中居正広 存在感消し「プレミア12」で高支持、五輪待望論も

11月16日(土)7時0分 NEWSポストセブン

『プレミア12』では中居正広がリポーター役に(公式HPより)

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 スポーツ番組のキャスターなどに起用される芸能人は数多いが、その代表格といえるのが中居正広だ。中居は現在、『世界野球WBSCプレミア12』でリポーター役に起用され、高い支持を集めている。その理由について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。


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 現在、連日のように『世界野球WBSCプレミア12』の中継が行われていますが、テレビ朝日とTBSの局をまたいで「侍ジャパン公認サポートキャプテン」を務めているのが中居正広さん。


 中居さんは主に「ベンチ横のカメラ席でアナウンサーの実況や現役選手らの解説を聞きながら、カウントに余裕があるときを見はからってコメントを入れる」というリポーター役を務めています。国民的なスターであるにも関わらず、選手はもちろんアナウンサーと解説者に次ぐ3番手の裏方に徹していることに、あらためて驚いた人もいるのではないでしょうか。


 その姿を見た人々はネット上に「やっぱり中居くんは安定感がある」「スポーツに芸能人はいらないけど中居くんだけは認める」などの声を挙げ、私がヒアリングした民放各局4人のテレビマンもほぼ同様の見解でした。


 今やスポーツ中継と芸能人はセットのような位置づけにありますが、なぜ中居さんは誰よりも支持を得られるのでしょうか。来年に迫った東京オリンピックを踏まえつつ、その理由を掘り下げていきます。


◆スポーツ中継では自ら存在感を消す


 まず前提として挙げておかなければいけないのは、これまでの実績。


 中居さんはWBC(ワールドベースボールクラシック)を含めると、「侍ジャパン公認サポートキャプテン」は今回で4回目。また、2004年のアテネから2018年の平昌まで8大会連続でTBSのオリンピックメインキャスターを務めてきました。


 さらに、『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞』(フジテレビ系)、『ドラフト緊急生特番!お母さんありがとう』(TBS系)、『中居正広の〇番勝負!』シリーズ(日本テレビ系)などスポーツバラエティ特番のMCを務めるなど、“スポーツ”というジャンルにおける芸能界トップクラスの実績があります。


 中居さんは多くのレギュラー番組に加えて、紅白歌合戦の司会を6度も務めるほどの大物タレントでありながら、スポーツ中継では驚くほど存在感がありません。もちろんこれは中居さん自身が競技やアスリートを優先するために存在感を消しているのであり、視聴者たちはそれを分かっているので支持しているのでしょう。


 次に挙げたいのは、国際大会の緊張感あふれる空気に合わせる順応性。中居さんがタイミングを見はからったリポートができるのは、アスリートと視聴者、それぞれの心境に寄り添えているからであり、両者をつなぐ架け橋となっています。


 あまり知られていませんが、中居さんは事前取材にも熱心。選手や監督の取材時には手書きでメモを取り、多彩な情報を準備した上で、「この状況ならこの情報がいいだろう」と自ら選んで発信しているのです。期待感を加速させる情報、モニターに映らない情報、ホッとひと息つける情報などをスタッフではなく自己判断で出し入れしているのですから、一流のリポーターと言えるでしょう。


◆「オリンピック中継の顔」から外された


 東京オリンピックの前年にあたる今年は、夏から秋にかけて柔道、バレーボール、バスケットボール、ラグビー、陸上など、さまざまな競技の国際大会が放送されてきました。


 その多くに芸能人が出演して中継を盛り上げてきましたが、『世界陸上』(TBS系)の織田裕二さんを除くと、やはり知識やタイミングなどコメントの点で物足りなさを感じる人が少なくありませんでした。とりわけスポーツ中継に出演することの多いジャニーズ事務所の後輩たちに対しては、「場違い」「目立ちすぎ」などの厳しい言葉もあったのです。


 そんな背景に加えて、『プレミア12』の中継を見て「やっぱり中居くんは凄い」という声があがっているもう1つの理由は、「東京オリンピックのキャスターから外れるのではないか?」と言われているから。


 今年7月、TBSは安住紳一郎アナの『東京オリンピック2020』総合司会就任を発表しました。まだ中居さんがキャスターを務めるかどうかは分からないものの、「TBSオリンピック中継の顔」ではなくなったことに驚く人は多かったのです。だからこそ今大会での活躍で、「やっぱり東京オリンピックも中居くんがメインキャスターをやってほしい」という待望論が生まれているのでしょう。


 他局に目を向けると、NHKはオリンピック放送のスペシャルナビゲーターに嵐、フジテレビはオリンピックメインキャスターに村上信五さんの就任を発表済。ネット上には「中居くんは『プレミア12』のようにTBSとテレビ朝日のオリンピック中継に出ればいいのに」という声もあるように、まだまださまざまな可能性が残っているからこその待望論とも言えます。


◆中高年男性から支持を集める理由


 最後に注目したいのは、『プレミア12』の視聴率。5日のベネズエラ戦が11.1%、6日のプエルトリコ戦が11.2%、7日の台湾戦が11.6%、11日のオーストラリア戦が12.0%、12日のアメリカ戦が13.4%、13日のメキシコ戦が13.6%と、まさにジワジワと右肩上がりで視聴率を獲得しています(ビデオリサーチ、関東地区)。


 最大の魅力は選手たちのプレーであることは間違いありませんが、他のリポーターとは異なる独自性の高い中居さんのリポートが中継を盛り上げているのも、また事実。その視聴者層を調べていくと、最も多いのは50〜80代の男性でした。つまり、中居さんは長年スポーツ中継を楽しみ続けてきた男性たちから支持されているのです。


 これらの目の肥えた視聴者が最も嫌うのは、スポーツ中継であるにも関わらず「自分の我を出そうとする」「強引に笑いを取ろうとする」芸能人。その点、裏方に徹する中居さんは一目置かれる存在なのでしょう。


 高齢化が進み、ネットが普及した近年、視聴率に直結するリアルタイム視聴者の中心は50代以上の人々であり、その意味でテレビマンにとってスポーツ中継における中居さんは無視できない存在。東京オリンピックが開催される来年、中居さんがどんなポジションで、どんな活躍を見せるのか楽しみです。


【木村隆志】

コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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