今年書いた新曲は50曲以上!?創作意欲が止まらないthe pillows・山中さわおの近作を一挙プレイバック!

2020年11月30日(月)18時0分 OKMusic

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新型コロナウイルスの影響で活動が下火になってしまうミュージシャンも多い中、驚異的なペースでリリースを続けているthe pillowsの山中さわお。今年作った新曲はなんと50曲にも上り、ソロでアルバム『ELPIS』『ロックンロールはいらない』『Nonocular violet』とEP『ケモノミチ』を、Casablancaとしてアルバム『CRIMSON CITY』を、元ふくろうずの内田万里とのユニット“さわおとまり”名義でEP『さよならマクレガー』をこれまでに発売していて、12月にはa flood of circleの佐々木亮介とコラボした『LOST DOGS E.P.』と、山中がひとりで制作した歌とギターによるEP『nighty night』も控えています。今回は激動の2020年に8タイトルを完成させた、まもなく52歳を迎える彼の近作をプレイバック。どの楽曲も本当にクオリティーが高いです。

「サナトリウムの長い午後」('20) /山中さわお

まずは、11月25日にリリースされたばかりの最新ソロアルバム『Nonocular violet』からのリード曲「サナトリウムの長い午後」。木村祐介(Gu/ArtTheaterGuild)、安西卓丸(Ba/元ふくろうず)、千葉オライリー(Dr/THE BOHEMIANS)と紡ぐ、この程良い脱力感があるオルタナティブなサウンドは聴けば聴くほど癖になるし、世の中のムードを汲みながら《行こうぜ 心を奪い返しに行こう》と歌うあたりも、光が差し込むイメージを想像できて、とてもロックミュージシャンらしいメッセージで素敵です。他にもMV公開済みの「アインザッツ」「ヒルビリーは かく語りき」など、ソロ作もピロウズと変わらぬ名曲揃いなので、ぜひチェックしてみてください。

「I NEVER Wanna Be Your Dog」('20)/山中さわお&佐々木亮介

続いては、12月16日にライヴ会場および通販限定でリリースされる山中さわお&佐々木亮介のコラボ作『LOST DOGS E.P.』の収録曲。演奏シーンをフィーチャーしたMVからすでにめちゃくちゃいいテンションが伝わってくる「I NEVER Wanna Be Your Dog」は、相性抜群なツインヴォーカルの掛け合い、サビでさらにグッと熱を帯びる歌、宮川トモユキ(Ba/髭)と山口美代子(Dr/BimBamBoom)による引き締まったビートなど、またも聴きごたえのある仕上がりになっています。“犬にはなりたくない”のタイトルが物語っているように、2020年の世の中に対する回答と受け取れる凛々しいロックンロールナンバー。こういう気持ちを胸に強く生きていきたいものです。

「Reborn (at midnight)」('20) /Casablanca

YOKO(Vo&Gu/noodles)、山中さわお(Gu&Vo/the pillows)、楠部真也(Dr&Vo/Radio Caroline)による3ピースバンド、Casablanca。これまでに3枚のアルバムを発表していて、「Reborn (at midnight)」は今年1月リリースの3rdアルバム『CRIMSON CITY』のリード曲です。ベースレスのアンサンブルと男女ツインヴォーカル(楠部が歌う曲もあり)から生まれる独特のオルタナティブ感が魅力で、この曲で聴けるような空間系の歪みが効いたソロなど、山中のギタープレイが普段よりも多めに楽しめる点、そしてMVやライヴで観られるエスニックな衣装もポイント。2019年に劇場公開となったピロウズ結成30周年映画『王様になれ』にもCasablancaは登場します。

「Arabian dance」('18) /THE PREDATORS

同じく映画『王様になれ』の某シーンに出演しているTHE PREDATORSは、山中さわお(Vo&Gu/the pillows)、JIRO(Ba/GLAY)、高橋宏貴(Dr/Scars Borough、ELLEGARDEN)からなる3ピース。“ポップなニルヴァーナ”を標榜していたバンド初期、ラモーンズを意識した作品などを経て、現在はより気ままなスタンスで活動中です。最新音源は作曲をJIROが、作詞を山中が手がけたシングル「Arabian dance」で、イントロからサビまで変わらないコード進行で展開するシンプルなロックンロール感とほんのり薫るアラビアンなテイストが聴きどころ。コロナによって2020年の予定が白紙になってしまった彼らですが、今年は結成15周年の節目でしたし、また近々アナウンスがあるのを期待しています。

「Happy Go Ducky!」('19) /the pillows

ラストは山中さわおのメインバンドであるthe pillowsを。TVアニメ『あひるの空』のオープニングを飾った「Happy Go Ducky!」が現時点の最新曲なわけですが、30年選手と感じさせないこのフレッシュな曲調に改めて驚きを覚える人も多いのでは? 《今 出来ないことも明日はわかんないぜ》《なりたい自分になりたい》の歌詞にも心が衝き動かされます。30周年のアニバーサリーを終え、ロングバケーション中のピロウズ。Wikipediaを見ればわかる通り、結成からほとんど止まることなく、ほぼ毎年アルバムを出してきた3人ですから、来年はきっとリスタートを切るはず。本当のファンならガタガタ言わずどっしり待ちましょう。もしかしたら、もうピロウズの新曲もできていたりするのかも。

TEXT:田山雄士

田山雄士 プロフィール:フリーのライター。元『CDジャーナル』編集部所属。同誌の他、『okmusic UP's』『ナタリー』『bounce』など、雑誌/WEBを中心にお仕事をしています。日本のロックバンド以外に、シンガーソングライターとか洋楽とか映画とかも好きです。

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