セ新人王「記者投票」の結果に疑問噴出 「根拠を説明するべき」

11月21日(火)15時48分 J-CASTニュース

プロ野球の記者投票に疑問の声(画像はイメージ)

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プロ野球の最優秀新人賞(新人王)を選ぶ記者投票の結果が、インターネット上で物議を醸している。セ・リーグの有効投票数286のうち、阪神の大山悠輔(22)に49もの票が集まったのだ。

今季のセ・リーグ新人王に輝いたのは、208票を集めた中日の京田陽太(22)。今季10勝を挙げ、京田と新人王を争うとみられていたDeNAの濱口遥大(22)は27票にとどまった。つまり、大山への投票が「多すぎるのではないか」などと、記者の判断に疑問を抱くファンが続出しているのだ。



2位に阪神・大山、DeNA濱口は3位




2017年シーズンの表彰選手は2017年11月20日、日本野球機構(NPB)の公式サイトなどで発表された。MVPと新人王の選考は、5年以上の取材経験をもつプロ野球担当記者による投票で行われた。



いまネット上で物議を醸しているのは、セ・リーグ新人王の記者投票の結果だ。286の有効投票の内訳は、次のような結果だった。



京田陽太(中日) ... 208

大山悠輔(阪神) ... 49

濱口遥大(DeNA)... 27

西川龍馬(広島) ... 1


圧倒的な得票数で新人王に輝いたのは、球団新人最多記録を更新するシーズン149安打を放った中日の京田。主に1番打者として活躍し、今季は打率2割6分4厘、4本塁打、36打点、23盗塁の成績を残した。



得票数2位はシーズン後半から阪神の4番を務めた大山。今季は打率2割3分7厘、7本塁打、38打点の成績だった。勝負強い打撃でインパクトの強い活躍を見せたが、出場は75試合で221打席だった(規定打席は443打席)。



その次に票を集めたのは、DeNAの先発ローテーションの一角を担った濱口。左肩のけがで1か月ほど離脱したものの、123回と3分の2を投げて10勝6敗、防御率3.57の成績を残していた。離脱の影響もあり、規定投球回(143回)には19回と3分の1だけ足りなかった。



なお得票数で「3位」だった濱口は、セ・リーグ連盟特別表彰の「新人特別賞」を受賞。一方、記者の得票数では上回った大山だが、新人特別賞には選ばれていない。



スポーツアナも「個人的には、1位京田、2位濱口」




こうした経緯もあり、セ新人王の投票結果がスポーツ紙などで伝えられると、ネット上の野球ファンからは、「大山の票が多すぎる」「濱口の票が少ない」との意見が噴出することに。実際、ツイッターやネット掲示板には、



「大山に票を入れたやつは出てきて理由説明してほしい」

「大山決して嫌いじゃないが、今年の濱口の倍近く票が入る様な活躍したっけ?」

「得票数で濱口より上に大山がいて、3位の濱口に新人特別賞?どういうこっちゃ??」

「大山も確かに活躍したけどそれにしたって濱口より得票数多いとは信じられない」


との書き込みが数多く寄せられている。



投票結果に不満を示したのは、一般の野球ファンだけではない。CS放送の野球番組「プロ野球ニュース」(フジテレビONE)の出演で知られるスポーツアナウンサーの節丸裕一さん(46)も21日未明、


 
「個人的には、1位京田、2位濱口。もしこの2人が居なかったとしたら、2年目ですが西川に投票したい」


とツイート。その上で、「表彰選手の記者投票は、政治の選挙とは違う。戦略的な投票とかするべきじゃないし、投票の秘密も要らないはず。投票の根拠を責任持って説明するべき」と訴えていた。



そのほかネット上では、関西地区で高い人気を誇る阪神は担当記者の数が多いため、その分大山の得票が伸びたのではないか——などと憶測する動きも出ていた。



「イメージで投票する記者はいます」



しかし、そんなことが実際にあるのか。J-CASTニュースが21日昼、元東京プロ野球記者クラブ代表幹事でスポーツジャーナリストの菅谷斎(ひとし)氏に話を聞くと、その第一声で、



「プロ野球の記者投票にも票田というものはある。人気チームの選手には、やはり票が集まりやすい。阪神の担当記者が多いというのは、今回の投票結果に少なからず影響があったと思いますよ」


と話す。



その上で菅谷氏は、圧倒的な記録や成績を残した選手がいた場合は別だが、今回のように主だった選手の成績が競っていた場合は、「イメージで投票する記者はいます」とも指摘する。



「やっぱり、大山は阪神の4番を務めたことが大きい。濱口はDeNAのローテピッチャーで、決してエースではなかった。成績だけではなく、こうした『格』に基づく印象も投票に影響しますね」


なお、濱口が特別表彰を受けたことについても、菅谷氏は「今季、濱口が残した成績で特別表彰を受けた例はあまり聞かない。珍しいのでは」とした上で、



「記者投票がこういった結果になったから、批判の声を静めるために濱口に賞を与えたのかもしれません」


との見方を示した。



確かに、過去に新人特別賞を受賞した選手を見ると、坂本勇人(2008年、高卒3年目で全試合出場)、武田翔太(2012年、高卒ルーキーながら8勝、防御率1点台の好成績)、藤浪晋太郎(2013年、高卒新人で10勝を挙げた)、など、目を引く成績を残した選手がほとんどだ。




メジャーでは記者投票の内訳が公開される



ちなみに、メジャーリーグ(MLB)の表彰選手を選ぶ記者投票では、誰がどの選手に投票したのかが全米野球記者協会の公式サイト上で公開される。記者の投票が疑問視された場合は、メディアやファンから名指しで批判を受けることもある。



そのため、今回の騒動を受けてネット上では、NPBも同様のルールを適用すべき、との声が高まっている。こうした動きについて菅谷氏に聞くと、



「とくに新人王の表彰は、プロ野球選手にとって一生に一度の機会しかない。それだけに記者の責任も問われる。今後、NPBでも記者投票の内訳を公開していく必要はあるでしょう」


と話していた。

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