安倍内閣は立場弱い者に居丈高 根底に学歴コンプレックスか

11月18日(月)16時0分 NEWSポストセブン

安倍首相は成蹊大学出身(時事通信フォト)

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「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とは、故・竹下登首相が座右の銘にした言葉として知られ、政界では、権力を持つほど謙虚であれ、という戒めに使われる。だが、現政権はまるでその逆をいく。


 安倍晋三・首相は自らが主催する「桜を見る会」に国費で後援者を大量に招待して権威をひけらかし、首相側近議員たちもそれを見倣って後援会幹部を接待し“権力に近い”ことを誇示していた。政権をあげた“公然買収”というほかない。さらに安倍事務所が地元後援者向けに催した「前夜祭」についても、政治資金規正法、公職選挙法に触れる疑惑として追及が強まっている。


 その一方で立場の弱い者には居丈高になる。首相は国会で“弱小野党”の質問にヤジを飛ばし、側近の萩生田光一・文科相は大学入試改革を不安がる受験生に「身の丈に合わせて、頑張ってもらえば」と上から目線で言い放ち、新制度導入延期という混乱を招いた。


 根底にあるのは、現政権の閣僚に共通する“学歴コンプレックス”ではないか。


 現在の安倍政権は「反東大内閣」と呼ばれる。過去の自民党政権に比べて、東大出身の大臣が極端に少ないからだ。小渕内閣(7人)や第1次小泉内閣(6人)など、平均6〜7人の東大出身者を擁してきた歴代自民党政権において、安倍内閣も第1次政権では7人の東大出身者を揃えた。ところが再登板後の第2次政権では発足時に4人(+東大大学院1人)、今回の改造内閣ではついに3人にまで減少している。


 政権中枢の政治家を見ても、安倍首相は小学校からエスカレーターで成蹊大を卒業、麻生太郎・副総理は初等科から大学まで学習院だ。対照的に菅義偉・官房長官は高校卒業後に段ボール工場で2年間働いた後、国立大学の受験に落ちて法政大学に入学している。


 新入閣の大臣も、目玉閣僚の小泉進次郎・環境相は留学組で、関東学院大学六浦中学・高校から同大学に進み、卒業後、米国コロンビア大大学院で修士号を取得している。


 教育行政の責任者である前述の萩生田文科相は受験失敗組。早稲田実業高校から1浪して明治大学に進学した。いずれも受験エリートとは言い難い。安倍首相は自民党幹事長時代に自らのコンプレックスについてこう語ったことがある。


〈コンプレックスのない人間なんて、世の中にそういないですからね。一つは、小学校から大学までずっと成蹊学園にいたので、受験を経験していないんです。人間というのは、ある時、目先の目標を達成するため、大変な思いをして、勉強をするということが必要なのではないかという気がします〉(『Yomiuri Weekly』2004年2月22日号)


 麻生氏も大の“東大嫌い”で知られる。昨年、地元・福岡での選挙演説で北橋健二・北九州市長を「人の税金を使って学校に行った。東京大学出たんだろ」と批判。国会で追及されると「自分も東大進学を考えたことがあるが、親から『あれは役人をつくる学校だ』とばっさり切られ、学習院大に進んだ」と釈明していた。『安倍晋三 沈黙の仮面』(小学館刊)などの著書がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。


「安倍家は祖父の岸信介氏も父の晋太郎さんも東大法学部出身。安倍さんは高校時代に晋太郎さんから“東大に行け”と分厚い辞書で頭を叩かれながら勉強を強いられ、それに反発した。そうしたこともあって、東大出身者とエリート官僚が嫌い。お友達政治家にも東大卒はほとんどいない。


 麻生副総理や菅官房長官も東大ではなく、政権として東大出身者主導の政治に対するルサンチマンがあると思う。内閣人事局をつくって官邸が官僚トップの人事権を握り、非東大の政治家が東大出身の官僚の上に立つという仕組みをつくったのもその現われでしょう」


 安倍首相が東大出身で占められる財務省幹部との面会が極端に少ないことも報じられたが、やはり東大を遠ざけているのだろうか。


※週刊ポスト2019年11月29日号

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