバーに貼られた提案文)

 そして、『リングフィットアドベンチャー』』では注意しなければならないこともある。実際に体を動かすゲームということもあり、自身の限界を超えて必要以上に体を動かし続けてしまうとプレイヤーの身が危うくなる可能性があるということだ。

 これに対して英語圏の『リングフィットアドベンチャー』コミュニティでは、サウスダコタ鉱山技術大学でコンピュータ・サイエンスを学んだAidan Anderson氏によって、一日のプレイを制限する案が出されており、これを適用するかどうかが現在議論中だ。

(画像はWii Fit Plus – speedrun.comより)

 実は体を動かすゲームでのタイムアタックは『Wii Fit Plus』『Wii Fit U』でも行われたことがあり、今回の『リングフィットアドベンチャー』が初めてというわけではない。一方で『リングフィットアドベンチャー』は、フィットネス向けのゲームとしては過去にあまり例を見ない運動量でプレイできることもあり、早期に体調不良や怪我の可能性が懸念されている状況だ。しかし、発売からすぐにそういった懸念が出ること自体は、コミュニティが健全であることの証だろう。

 また、『リングフィットアドベンチャー』をプレイしていれば分かるが、プレイの前のストレッチ、プレイ中に水分補給を促す表示、プレイの後のクールダウンなど、安全に対する配慮がゲーム上に十分なほど組み込まれている。そういった配慮を無下にしないためにも、素早くクリアする上でも安全なプレイを心がけて、楽しく『リングフィットアドベンチャー』をプレイして欲しい。

ライター/もか

ライター
もか
小学校の頃にゲーム雑誌でタイムアタック特集を見てこんな遊び方もあるんだと感動し、RTAという言葉が生まれる以前からゲームの早解きを行い続けて現在に至る。
Twitter:@moka_peer

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