トッド・ヘインズ監督が内部告発映画を手掛けた理由とは?『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』

2021年11月20日(土)15時0分 シネマカフェ

『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』メイキング(C) 2021 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.

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マーク・ラファロ、アン・ハサウェイら実力派キャストとトッド・ヘインズ監督の豪華タッグで贈る『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』より監督コメントが到着。併せてメイキング&場面写真が解禁となった。




本作は、マーク・ラファロが注目した巨大企業との闘いを繰り広げてきた弁護士の新聞記事が基になった、全米を震撼させた衝撃の実話に基づく物語。

監督は『ベルベット・ゴールドマイン』『エデンより彼方に』『キャロル』など観る者の心を揺れ動かすメロドラマを数多く手掛けてきたトッド・ヘインズ。自身も同性愛者である彼は、社会的マイノリティの人々を美しくも悲劇的に映し出してきた。

そんな彼が今回手掛けたのは、巨大企業の陰謀を暴き出す弁護士に焦点を当てた物語。ヘインズ監督はプロデューサーも兼任するマークから本作の話を持ちかけられた時、「マークは知る由もなかっただろうが、私はこのジャンル、つまり内部告発もののひそかなファンだった」と明かす。

続けて「アラン・パクラ(とゴードン・ウィリス)による1970年代の『コールガール』『パララックス・ビュー』『大統領の陰謀』のパラノイア三部作や、その後のマイク・ニコルズ監督作『シルクウッド』やマイケル・マン監督作『インサイダー』に心底敬服しているのは、私だけではないだろう。ただ、権力が犯した過ちを明らかにすること以外にも、私の心をとらえる何かがこれらの作品にはあった。(リチャード・ニクソンがいかに腐敗していたかを知るために『大統領の陰謀』を見る人はいない)。もちろんこれらの作品では、企業や業界によるものであろうと、政府によるものであろうと、権力の乱用や脅迫や隠ぺいが明かされる。実際、それが物語に期待されるものであり、そうした期待が、物語に先立って実社会で高まることもよくあることだ。しかし、内部告発映画の真に焦点をあてるのは平凡な人間であり、彼または彼女のたどる過程であり、真実に立ち上がることでその人物が直面する、致死的とまではいかないにしても、精神・感情面の危機である」と語る 。

さらに、ヘインズ監督は瞬時にロブ・ビロット(『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』の主人公のモデルとなった人物)のストーリーに惹かれ、新しいジャンルを探求できることにワクワクしたという。

「本作は僕がよく携わる映画とは少し違うけれど、僕が昔から好きな内部告発もの(他にふさわしい言葉がないのでそう言わせてもらう)というジャンルと同じタイプの作品だった」と、話す監督。特に気に入っている作品は、『大統領の陰謀』や『インサイダー』だそうだ。

併せて解禁となった場面写真には、巨大企業デュポン社の陰謀に立ち向かう弁護士・ロブ(マーク・ラファロ)と、彼を取り巻く周囲の人々が切り取られている。山積みになった内部資料に隈なく目を通すロブや、そうして次第に疲弊していく夫を優しく抱きしめる妻のサラ(アン・ハサウェイ)の姿からは、巨大企業との闘いに挑んだ苦難の道のりが垣間見える。さらに、深刻な表情のロブが、上司のタープ(ティム・ロビンス)に相談を持ち掛けているようなカットも。



また、メイキング写真には、マークに演出する監督の姿が。製作と主演を兼任し、環境活動家でもあるマークと、内部告発映画のファンだというヘインズ監督。そんな2人の心を動かしたという物語に期待が高まる。

『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』は12月17日(金)より TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。

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