【映画コラム】アメリカのカントリー賛歌の側面もある『ローガン・ラッキー』

11月18日(土)14時59分 エンタメOVO

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 『オーシャンズ11』シリーズを手掛けたスティーブン・ソダーバーグ監督の最新作『ローガン・ラッキー』が公開された。

 運の悪い人生を送るローガン兄弟(チャニング・テイタム、アダム・ドライバー)は、全米最大のモーターカーイベントの最中に、売上金を強奪する計画を思いつく。

 兄弟は、カーマニアの妹(ライリー・キーオ)、爆破のプロのバング(ダニエル・クレイグ)とその弟たちをチームに加え、計画を実行するが…。

 ソダーバーグは、2013年に一度監督引退宣言をしたが、本作の脚本にほれ込んで撤回したという。確かに、ウェストバージニア出身の新人レベッカ・ブラントが書いた脚本は、基本の三幕構成(設定、対立、解決)を守りながら、次々に予想外の展開を示し、ラストには鮮やかなどんでん返しを持ってくるという見事なもの。ウェストバージニアを歌ったジョン・デンバーの「カントリー・ロード」もいい隠し味になっている。

 その脚本を映画化した本作の見どころは、洗練さを魅力とした犯罪劇である『オーシャンズ11』シリーズを撮ってきたソダーバーグが、今回は田舎町を舞台に、野暮な連中による泥くさい犯罪劇を撮った、というギャップの面白さにある。

 ソダーバーグ自身も「これは『オーシャンズ11』シリーズのいとこ版だ。ただ、このチームには資金も最新技術も無い。その点では、まるで『オーシャンズ11』とは真逆のような作品だ」と語っている。

 また、いかにもソダーバーグらしい凝った演出やオフビートな描写も健在だが、彼は本作について「ハリウッド映画には、見終わった途端に頭から消え去るものも多いが、この映画は、そんなに簡単には消えないくらい、現実に根ざした作品だと思っている」と語る。

 つまり、ハリウッド映画にはあまり登場しない、労働者階級を主人公にした本作は、犯罪ものではあるが、アメリカのカントリー(田舎)賛歌の側面もあるのだ。そこがまた面白い。(田中雄二)

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