『全領域異常解決室』人間の愚かさに翻ろうされた”月読命”(石田ひかり)が選んだ結末「神じゃなくても絶望する」【ネタバレあり】
2024年11月27日(水)23時17分 オリコン
完全オリジナルとなる本作は、脚本・黒岩勉氏、演出・石川淳一氏による実力派スタッフで制作する、手に汗握る本格ミステリードラマ。身近な現代事件×最先端の科学捜査では解明できない“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」(通称「全決(ゼンケツ)」)という世界最古の捜査機関が解決していく本格ミステリー。
以下、ネタバレあり。
ヒルコによる神隠し事件が解決しないまま、今度は東京で4件の連続餓死殺人事件が起こる。普通の生活を送っていた人が、たった一晩で餓死してしまうという不可解な事件だ。ヒルコからは「修理固成が終わろうとしている。この世は間もなく生まれ変わる」という声明が出る。
興玉雅(藤原竜也)、雨野小夢(広瀬アリス)、荒波健吾(ユースケ・サンタマリア)らが状況を確認すると、餓死した4人に接点はなかったが、4人とも腕時計の時間がなぜか狂っていた。さらに現場付近の防犯カメラには同じ女性の姿が映っていた。興玉は、これは≪ヒダル≫の仕業かもしれないと話す。ヒダルとは悪霊の一種で、とり憑かれると空腹感や疲労を覚え、死んでしまうこともあるという。
警察が去った後、興玉と宇喜之民生(小日向文世)は、防犯カメラに映っていた女性は月読命(つくよみのみこと)こと、佃未世(石田ひかり)かもしれないと話す。彼女は月の光の下で時間を操ることができ、人間を餓死させることもできるという。犯行が行われたのは全て月が出ている夜だった。
その後、佃について捜査を進める興玉と雨野だったが、佃が店主を務めるスナックの従業員から、半年前に佃の最愛の娘がSNS上での誹謗中傷により自殺していたことを知る。また餓死した4人はいずれも、佃の娘への誹謗中傷を行っていた人物たちだった。佃の行方を追う中、佃は自らゼンケツに出頭し、4人を殺したこと、誹謗中傷をした人物の情報を得る代わりに、ヒルコとされる国家安全保障会議のメンバー寿正(野間口徹)に協力したことを自白するのだった。
佃は人間を殺したことにより、黄泉送りにすることが決まったが、それは神々の中でも秘匿とされている天石戸別神を誘い出すための罠だった。そしてついに、佃を黄泉送りする時間がやってきたが、そこの現れたのはこれまで、猿田毘古神が宿った岩が神格化した神様「興玉神」とされてきた興玉だった。興玉は佃を黄泉送りしようとするも、荒波ら警察に阻止される。
そして、佃は寿に天石戸別神の正体が興玉であることを告げ、最後の復讐に向かった。しかし寿に裏切られ、人間の愚かさに絶望しながら、悲劇的な最期を迎えるのだった。佃の結末に視聴者からは「神じゃなくても絶望するわ」「月読命、切なすぎる」との反響が寄せられた。