望月衣塑子氏「官房長官ら大物議員は自分さらけ出す覚悟感じる」

11月22日(水)7時0分 NEWSポストセブン

菅官房長官ら大物議員からは覚悟を感じると語る望月氏

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 東京学芸大附属大泉中学校・学芸大附属高校の先輩・後輩関係である衆院議員・山尾志桜里(43才)と『東京新聞』記者・望月衣塑子(42才)。パワフルな2人の女性の対談が実現した。山尾氏は不倫疑惑報道で大バッシングをくらいつつも10月の衆院選で当選。望月氏は菅義偉官房長官による官邸会見で積極的な質問を繰り返し、政権支持者から容赦ないバッシングを浴びてもひるまず質問を続けている。


 そして、今年、女性と性犯罪をめぐる問題に一石を投じたのは、ジャーナリストの伊藤詩織さん(28才)。彼女は元テレビ局記者のフリージャーナリストA氏と会食後、飲酒で意識が朦朧となる中でレイプ被害を受けたとして、顔と名前をさらして記者会見に臨んだ(A氏は犯罪行為を否定し、検察審査会で不起訴が確定)。望月記者は詩織さんを直接取材した経験があるという。


望月:関係者取材や報道によると、A氏への準強姦罪での逮捕状が発付されたものの、逮捕する予定の当日に執行が停止されました。この件は警視庁捜査1課や広報課にまで報告されていましたが、そこまで段取りが進んでいた事件で、逮捕が警察の手によって中止された性犯罪捜査というのは、私の10年を超える事件取材の記憶では1度もありません。


 A氏は安倍首相に近く、“総理に最も食い込んだ男”といわれます。でも詩織さんは、個人的にA氏を何とか糾弾したくて顔出しでの告発をしたわけではありません。日本ではレイプなどの性犯罪を受けても被害届を出すのは全体の5%ほど。彼女には年の離れた妹がいて、誰かが声を上げないと妹や他の女性が同じような被害に遭っても泣き寝入りさせられることになる。そんな社会を変えるために勇気を出して一歩を踏み出したのだと強く感じました。


山尾:彼女も含め性犯罪被害者は多くの場合、繰り返し複数の捜査員に被害の説明を求められ、被害の再現を強いられ、何度もつらい記憶を思い出さなければならないのです。私は、性被害を受けた人がすぐ駆け込めて、ワンストップで心や体のケアから捜査の橋渡しまでサポートする『ワンストップ支援センター』の整備法を作りたい。野党では方針はまとまっていても、与党が“法律はいらない”と審議拒否しているのが現状です。


 今年、性犯罪規定を厳罰化する法改正を行いましたが、政府は当時、共謀罪の審議を優先して、性犯罪当事者の声を国会で聞きませんでした。これは本当に許せません。



望月:詩織さんの取材をして驚いたのは、男性の意識の低さです。“売名行為”とか“食事してお酒を飲んだら合意では”とか、平気で言う男性も少なくないんです。NHKの『あさイチ』の調査では、“2人で食事をしたら性行為の合意と見なす”という男性が11%もいるそうです。


——逆風を浴びながらも力強く前を向く2人。それでも心が折れない強さの理由は何か。


望月:新聞記者は後方にいて記事を書くだけで、自分が矢面に立つことは少ない。正直、追及はしつつも菅官房長官など大物議員からは、自分をさらけ出して戦って政治をしている覚悟を感じます。


 それでも会見に出て質問を始めた以上、納得できる回答をもらえない限りは質問し続けないと何も変わらない。少数の意見かもしれないけど、『それっておかしくないですか』とぶつけ続けないと、子供、孫の世代に負担がかかる。誰も聞かないなら、私が聞くしかない。それくらいの覚悟でやっています。


山尾:私は永田町に評価されるために政治をするのではありません。今回の選挙で落選したら政治家をやめる覚悟でした。当選した以上は全力で仕事をして、私を頼ってくれる人に評価されれば結構なので、怖いものはない。しかも今回、無所属で選挙を戦い、教育費を無償にするなら消費税を上げる必要があることや、安倍さんの憲法改正と戦うためにも護憲一辺倒じゃダメなど、民進党時代には言えなかったことを言えるようになり、政治家としての政策、哲学についてはもっと社会にさらそうという覚悟ができました。


——くしくも「覚悟」と口を揃えた2人。どんな逆境にあろうと、覚悟を決めた女は強い。


※女性セブン2017年11月30日・12月7日号

NEWSポストセブン

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