新宿ホスト殺人未遂裁判・詳報3 「気付いたらタバコを」

12月5日(木)7時3分 NEWSポストセブン

ガールズバーの店長だった高岡由佳被告(本人のInstagramより)

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 12月3日、東京地裁でガールズバーの元店長・高岡由佳被告(21)の初公判が開かれた。被害者は、20歳のホスト男性・琉月(るな)さん。【詳報2】に続き、午後の公判の様子を詳報する。弁護士による被告人質問だ。


──事件当時に話を戻します。

(5月)23日15時ころ、(被害者が)来たあとは、一緒にカーテンをつけたり話したり、肉体関係を持ったりしていた。

──話はどんな話を?

 彼がその夜美容室を予約したとか、彼の上司からなぜ私と店外で会っているのかと言われたとか。

──なぜ店外で高岡さんと会うことで上司になにか言われるのですか?

 店の外で会うと店に来なくなるからです。その後は彼が眠ったので私はキッチンに行き、彼を殺して死んでしまおうという気持ちに変わりがなかったので、キッチンから包丁を持って彼のところに行きました。

──その包丁は?

 5月23日の朝、仕事終わりに大久保のドン・キホーテで今後の生活のために買いました。彼を殺そうという気持ちはまったくなくて、ただ今後の生活のために買いました。

──包丁はどうやって持った?

 両手で包丁をにぎって寝ている(被害者の実名)さんのお腹に刺しました。

──(被害者の実名)さんの服装は?

 パンツを1枚履いていました。

──あなたの位置は?

(被害者の実名)さんから見て左側の体の真ん中あたりに立っていました。

──包丁はどうやって持った?

 両手で持った。

──刃の向きは?

 覚えていません。(被害者の実名)さんのお腹を刺しました。

──角度は?

 彼に対して直角でした。

──何回刺した?

 1回です。

──刺した後は。

 彼が起き上がろうとしたので、馬乗りになって起き上がるのを止めました、彼は首をしめてわたしを離そうとしました。

──(被害者の実名)さんとはどんなやりとりをした?

「わかった。大好きだからずっと一緒にいよう」って言われたので、「大好きだから一緒に死のう」といいました。ベッドの下に包丁を置いて「警察には言わないから救急車呼ぼう」というので携帯を奪って。

──なぜ包丁を置いた?

 彼のお腹を刺した時の感触とか苦しそうな顔みて、すごく後悔して、その時には殺すつもりはなくなっていたと思う。

──携帯を取り上げたあとは。

 起き上がって玄関に行くので「行かないで」と追いかけた。彼が(高岡被告を)殴って、腕や足や顔を殴ったり蹴ったりした。その時にコンタクトが取れたので、眼鏡を取りにいきました。その時にタバコと携帯も持って(被害者の実名)さんを追いかけました。


──なぜタバコ?

 わかりませんが、気が付いたら(タバコを)持っていた。エントランスで横たわる(被害者の実名)さんを見つけました。すごく後悔して110番通報しました。

──なぜ自ら110番通報した?

(被害者の実名)さんの流した血を見たり、苦しそうにしているところを見て、ほんとうに後悔して、大変なことをしたと思った。彼が死んではいけない、彼が死んでいくことがすごく怖くなって110番通報した。

──警察では違うことを話していた。「非常階段を下りているときに、女性の叫び声が聞こえて110番通報しているだろうから、これでは一緒に死ねないと思った」と答えています。

 そのときは本当にパニックになっていて、警察や検事さんの言うことに「はい」と言ってしまいましたが、本当に一番は彼を刺してしまったことへの後悔です。

──通報時のことを教えてください。

 最初に事件か事故かと聞かれたので、「事件」と答えました。いたずらだと思われていたようなので、何度も同じことを話しました。

──どんなこと?

 私の名前、被害者の方の名前、刺したこと、エントランスにいること、救急車が必要なことを話しました。私が犯してしまったことを話して、キチンと聞かれたことを伝えました。

──なぜ刺した?

 彼のことが好きで、一緒になろうと思った。申し訳ない。勝手なことをしてしまった。

──そう思うようになったのはいつ頃?

 6月ごろ。弁護士から被害者の方の状況を聞いたり、母や父の状況を聞いてそう思いました。

──(被害者の実名)さんのどんな状況?

 傷跡も深くて肝臓にまで届いて5日間、目を覚まさず、ずっと昏睡状態だった。

──父母は?

 面会に来たときに、すごくやせて、白髪も増えて泣いていて、マスコミがたくさんうちにきてノイローゼのようになっている。

──それはお父さん、お母さん?

 父・母、両方です。自分は本当に恐ろしいことをしてしまったのだと時間が経つごとにどんどん怖くなってきて、本当に申し訳なくて本当に怖くて、人ひとりの命を奪ってしまうところで本当に恐ろしくて申し訳ない。父母にも迷惑をかけた。

──(被害者の実名)さんには?

 6月に(被害者の実名)さんに謝罪文を書きました。本当にごめんなさい、もう関わらない、賠償のことを書いて、弁護士さんづてに渡してもらいました。

──拘置中は?

 被害者の方や父母のことを考えていました。ちゃんとごはん食べられているか、眠れているか。母は週に3回以上来てくれて、父は仕事が忙しくて2回くらい。

──話す内容は?

 事件のこと、家を引き払う手続き、猫のことなどたくさん話しました。

──(被害者の実名)さんとのことは?

 500万で示談したという話を聞きました。嘆願書をいただいたと聞きました。

──500万円の示談金は?

 私の母が用意してくれました。

──お母さんとはどんなやりとりがあった?

「あなたの将来のために用意した。お金を返したいという気持ちだけで十分だから返さなくていいよ」と言われました。

──どう思った?

 仕事について500万円貯金してもっとお金を増やして返して、お父さんお母さんを楽にしてあげたい。

──保釈中はどうすごした?

 介護職員初任者研修という研修を受けていました。将来、誰かの役に立ちたい。母のようになりたいと思って受けました。母は介護福祉士をしています。立派な人で、そういうふうになりたいと。

──それは資格なのですか?

 ヘルパー2級と同じ程度の資格で、ホームなどで働けるようになる。○○アカデミーに通っていました。

──頻度は?

 週に3日程度で、1回6時間ほど。講義はすごく楽しかった。新しいことをたくさん知れてすごく勉強になりました。今後実務者研修を受けて、ゆくゆくは介護福祉士になるよう勉強したい。

──資格はとれたのですか?

 はい。

──実務経験が必要ということですが、就職はどうするのですか?

 ハローワークで仕事を見つけて働きたいと思います。

──社会に出ると、事件のことを知っている人がいると思うがどう対応するつもりか?

 とくに対応は考えてません。私が犯してしまった罪なので。

──聞き流す?

 聞き流すというよりも、かみしめて、努力して罪を償っていく。

──耐えられますか?

 耐えます。

──お母さんの話を聞いて。

 すごく心が痛くなった。たくさん母が泣いているのを見て、この罪が親の罪であるはずがないのに、どう謝っていいのかわからなくて、どんなに自分が苦しくても絶対に母に楽をさせてあげられるよう、母と一緒にいようと思いました。

──(被害者の実名)さんに対しては?

 本当に謝っても謝りきれません。一生かけてもつぐないきれない罪。謝っても許されないと思います。私がこんなことを言うのは意味不明で気持ち悪いかもしれないですが、本当に生きていてよかったと思う。本当に申し訳ありませんでした。


 (詳報4に続く)


◆取材/宇都宮直子(ジャーナリスト)

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