サッカーの「名伯楽」坂本康博監督 東京五輪で活躍する選手ズバリ【特集・目指せ!東京2020】

11月19日(火)12時0分 J-CASTニュース

坂本康博監督

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坂本康博氏ほど長きに渡りサッカー界の「現場」に居続ける指導者はいないだろう。大阪体育大学(大体大)では44年間に渡って指導を続け、勇退後は関西国際大学に舞台を変えて、総監督として現場に立ち続ける。

教え子には、西村昭宏・元日本サッカー協会育成担当技術委員長(現:高知ユナイテッドSCゼネラルマネージャー)などクラブのトップもいれば、現在サガン鳥栖の強化指定選手として活躍している林大地のような新人選手もいる。つまり、サッカー界の第一線で、61歳から22歳の教え子たちが活躍しているのだ。その坂本氏に、東京五輪を展望してもらった。(インタビュアー:石井紘人 @ targma_fbrj)



本田圭佑よりもインパクトある教え子は



——東京五輪世代で、坂本先生が注目している日本の男子選手はいますか?



坂本 教え子の田中駿汰(大体大:コンサドーレ札幌内定)は選ばれれば面白いと思います。駿汰は波がないし、空中戦のテクニックもあるので、ヘディングも強いですよ。


——では、坂本先生が東京五輪の日本代表監督でしたら、オーバーエイジでどの選手を招集しますか?



坂本 老生の孫弟子たちにフォーカスするわがままを許していただき、使うとすれば、中盤の選手になるでしょうね。チームを落ち着かせたいので、(柴崎)岳(デポルティーボ・ラ・コルーニャ)とかを選ぶと思います(柴崎の出身校である青森山田高校の黒田剛監督は、坂本氏の教え子)。岳は国際経験も豊富でサッカーセンスもあるし、本当に周りが見えている選手ですからね。オーバーエイジはセンターラインの強化で使うのが効果的だと思うので、(昌子)源(トゥールーズFC)も面白いと思います。


——先生の教え子には、リオ五輪に出場した藤春廣輝選手(ガンバ大阪)がいます。さらに、教え子である星稜高校の河崎護総監督の教え子に北京五輪に出場した本田圭佑選手(フィテッセ)もいます。数珠繋ぎで教え子が五輪に出場しているわけですが、最もインパクトのある教え子、もしくは教え子の教え子は誰ですか?



坂本 圭佑よりも、源ですね。源は両親がどちらも大体大の教え子ですし、さらに通っていた米子北高校の城市徳之総監督も教え子です。それもあり、源の進路が決まっていなかった時に「ぜひ、大体大に」という話がありました。私も源のプレーを見て、大体大に来てほしいと思いましたが、あんなに冷静にディフェンスができると思いませんでした。伸びしろといった意味で、圭佑よりもインパクトがあります。


五輪は一流選手の予備動作を見よ




——では、坂本先生から見た世界の舞台で活躍できる日本人選手の特長、共通点を教えてください。



坂本 判断力です。知識を知恵として使うことができて、向上心も強い。そういった向上心から生まれるやりたいことを助けてくれる仲間がいるというのも大切です。圭佑は、その最たる例ではないでしょうか?


——確かにそうですね。では、これから五輪を目指すサッカー少年・少女に向けて、「東京五輪では選手のプレーのココに注目しよう」という点があったら、教えてください。



坂本 一流選手は難しいプレーを簡単にやります。そのプレーをするまでの前のプレー、予備動作を見るのが大切です。ただ、これは誰かが解説してくれないと気付かないかもしれません。たとえば、シュート。テレビ解説では「シュートが外れました」「相手が寄せてきましたからね」で終わりますが、実際には、ボールを貰うまでの予備動作、さらにシュートのフォームを見る必要があります。

そういった世界のプレーを自分の目で凝視できるというのは、私が指導者になったばかりの時には考えられませんでした。昔は、一流のプレーを見るためには、ワールドカップを見るために、渡航しなければいけませんでしたから。

だからこそ、今の選手やコーチには、一流のプレーを見て欲しい。

また指導者には、サッカーだけでなく、怪我のケア、生活に関わる面や社会的な知恵を与えてほしい。サッカー馬鹿というのは褒め言葉ではありません。たとえば、なんで怪我をするのか。それを分かっていれば、選手たちの怪我の予防をする指導だってできるわけです。


——最後に、日本代表は東京五輪でどこまで勝ち進めるでしょうか?



坂本 地元開催となると時差はないですし、気候も理解できているので、順応しやすいはずです。インフラも、練習会場の選定から情報のシャットアウトまでできます。今までの五輪よりも、様々なストレスを排除できると思うので、最低でもベスト8、さらに4ぐらいには入って欲しいと思います。




坂本康博(さかもと・やすひろ)

大阪体育大学名誉教授、関西国際大学サッカー部総監督。

1973年から大阪体育大学サッカー部を指導し、全日本大学選手権で優勝2回をはじめ、総理大臣杯優勝3回、関西選手権優勝8回など国内の大会で多くの優勝を重ねる。全日本選手権(天皇杯)には15回出場。同大学では1990年から女子サッカー部も率い、全日本大学選手権で3回優勝している。サッカーワールドカップは、1978年のアルゼンチン大会から2006年のドイツ大会まで毎回視察を続けた。

2017年12月からは関西国際大学サッカー部総監督、18年4月に関西国際大学人間心理学部教授。

元日本代表選手の松井清隆や西村、藤春や長きに渡りJリーグで活躍した江角浩司らJリーガーはもちろん、なでしこジャパン元監督の大橋浩司など600人を超える教員を含めた指導者を育ててきた。

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