『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』誕生の着想は「ボンドがヴェスパーを許せるか」 ─ 終わりの始まり、エディターが語る

12月2日(木)8時0分 THE RIVER

ダニエル・クレイグ版全5作の『007』は、ジェームズ・ボンドという1人の男の内面に最も深く迫ったシリーズとなった。そのダニエル版を007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で完結させるにあたり着想の起点となったのは、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)に登場したヴェスパー・リンドだったという。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でエディターを務めたトム・クロスが明かしている。

本記事では、『007 カジノ・ロワイヤル』の内容について言及しています。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ© 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

『カジノ・ロワイヤル』でエヴァ・グリーンが演じたヴェスパーは、ボンドの資金係かつ監視役として政府から派遣された。最初こそボンドに対する印象は良くなかったが、時間を一緒に過ごすに連れて恋仲に。ボンドはスパイの引退まで決意し、新たな人生を共に歩み始めようとしていた。その矢先、ヴェスパーが二重スパイであったことが判明。最後にはボンドの目の前で命を落としてしまう。

『カジノ・ロワイヤル』以降のシリーズで、ボンドはヴェスパーの死を抱えながら人生を歩んでいった。そして『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、ボンドが本当の意味でヴェスパーと決別し、苦しみから解放されたのだ。

The Hollywood Reporterにて、クロスはプロデューサー陣がストーリー構築に取り組んでいたプリプロダクション(撮影前準備)当時を回顧。「マドレーヌと歩むために、ジェームズがヴェスパーを許し、過去を忘れることができるか。これについて深い議論が行われていました」と構想の起点を語っている。「そこが飛び込みのスタート地点でした」とクロスが続けているように、ボンドとヴェスパーの関係性から『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は誕生したのだ。

「それに続くのは、ボンドが裏切りを認識するシーンです。ボンドの感情の変化が始まるんです」とクロスが話しているのは、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』冒頭のイタリアでのシークエンス。詳しい言及は避けるが、ボンドの最後の旅は、イタリアでの“別れ”からスタートする。エディターとして同シークエンスを繰り返し確認したであろうクロスは、ボンドとマドレーヌ(レア・セドゥ)が車内で交わした緊迫のやり取りを次のように分析している。

「ボンドはとにかく座ったままで、彼女のことを罰しそうになりながらも自分のことは考えないようにしています。そして最後には彼女をじっと見つめ、心を鎮めたんです。その次に皆さんがご覧になったのは、それまでの『007』シリーズではある意味見られなかったもの。ボンドは感情を武器にするんです。怒りに任せて。」

その後、紆余曲折を経ていったボンドは、それまでずっと抱えていた“闇の部分”にしっかりと向き合った。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開前、『007 スペクター』(2015)で引退を考えていたダニエル・クレイグは『ノー・タイム・トゥ・ダイ』に戻ってきた理由について、「『カジノ・ロワイヤル』に始まった何かを終わらせる」ためだと語っていた。これがまさに有言実行された形で、ボンドは壮大な旅の最後を迎えたのだ。

Source: THR


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