「不衛生」「店員がオタクをバカに」 アニメコラボカフェ炎上の背景とは

11月15日(金)9時1分 しらべぇ

クレープ(loooby/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

「渋谷マルイ」に展開するクレープ販売店「キャラクレ!」で、従業員が調理中に商品をつまみ食いをするなどの不適切行為を行なったとして、店舗が営業中止になったうえ、後予定されていたイベントも中止になるという事態が起きている。

『おそ松さん』『弱虫ペダル』等の人気作品とコラボしてきた店ということで、ツイッター上では注目を集める本件だが、なぜここまでの騒ぎになっているのか。取材を行なうと、コラボカフェが抱える複数の課題が浮かび上がってきた。


■アニメコラボカフェとは

「コラボカフェ」はアニメ、漫画のシチュエーションやフードを体験できる形態の飲食店のこと。

作品を反映した内装のなか、キャラクターにちなんだメニューを楽しむことができ、マンガ・アニメ好きの層には一定の需要がある。「キャラクレ!」はそのひとつで、運営元はファイブアイ社だ。


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■「キャラクレ!」炎上の流れ

今回の炎上の流れを解説すると、発端となったのは11月2日に行なわれたツイッターユーザーの投稿。

人気作品『うたの☆プリンスさまっ♪』とコラボ中だった「キャラクレ!」を訪問したその人物がクレープを注文したところ、ガラス面のオープンキッチンで調理中の従業員が、食材をいくつも食べながら作業をしていたと投稿した。

明らかに口元に手をやり指を舐めた動作があったことや、周りにスタッフが数人いたにも関わらず、誰も注意をしていなかったことなどが問題視され、この時点でそれなりの騒ぎに。

■謝罪文を出すも再度炎上

この投稿を受け、2日後の11月4日には店舗の公式ツイッターが謝罪文を掲載。鎮火したと思われたが、発覚翌日に店を訪れたファンたちが「店舗のガラス面が隠されていた」ことをSNSに投稿する。

さらにこれを受け、公式ツイッターは「弊店のガラス面の創りにおきまして、出店当初より物販並びに装飾スペースとして使用して参りました」とつづったが、「とりあえず隠してしまおうとしたのでは?」と、疑問を感じる人が続出した。

しらべぇが管轄する渋谷区保健所の生活衛生課に取材したところ、「消費者からの問い合わせを受け、マルイと店舗に聞き取りをし、指導した」という。

そのような指導があったからなのか、今度は店舗ではなくマルイの公式ツイッターでは開催が決定していた『イナズマイレブン』コラボイベントの中止が発表。続いて『グランブルーファンタジー』のイベントについても延期が発表され、1飲食店の不祥事どころではない事態となった。


■コラボカフェ・イベント増加の背景

作品にはなんの罪もないのになぜそんなことが……と思ってしまう今回の案件だが、そもそも論として、なぜコラボカフェやイベントは増えているのか。

多数の企画にプロデューサーとして関わるA氏は、しらべぇ編集部の取材に次のように答えた。

「そもそも昨今、コラボイベントやカフェが人気な理由のひとつに『製作委員会がリスクをおかさず、ライセンス料を受け取ることができる』という背景があります。


慣例なのか、製作委員会主導だと自分たちで費用を負担することになりますが、コラボカフェだとそうならず、金銭的リスクを回避できるんです。


だからこそ、公式主導に見えるイベントでも『じつはイベント企画会社が企画書を出して、それを運営が取捨選択している』というケースも多いのですが、こういうシステマティックな進め方をすることでネガティブな側面も出てきてしまいます。


イベント会社の人間には『その作品のことを全然知らない』だとか『そもそもアニメ・マンガが好きじゃない』人がいることも珍しくないですし、その結果、的外れなアウトプットになったり、クオリティが低いものになったりします。


まあ、クオリティが低いだけならいいほうで、炎上しないだけマシとも言えますが……監視の目が行き届かない結果、リスクを回避した結果、新たなリスクが生まれてしまうということですね」

■別のカフェでも炎上騒ぎが

飲食店として看過できない問題を抱えていた結果、中止・延期に追い込まれた「キャラクレ!」だが、衛生的な観点ではない問題で”ボヤ騒ぎ”を起こす店もある。池袋に店を構える「THEキャラCAFE」だ。

店を訪れたひとりのファンが「交換相手をツイッターで探してる客を笑う」「客に提供する特典コースターで遊んでいる」など旨を書いたツイートを8日頃に行ない、店員の問題行動が指摘されていた。

その後、「接客態度を改善する」と会社から回答をもらったことを理由に投稿者がツイートを削除したが、多発するコラボカフェの不祥事にファンからは不安を感じる声が多数あがっている現状だ。


■オタクをバカにする店員はなぜいる?

コラボカフェは1ドリンクに1枚コースターがおまけとして付いてくる企画を打っている企業がほとんどだが、そのほとんどが選ぶことのできない「ブラインド仕様」だ。

コースターのみならず、現在はカフェで売られているグッズのほとんどが「トレーディング商品」とされ、こちらも好きな絵柄を選ぶことはできない。

そのため、ファンは現地で交換会を開いたり、SNS上で自分が欲しい絵柄を募集するなど様々な楽しみ方をするのだが、「店員の中にはこの光景を異質に感じている人もおり、彼らがオタクをバカにしている現実はたしかにある」とA氏は分析する。

「こういった文化を知らない方からすると、机にズラッと缶バッジを並べる行為は不思議に思えるかもしれません。


正直、オタクをバカにする人は今もいますし、こういったオタク特有の行動(交換会など)に知らないがゆえに好意的でない感情を抱く人もたくさんいると思います。


私もこの世界に足を踏み入れたばかりの頃、『あの人たちは何をしているんだろう?』と感じましたしね」

■採用と教育に課題

しかし、一方でA氏は「作品をテーマに据えたカフェである以上、ビジネスとして通常の飲食店とは違う配慮が必要」と強調する。

「オタクと言えば『チェックシャツを色あせたデニムにイン、リュック』みたいなイメージを持っている人がいるかもしれませんが、実際はそんなテンプレートじゃない。オープンな人もいれば、普段はオタクであることをとくに言及しない人もいます。


そんな人たちが同じ趣味のもと集まって楽しむ場所がコラボカフェなんです。だからこそ、今後は通常のカフェとは違う視点での採用や、スタッフへの教育が課題になってくると思いますね。


まあ、個人的には『オタクじゃないのにバイトに応募する人のほうが謎』であり、店側もある程度被害者という気持ちはありますが…(笑)」


■満足度の高いコラボカフェも

ここまで、本記事ではアニメコラボカフェの炎上をめぐる実態、背景を綴ってきた。

しかし、一方でキャラクターや設定を徹底的に作り込み、まるで自分がその世界の住人になったような気分にさせてくれるイベントや、地元の食材を使い、本格的で美味なフード提供するカフェなど、満足度が非常に高いものも存在する。

たとえば、2018年に新宿のヴィレッジヴァンガードで開催された『刃牙(バキ)』のコラボカフェはそのひとつ。参加したB氏はこう振り返る。

「『14キロの砂糖水』やごきげんな朝食が漫画そのままに再現されていてテンションが上がりましたね。


とくに前者は、まあ言ってしまえばただの砂糖水なんですけど、原作で描かれた入れ物に入れてくれたところも良かったし、なにより『おかわり自由なんで!』とノリノリで言ってくる店員さんの対応が良かったです。


『いや、水だもんそりゃお代わり自由だわ!』とファン同士で突っ込みあったりして、今でも飲み会のネタにしてます」


こうしたアイデアやスタッフの掛け合い次第で、とてつもなく楽しい思い出になるケースもあるのだ。


■自分の知らない文化へのリスペクト

今回、アニメコラボカフェの炎上例としてふたつ取り上げたが、こういった事案は珍しい話ではない。

昨今は趣味も多様化し、それぞれのコミュニティで独自のルールや文化が出来上がっている。自分の知らない物には戸惑いを感じてしまうのが人間の性だが、そこにリスペクトの心を持つことが大切になってくるのではないだろうか。

そして、そのためにはイベントやカフェを展開する会社が、「顧客のニーズを満たす」という観点から社員やバイトの教育をきちんと行なうことが大切であり、アニメの運営委員会も、きちんとコラボ先を選ぶことが求められるだろう。


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(文/しらべぇ編集部・AKO



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