現役の小児科医がADHDの特性をもつ子どもの視点で描いた『ひまりのすてき時間割』!

11月15日(月)15時33分 Rooftop

株式会社童心社は、 『ひまりのすてき時間割』を2021年11月15日に刊行。

「主人公ひまりは、 ADHDと自閉スペクトラム症(ASD)の特性を持っています。 でも本文にも書いたように、 これは 障がいではなく性格・行動の特性と思いたい のです。 もし本人も周囲も困っていなければ、 治療なんてしなくていいんです。 でも困っていることがあれば、 発達特性を見てもらって対応すれば、 あなたの明日が変わります。 」(あとがきより)

この物語の 著者・井嶋敦子は、 現役の小児科医。 そしてご自身にもADHDとASDの特性があることを自覚していると、 あとがきに書かれている。 主人公ひまりにモデルはいない。 作者が愛情をこめて描き出した、 自身の分身とでも言えるだろう。

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物語の魅力は、 ADHD特性があると診断された(かかりつけ医の和子先生によれば、 最強のADHD)小学6年生のひまりの内面が、 しなやかな文体で鮮やかに言語化されているという点。 一人称でつづられる「時間割」は、 ひまりが 自分の暮らしを見つめ直す目的のため、 過去の行動記録でもあり、 明日のための覚え書き でもある。 ひまりの時間割は、 時に心の動きそのままに改行なし、 句読点少なめで言葉が暴走し、 一気につづられることも。 そんな自分を客観的に(作品中にも出てくるキーワードは「俯瞰」)見て反省しつつも受け入れ認めて、 自分を好きになっていく過程がていねいに描かれている。読者は橋本ひまりという子どもの心の中の旅を共にした深い感動の余韻を味わうことだろう。

ひまりには、 その存在を受け入れてくれる真由という友だちがいるので、 幸せだ。 しかし現実の社会ではどうだろう。 落ち着きがなく、 待つことができずにすぐ行動し、 集中するときは周囲が見えなくなる……クラスにひまりのような子がいたら。 その子の変わった行動や言動につい、 いらだちを感じたり、 無視したり突き放すような態度をとったり、 否定するような言葉を投げたりしたら……。 ひまりと深雪先生、 緊張関係にあった二人の間の糸が、 あることをきっかけにやわらかくほぐれていく場面を通して、 読者はもし自分がひまりのような子に対したときにどう接するか、 考えるきっかけ となるだろう。

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「ハッタツショウガイ」かもしれないあなたへ

*秋田県立医療療育センター小児科の医師・渡部泰弘先生(2022年開催の日本小児心身医学会学術集会大会長)は、 執筆に際して井嶋がお世話になった方です。 刊行に際して推薦の言葉が到着。

最近、 新聞にもテレビにもネットにも、 「ハッタツショウガイ」はあふれてる。 だから誰もが知ってる言葉になった。
でも、 その中身を誰もがきちんと分かってるかというと、 だいぶ怪しいんじゃない? と私は思う。 みんな「自分とは関係ない、 川の向こう側の話」って思ってない?
実はそうじゃなくて、 金手小6年1組の橋本ひまりのように、 あなたの身近に意外といる。 そして、 もしかしてあなただってそうかもしれない。 ただ気付いてないだけ。
それは特別な事じゃなくて、 誰でも一人一人が違う、 その違いがちょっと大きいだけ。 その違いを「オマエハワタシトチガウ」なんて言わずに、 ほんのちょっと気持ちを想像してあげて、 ほんのちょっと工夫してあげたら、 それでうまくいくんじゃない? そしたらみんなハッピーじゃない?
そんな事をひまりは伝えてくれているのかも知れないし、 「ほら、 私みんなと違ってちょっと変だけどハッピーだよ」というひまりの顔を見ていると、 「あなたは他の人と違うからこそひまりなんだよ、 それでいいんだよ」ってにっこり笑って伝えたくなる。
ひまりと出会った人がそんな事を感じてくれて、 ちょっとだけ周りの人の気持ちを想像して、 それが周りの人にもつながっていって…
そしていつの日か、 「ハッタツショウガイ」なんて言葉を使わなくて済む世界になったらいいなぁ。

渡部泰弘(わたなべ・やすひろ)秋田県立医療療育センター小児科


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