『おっさんずラブ』、新シリーズでもなお支持集めるワケ

11月15日(金)16時0分 NEWSポストセブン

昨年、大ヒットした『おっさんずラブ』(写真は昨年の第1弾の制作発表時のもの)

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 昨年大ヒットし今秋、新シリーズとしてスタートしたドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系)。毎回、衝撃シーンが繰り広がられることでも話題のこの作品の魅力についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。


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 そんなわけで、第二話で衝撃の展開を見せた『おっさんずラブ-in the sky-』。


 今回の舞台は航空会社で、転職して新米CAとなった春田創一(田中圭)をめぐって、彼に思いを寄せる人たちの恋模様を描いている。前シリーズでは、不動産会社で25歳の牧(林遣都)と55歳の部長黒澤(吉田鋼太郎)の間にはさまり、三角関係に困惑し続けた田中圭だが、新作はさらに複雑。


 いきなり副操縦士の成瀬(千葉雄大)にキスされ、整備士の四宮(戸次重幸)は上半身裸の図も含め、春田のスケッチをたくさん描いていたことがわかる。そして、なぜか春田のことが気になり続けた機長の黒澤(吉田)が、ついに彼を空港デッキに呼び出し、「好きになってもいいですか」と告白。ここで終わるのかと思ったら、春田がおでんデートをした社の広報部員・緋夏(佐津川愛美) が、黒澤の娘だと発覚。しかも、黒澤の自宅で…。


 もはや何角関係なんだかわからない勢いで、ラブがあふれまくる展開だが、やっぱり面白いのは、黒澤の胸キュンシーンだ。春田と成瀬のキスシーンを目撃し、なぜ、こんなに胸が痛むのか心配した黒澤は、ロッカーの隙間で悶絶したり、春田の前であたふたしたり。駆け込んだ診療所では「恋の病」と診断されて、かえってふらふらになる有様。そうとは知らない春田に、相談したいことがあるから、自分が住む職場の寮に来てほしいと頼まれると「家に誘われた」とそわそわしつつ、走って逃げていくのである。


 さらにダメ押しのごとく「こちら機長黒澤」というアナウンスも入る。第二話では「ご搭乗のみなさま、心のシートベルトをしっかりお締めください」ときた。勝手にガタガタしてベルト締めなきゃなんないのは、機長でしょ!と視聴者に思わせるところがミソである。強面鋼太郎のヒロインぶりは、ドラマの名物、十八番といってもいい。


『おっさんずラブ』の特長は、自分の恋心にみんなが真剣に向き合い、人を傷つけまいと踏ん張るところだ。それがこのドラマが高く評価された要因でもある。成瀬に春田への思いを指摘されても、自分の中に押し込めようとする四宮。一方で自分の告白を春田がOKしてくれたと勘違いして、デッキの鐘を打ち鳴らして喜ぶ黒澤。


 そして「誰とでもキスくらいする」となかなか素直にならない成瀬。誰にでも当てはまる恋愛感情や悩みをおとな世代がストレートに見せるドラマは、意外に少ない。純愛ブームと言われた2000年代の『世界の中心で、愛をさけぶ』なども基本は若き男女の物語である。


 個人的には、『おっさんずラブ』に新シリーズが登場するとは思っていなかった。特に田中圭・吉田鋼太郎の顔合わせが再び実現するとは。同じ二人のラブストーリーが映画になったり、設定をかえてシリーズドラマ化した例をたぐってみれば、それは昭和の『赤いシリーズ』でゴールデンカップルと呼ばれた山口百恵・三浦友和に通じるのかも!? 相思相愛になるのかは別として、観る者の心をつかむ田中・吉田は令和のゴールデンカップル。そう呼ばせてもらいます。

 

NEWSポストセブン

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