「“ハゲ”をさらして踊る。これが私のやり方です」女性×髪の病気を描くギャグ漫画家

11月16日(土)13時0分 週刊女性PRIME

漫画家・小豆だるまさん

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 病気の末になってしまった頭を“ハゲ”と称し、自らをギャグマンガのモデルにした女性がいる。週刊女性の連載『トコちゃんとてるてる母さん』でおなじみ、小豆だるまさんだ。

■“ハゲの女性”に周りはギョッとする



「重度の円形脱毛症からカツラ生活を始めて数年。最近は医療用カツラでもおしゃれなデザインのものが多く、日常生活は不自由なく過ごしていますが、女性のハゲは男性よりも深刻。だから、みんな必死になって隠すしカミングアウトなんてもってのほか。人に言ってはいけない病気だと思い込む人もいるくらいです。

 そのため、ハゲで悩む女性の認知度はとてつもなく低い。私はギャグ漫画家なので、まずはマンガで認知度を上げたいと思いました」

 近年ではFAGA(女性男性型脱毛症)という言葉も登場し、女性のハゲ問題はメディアでも話題にあがるようになった。さらに赤裸々に告白した小豆さんのエッセイマンガも影響し、ハゲ女性に対する関心も高まりつつある。しかし、小豆さんに言わせると“まだまだ”とのこと。

「ギャグマンガで描くハゲの私はコミカルだし、キャラクターとして親しみを持って受け入れてもらえますよね。じゃあ、リアルな“ハゲの女性”を目の当たりにすると人はどうなると思います? ギョッとするんですよ。それって、やっぱり見慣れてないからなんです」

 現実のハゲ女性を受け入れてもらう方法に悩んでいたそのとき、以前から親しかった音楽ユニット『BOZE STYLE(ボウズスタイル)』が、ライブでハゲを優待する「ハゲ割」を導入した。

 通常、カツラでのライブ参戦やダンスなどの激しい運動は厳しい。カツラの内側は運動により熱くなり蒸れる。そして、いつ何どき“ズレるか”という恐怖がつきまとう。長年、趣味で続けていたダンスも諦めていた小豆さんだったが、

「“これならカツラ脱いでガンガン踊りまくれる!”と思って、カツラを脱いで参加しました。それが、めっちゃ気持ちよくて! この感動をまた体験したいと思って立ち上げたのが『ハゲプロ』なんです」

 小豆さんが主宰する『ハゲ100人で踊るプロジェクト』、略してハゲプロ。

 自らの実体験を多くの同朋に共感してもらいたい。そして、もうひとつの大きなテーマは“ハゲの認知度アップ”だ。

「このままだとハゲている人はずっと日陰者として生きていかなければならないし、社会の中で生きづらい。そんな現状を打破するには、“ハゲを抱えて生きている女性の認知度を上げて、個性として認めてもらうしかない!”って思ったんです。それも、消極的な姿勢じゃなく、ポジティブにハゲをアピールすることで、ハゲは初めて個性として認識されるんです」

 よって、ハゲプロ内では“ハゲは宝”と崇められる。舞台のセンターが許されるのは、完全な無毛の立派なハゲの持ち主だけだという。

 自らのハゲさえ楽しんでしまうハゲプロの一員たち。だが、いつの時代も女性は見た目で判断される機会が多く、ハゲという特殊な存在を笑いに昇華させるには、相当の時間と覚悟が必要だったに違いない。

「私が円形脱毛を発症したのは30代。まだまだ女性として輝いている年代ですから相当落ち込みました。カツラをするときも“この人かぶってるのバレバレ”なんて後ろ指さされそうで、かなり葛藤しましたから。

 でも、“ハゲは悪いことじゃない”“コツコツ治療を続ければいいことだってある”と前向きな気持ちに前進することができたのは、親身になって治療に力を注いでくれた主治医の先生方のおかげ。この悩みをひとりで抱えていたら、いまもまだ悩み続けていたし、家族以外には一生、秘密にしていたかもしれません」





■ハゲにも寛大な社会を目指して



 自らのハゲを個性ととらえ、前向きな姿勢でハゲと向き合う小豆さん。さらにハゲの認知度アップと本人たちが楽しむことをモットーに活動を続けるハゲプロ……。昨年にはイギリスの脱毛症団体のフラッシュモブを参考にしたパフォーマンスを見事、実現。そして11月17日のデザインフェスタでは、シンデレラをテーマにした面白系舞台を披露する予定だ。しかし、ここでまさかの問題勃発!

「今回の舞台が注目されてから、団体のSNSがプチ炎上しまして……」

 団体名のハゲという名称と、ハゲを面白おかしく表現している内容が同じ病気を持つ一部の人々の怒りを買ってしまったという。

「ハゲという言葉はパワーワードで、ネットではバズりやすい。その反面、ネガティブな意味合いが強すぎる言葉。ハゲに変わる“LGBT”のような、差別を含まない新たな用語を作り出せるといいんですが」

 ハゲであることを消化できない、悩める人が多いのも事実。その人たちを傷つけるつもりは毛頭ないので、今後の団体名については、再検討をする予定だという。

 ハゲが社会的地位を獲得するにはまだまだ時間と経験が必要。それでもいつか、ハゲでも街を堂々と闊歩できるような寛大な社会になれば……と、小豆さんは大きな野望を抱いている。

「先にお話ししたハゲ割ですが、実は活用したのって私だけだったんです。カミングアウトのハードルはやっぱり高いなぁって思いました。誰にも言えずに悩む人も多い。全員がカミングアウトをする必要はないけれど、隠さなければいけない恥ずかしい病気ではないことを、同じ立場の人にわかってもらえたらうれしいですね」




《PROFILE》

こまめ・だるま。重症の円形脱毛症で髪がないカツラ漫画家。5歳になる娘のトコちゃんと最近、円形脱毛症デビューを果たした旦那のパーマとの日常を描いた『トコちゃんとてるてる母さん』を2017年より連載中。





■美香先生に聞く!ヘアロスQ&A



 小豆さんのような全頭型円形脱毛症以外にも、オトナの髪の病気はたくさんある。加齢での薄毛との見分け方をヘアロスの専門家・美香先生に聞いた。

Q ただの薄毛と病気の違いって?

A 薄毛の多くは老化現象。それ以外の症状は病気のおそれも

「毛髪の成長期は30代がピークで、それ以降は少しずつ下降。それが可視化されるのが40代です。このころになると、髪の立ち上がりがなくなり、髪が以前に比べて細く、地肌がうっすら見えるように。これらの症状は加齢による薄毛。それ以外は毛髪が何かしらのトラブルを抱えているサインです。

 脱毛にはいくつか種類があって代表的なのは3つ。1つはホルモンバランスの乱れによる女性男性型脱毛症(FAGA)、2つ目は甲状腺疾患や栄養失調が主な原因といわれる慢性休止期脱毛症。3つ目は円形脱毛症で、多発型、全頭型、汎発型など重度の症状を引き起こすケースもあります。

 薄毛・脱毛の原因については、最新の研究でも十分に解明されておりません。しかし生活習慣の乱れやストレス、紫外線、喫煙などが影響していると言われています。そのため、内的・外的要因を見直すことは健やかな髪の成長に重要なことなのです」(美香先生)

Q 薄毛になったらどうすればいいの?

A まずは毛髪診断士に頭皮チェックを依頼して!

「薄毛の症状は素人では判断しにくいため、毛髪診断士の資格を持った美容師を訪れ、頭皮チェックをしてもらいましょう。マイクロスコープなどを使い、頭皮環境や毛髪の状態を見ることで、現状の毛髪状態を正しく判断することができます。その結果を受けて、毛髪診断士から正しい処置をアドバイスしてもらうのがいいでしょう。

 毛髪診断士のチェックが難しい人は、自宅でも簡単にできる頭皮ケアを導入して。中でも血行を促進させる入浴やマッサージは、初期の薄毛対策に効果的。血行をよくすることで毛細血管まで栄養素が行き渡り、毛細血管を通して髪の成長を促進させるからです。マッサージはシャンプー後の頭皮に育毛剤をつけ、専用のブラシで頭皮を優しくブラッシングするのがベスト。髪の成長を育む毛母細胞を活性化させます。



 そして食生活の見直しも重要。なかでも亜鉛は、髪の主成分であるケラチンやタンパク質を合成する役目があるといわれています。牡蠣や海藻、納豆、ブロッコリーに多く含まれていますが、サプリなどで対応するのも◎。ほかにも毛母細胞の細胞分裂を活発にするといわれるビタミンB2やB6、発毛を促進させるといわれるビタミンE、毛髪に酸素や栄養分を送り届ける働きがあるといわれる鉄分の摂取もオススメ。

 これらすべてを習慣化させているにもかかわらず症状が改善されない場合は、専門のクリニックで血液検査や頭皮検査を受けて。特別なケアをしなくても美しい髪が保てるのは10代まで。そして髪は自分が思っている以上に他人から見られるパーツです。スキンケアと同じくヘアケアにも十分力を注いで、健康で美しい毛髪をキープさせましょう!」(美香先生)


《PROFILE》

みか。毛髪診断士、ビューティープロデューサー、美容室「AMATA」オーナー。女性誌や美容専門誌でのメディア活動、講習会や製品開発など幅広く活躍。ヘアロス関連の『美髪力! 1日10秒で「キレイな私」』(双葉社)などの著書も

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