「正直悔しい」苛立ちを見せた羽生結弦は“最強の刺客”ネイサン・チェンに勝てるか

12月1日(日)6時0分 文春オンライン

 11月24日に閉幕したフィギュアスケートNHK杯で圧巻の優勝を飾った羽生結弦(24)。今季GPシリーズを連勝し、同シリーズ上位6名による大一番、GPファイナル(12月5日開幕)への進出を決めた。


「過去2年は怪我で出場できなかったため、ファイナル制覇への期待が高まっている。会見でも珍しく『勝ちたい』、『いい演技より結果を』と口にしていました」(全国紙五輪担当記者)


 ただ、NHK杯のショートの演技後は、「もっと上を目指していたので正直悔しい」と苛立ちを見せた。



表現力などの演技構成点は羽生が圧倒 ©共同通信社


「ほぼ完璧な演技でしたが、それでも苛立ちを見せたのは、ファイナルを2連覇しているライバルの存在があるからです」(同前)


 羽生の前に立ちはだかる最強の刺客が、ネイサン・チェン(米国・20)だ。


「チェンには今年3月の世界選手権で敗れ、現行ルールの下での世界最高得点、323.42点を目の前で叩き出された。羽生は『ファイナルは自分の中ではネイサン選手との戦いでしかない』と語っている」(同前)


 両者の今季の最高得点を見ると、羽生はカナダ大会で出した322.59点。チェンはアメリカ大会の299.09点。点差を見れば勝利は堅そうだが、スポーツ紙スケート担当記者は「決して予断を許さない」と言い、こう続ける。



ジャンプだけではないチェンの強さ


「チェンは5種類の4回転ジャンプをこなす“4回転の申し子”で、高難度で高得点を出すジャンプを跳べる。羽生にミスがあったとはいえ、世界選手権ではショート、フリーとも4回転の本数は一緒だったのに20点以上の差がつきました。チェンは今季、ジャンプが万全ではありませんが、仕上がってくれば怖い。対する羽生は世界初の4回転アクセルを練習中ですが、本番で出せるか未知数です」


 チェンの強さはジャンプだけではないという。


「チェンは昨年、米国屈指の名門・イェール大学に入学。統計学を専攻し、医学の道も目指す“文武両道”アスリートです。進学のために指導者と離れ、自分で試行錯誤しながら練習をする中で、自立心が芽生えてきている。平昌五輪の時は重圧に押しつぶされて自滅しましたが、昨季から演技に安定感が出てきました」(別のスポーツ紙記者)


 一方、羽生のメンタルの強さも人並み外れているが、


「2012年からトロントの名門クラブで指導者も含めて優れた環境に身を置き、一緒に暮らしているお母さんに栄養面など手厚いバックアップも受けている。境遇が対照的なチェンが培ってきたハングリー精神は侮れません」(同前)


 チェンは「羽生がいるから頑張れる」と語る。今季の王者は果たしてどちらか。



(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年12月5日号)

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