全国中高生の声の祭典『第八回 声優魂』最優秀賞は鳥取出身の高校2年生・田中苑希さん「声優の理想像は津久井教生さん」

11月18日(月)19時48分 オリコン

第八回 国際声優コンテスト『声優魂』最優秀賞・田中苑希さん(C)Deview

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 全国の高校生・中学生と、世界中の“声優”を目指す若者が集う“声の祭典”「第八回 国際声優コンテスト『声優魂』」が17日、ゲートシティ大崎ホールにて開催された。24名のファイナリストが公開最終審査のステージに上がり、鳥取県出身の高校2年生・田中苑希(たなか・そのか)さんが最優秀賞に輝いた。田中さんは鳥取大会のゲスト声優として出会った津久井教生を「声優の理想像」として挙げた。

 一般社団法人 国際声優育成協会が、声優プロダクション、アニメ製作会社、メディアなどの協力を得て、『声の祭典』として声優の世界をめざす若い才能を応援するために開催している『声優魂』。今年は、書類・音声選考を通過した全国の中高生と、中部(飯田)・鳥取・近畿(京都)の3地方大会受賞者、そして世界中からのエントリー「インターナショナルカテゴリー」の代表を合わせたファイナリスト24名が最終審査のステージに上がった。

 田中苑希さんは鳥取大会に中学3年から3年連続で出場。一つずつ順位を上げ、高校2年の今年、鳥取大会で優勝、最終審査出場のチャンスをつかんだ。ただし全国大会は少し勝手が違ったようで「控室に入ったときに空気がピリッとしていて、みんな言葉を交わすこともセリフを発することもなく(笑)。ちょっと怖かったです。鳥取大会は3回出ているんですけど、スタートから和気あいあいとしているんですよ。そのイメージが少しぐらいはあるだろうって思って来たので、面食らっちゃって」。

 「リハーサルで、マイクを使って一人ずつ自己紹介をしたんですが、みんな声が良くて! 自分が今まで出会ったことが無いようなきれいな声の人とか、思いっきり自分を出せている人ばかりで。それに比べて自分はボソボソっと言うことしかできなくて」と一度は落ち込んだという田中さん。しかし「こんなに上手くて意欲のある人たちと共演できる場って無いんじゃないか! 楽しむしかなくない?って思ったんです。鳥取大会では出来なかった掛け合い台詞を楽しみたくて、自分が目立ちたいとかじゃなくて、周りの演技を聞いて、演技を楽しもうって」という考えに至ったという。

 アフレコ審査は「口を合わせるのに必死で、はっちゃけることが出来なかった」が、「次で爆発させるしかない」と、次の掛け合い審査に全力を注いだ。「自分の役の設定は、普通に読んだら可愛い声で喋る女の子なんですけど、台詞を読み込むと、もっとがさつな女の子かも、いつも“彼氏欲しい!彼氏欲しい!”って言ってるような、可愛さのかけらもないような子かも知れないって思って。あえてぶっきらぼうな言葉遣いで、自分の地を出しつつ(笑)演じたので、一番楽しめました。そこが響いてくれてたらいいなって思いました」。

 第六回声優魂では同じ鳥取大会の優勝者・木村美言さんがグランプリに輝いている。田中さんは彼女に大きな影響を受けたという。「中3の時に鳥取大会で初めて会ったんです。なんてカッコよくて、演技が上手くて、かわいくて、みんなに優しくて…。本当に自分が今まであった中で一番魅力的な人でした。先輩が通っている高校には自分の家からは片道1時間かかって、自分が本来行く高校では無いんですけど、優柔不断な私が初めて、先輩と同じ部活に入りたいって決心して、その高校に入学して一緒に演劇をしてきました。そこから自分の夢への道は始まっていたのかなって」。この日は木村さんも応援に来ており「すごく嬉しい」と感激していた。

 声優を目指したのは、演じることの楽しさを知ったことがまず第一歩。「家が転勤族で、3年に一回ぐらい引っ越すので、友達がリセットされちゃうんですね。私も内気で新しい友達に話しかけられず、ずっと大人しい子だと思われてたんです。でも音読の時間に、みんながちょっと棒読みの中、思いっきり気持ちを込めて読んだら、その瞬間驚かれて“スゴイじゃん!!”ってなったんです。そこから演技って楽しいんだなって」。

 そして具体的に声優に憧れを抱いたのは小学5年生の時。「それまでアニメと言えばアンパンマンとかプリキュアしか知らなかったんですけど、初めてちゃんと観るアニメとして、姉に『進撃の巨人』を見せられたんです。1話から親が殺されるじゃないですか? 断末魔が描かれて、私の知ってるアニメと違う!って(笑)。あり得ない設定なのに、声優さんの演技力のお陰で、ちゃんと世界が出来上がっていて、そこにのめり込んでしまう。それから心を掴んで離さない声優という職業に強く憧れを抱くようになりました」と、そのとき受けた衝撃を語ってくれた。

 田中さんが「声優の理想像」と感じているのは、鳥取大会のゲスト声優として出会った、ニャンちゅう役の声優の津久井教生。「実力があるのに絶対に奢らずに、私たちにも褒めるだけじゃなく適切なアドバイスをくださいました。優しくて、トークも上手くて、“後輩たちの成長が嬉しい”みたいな、暖かみに溢れた方でした。一日しか触れ合っていないのに、なんて素敵な方なんだろうって大好きになりました」。

 現在津久井氏は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘っている。「でも声だけは無事で今も活躍していらっしゃる。私が声優魂の最終に臨むにあたって、津久井さんがツイッターで『一番いい声が出ますように』って励ましのメッセージをくださったんです。私のことをまだ覚えてくださっていたという嬉しさと優しさをが感じました。どんなに苦しい状況であっても声優という職業から離れず、周りが放してくれない。私もそういう声優になりたいです」と、田中さんは声優への想いを新たにしていた。

 なお第八回 国際声優コンテスト『声優魂』では、優秀賞に東京都出身の中学2年生・金光このぶさん(かねみつ・このぶ)、京都府出身の高校3年生・西川真由さん(にしかわ・まゆ)、インターナショナルカテゴリー入賞に朱恩永さん(韓国)、ヒュー・ジョウェン(Hew Jowen/マレーシア)、李詩蘋さん(香港)がそれぞれ選ばれた。

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