日向坂46、THE RAMPAGEら手がける作曲家・7th Avenue「バンドサウンドをルーツに、ライブ映えを意識」

12月5日(木)8時10分 オリコン

前迫潤哉氏と共作で作曲した日向坂46「こんなに好きになっちゃっていいの?」

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 日向坂46やTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEといった、ヒットチャート常連の楽曲を次々と手がけている2人組ユニット・7th Avenue。バンド出身の彼らが強みとするのは、トレンドを意識しつつもポップスの要素をうまく盛り込んだサウンド。存在感を増している彼らの曲作りのルーツを聞いた。

トレンドを踏まえつつ ポップス志向を武器に

──近年、チャート上位曲のクレジット(作曲、編曲)で7th Avenueの名義をあちこちで拝見します。最新のヒット曲で言えば、やはり日向坂46の3rdシングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」でしょうか。
【Norio Nakagawa(以下、Nakagawa)】あの楽曲には自分たちのルーツがかなり色濃く出ているんです。もちろん日向坂46さんのパワーあってこそですが、そんな楽曲がランキング1位をいただけたことは大きな自信になりましたね。

──お二人のルーツと言うと?【Nakagawa】もともと7th Avenueはバンドだったんです。Akiyamaとはいくつかバンドをやっているんですが、一番最初にやったのはわりとヘヴィなミクスチャー系で。

【Yuki Akiyama(以下、Akiyama)】僕らは現在34歳なんですけど、青春時代にリンキン・パークとかがすごく流行っていて、直球で影響を受けていました(笑)。

【Nakagawa】そういう意味では現在の僕らが作っている楽曲とは真逆な感じではあるんですが、ただ2人ともヘヴィな中にも豊かなメロディーがある楽曲が好きだったので、どこかポップス志向もあったと思うんですよね。その後はブラック・アイド・ピーズを意識した女性シンガーと男性ラッパーを含むバンドもやっていました。なので先ほどご質問にあった「自分たちのルーツ」を聞かれると、やはりバンドサウンドというところに帰ってくるのかなと思います。

【Akiyama】それこそ日向坂46の「こんなに好きに〜」も、バンドアレンジをしてロックバンドが演奏したら、けっこう映えるんじゃないかと思うんですよ。

──「こんなに好きに〜」は全編にわたるドラマチックなストリングスが印象的。バンドサウンドのイメージはありませんでした。

【Nakagawa】もちろんサウンドメイクにおいては現代のトレンドを踏まえた要素も取り入れていますが、そういったものをすべて取っ払った最もラフな曲に戻すと、ボーカル・ギター・ベース・ドラムというオーセンティックなバンド編成で表現してもぜんぜんイケる。それが7th Avenueの構築する楽曲の特色なのかなと思っています。

【Akiyama】あとはもともとがパフォーマンスする側だったからか、自然とライブを意識した曲作りをしてしまうところがあるんですよね。

【Nakagawa】たしかに、これは人から指摘されて気付いたことなんですが、僕らの楽曲ってライブの1曲目やアンコールといった盛り上がりポイントで演奏されることが多いんです。そこもAkiyamaが言うように、「自分たちのルーツ」から連なる7th Avenueのカラーなのかもしれません。

取り掛かったアイデアは必ず1曲に完成させる

──2013年頃からは職業作家ユニットとして活動を始められます。今でこそ幅広いJ−POPアーティストに楽曲提供をされていますが、初期はアイドルグループがメインだったようですね。
【Akiyama】それはあくまで結果の話であって、僕らとしてはアイドルを狙って作っていたわけではなかったんです。だから当初は、逆に採用されていることが驚きで。

【Nakagawa】いや、でも職業作家になりたての頃はけっこう狙っていたよね(笑)。どうやらアイドル業界は潤っているみたいだぞと、自分たちなりにアイドルソングを研究して。でも1曲も採用されませんでした(苦笑)。かすりもしなかった。今でこそ、真剣に曲選びをしているアイドル制作サイドが、そんなフェイクなものを選ぶはずないということはわかるんですけど。

【Akiyama】そんなふうにプロの世界の厳しさに打ちのめされまして、原点に戻ったんです。自分たちがかっこいいと納得できるものを妥協せず作ろうと。そうしたら、とたんにコンペが通るようになったんです。

【Nakagawa】僕らとしても「この曲をアイドルが?」と思うような楽曲だったのですが、近年はアイドルの制作サイドもいわゆる王道ソングだけでなく、斬新なサウンドを積極的に取り入れている。また完成作を聴いてみるとめちゃくちゃかっこよくて、アイドルの表現力の豊かさを再認識しましたね。

──バンドサウンドから、EDMやハウス、トラップといった海外のダンスミュージックの要素を取り入れた多彩なサウンドメイクが7th Avenueの特徴と言われています。トレンドはどのように吸収されているのですか?
【Nakagawa】新しいサウンドを掘り下げるのはすごく好きで、海外のメジャーからインディーまでアンテナは広げているつもりですが、SoundCloudなどでも斬新なアイデアを発見することがよくあります。

【Akiyama】前に作った曲の制作中にも、SoundCloudに上がっていたトラックをヒントにして聴かせてくれたよね。

【Nakagawa】その頃、ダンスグループに今、楽曲を提供するとしたらどんなサウンドがいいだろう、と模索していたんです。ぜんぜん何も決まっていなかったんですけど(笑)、ただダンスミュージック畑じゃない自分たちが作った楽曲をダンスグループのアーティストがパフォーマンスしたら、すごく面白いものになるんじゃないかと勝手に考えて。そんなときにSoundCloudで見つけたのが、おそらく海外のインディーか宅録をやっている方のトラックだと思うんですけど、ダンスミュージックなのにEDMっぽくはなく、どこかバンド感もあるすごく独特なサウンドだった。全くJ-POPの市場にはフィットしないサウンドでしたが、バンド出身の僕達にとっては、何かヒントにはなるかもと思ったんです。もちろんそれをそのままパクるわけではなく、あくまでアイデアとして吸収したらどんな曲になると思う?とAkiyamaに投げかけてみました。

グラミー賞を取ることが目標

【Akiyama】そこからコンペなどに提出するかどうかは別として、とにかく曲作りに取り掛かってみようと。結果、完成までに2年くらいかかってしまったんですけどね。

【Nakagawa】僕らのポリシーとして、取り掛かったアイデアは必ず1曲まで完成させるようにしているんです。ただ、それが目指しているものをちゃんと表現しきれているかどうかは別の話で、納得がいかなかったら何度でも作り直す。コンペにあげるかどうかはその先に考えようと。そんなことをずっと繰り返しています。

【Akiyama】今でこそ同じ場所で作業することは減りましたが、一緒にバンドを始めたばかりの20歳くらいの頃はめちゃくちゃ狭いワンルームマンションで、「今のフレーズ、いいんじゃない?」とか言いながら延々と曲作りをしていたんですよ。あの頃に近いことを今でも続けているような気がします。

【Nakagawa】曲のアイデアって言葉で伝えづらいじゃないですか。だけどあの頃に築かれた共通言語があるので、僕がふわっとしたことを言ってもAkiyamaはきちんと汲んでくれるんです。また7th Avenueとして目指しているものもお互いの中で明確にある。だから職業作家ユニットとして成立しているのかなと思いますね。

──お2人の目標というと?
【Nakagawa】僕はニューヨーク出身なんですが、ゆくゆくは海外のアーティストにも楽曲提供をしていきたいですね。実は今年春にスウェーデンで行われたコライト・セッションに参加してきたんです。スウェーデンに興味を持ったきっかけはマックス・マーティンというヒットメーカーなんですが、彼に限らず世界のチャートを席巻しているスウェーデン人クリエイターはとても多い。そうしたグローバルの感性を吸収するためにも、スウェーデン人とセッションをしたいと常々いろんなところにお声がけしていて、今年ようやくそのチャンスをいただいたんです。

──近年はJ−POPでもスウェーデン人作曲家が関わったヒット曲が増えていますね。
【Nakagawa】まさに、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEさんの「BREAKING THE ICE」を共作したErik Lidbomもスウェーデン人作曲家です。今のJ−POPは海外のトレンドを時差なく取り入れているなと思います。ただJ−POPには日本人の感性に刺さる歌謡曲的な要素が必ず含まれていて、そこがグローバルヒットとの違いなのかなと。

【Akiyama】その点ではアメリカでリアルタイムな洋楽に触れてきた後にJ−POPを掘り下げてきたNakagawaと、日本でJ−POPを聴いて育ち、ある程度大人になってから洋楽に影響を受けた僕というバランス感が7th Avenueの強みだと思っています。

【Nakagawa】ただ海外のアーティストに提供するとしたら、J−POPとは異なる発想の曲作りになるだろうなと思っていて。その意味でもスウェーデンのコライト・セッションへの参加はとても有意義でした。【Akiyama】そして将来的に、グラミー賞を取るのが夢ではなく目標です。これを言うと笑われるけど、僕らは大真面目です。

【Nakagawa】でも職業作家になったばかりの頃も、「オリコン1位を取る」と言ったら笑われていましたからね。だから目標というのは、現時点の力量よりもずっと高く設定して追いかけ続けたほうがいいというのが、僕らの共通認識なんです。

文/児玉澄子

Profile/7th Avenueは、Norio Nakagawa氏(左)とYuki Akiyama氏(右)によるプロデュースユニット。ジャンルを問わず、幅広いサウンドが特徴だが、バンド活動の経験からライブで歌い演奏することを意識した楽曲制作を行う。日向坂46「こんなに好きになっちゃっていいの?」(前迫潤哉氏と共作で作曲)、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「BREAKING THE ICE」(Erik Lidbom氏と共作で作曲)、嵐「Find The Answer」(HIKARI氏と共作で作曲)などを手がけた。

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