新宿ホスト殺人未遂裁判・詳報1 「一緒に死のうね」

12月5日(木)7時1分 NEWSポストセブン

ガールズバーの店長だった高岡由佳被告(本人のInstagramより)

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 12月3日、東京地裁でガールズバーの元店長・高岡由佳被告(21)の初公判が開かれた。事件が起きたのは5月23日。東京・新宿区のマンションで、高岡被告が20歳のホスト男性・琉月(るな)さんの腹部を刃物で刺し重症を負わせたこの事件、「好きで好きでしょうがないから刺した」といった供述に加え、警察に連行される高岡被告がうっすらと笑みを浮かべていたこと、ぐったりと横たわる被害者のそばで、両足を血に染めた高岡被告が平然とたばこをくゆらす写真がSNSで拡散されたことから大きな話題になった。ここでは、初公判の様子を詳報する。


 裁判は、東京地方裁判所818号法廷で開かれた。セミロングの茶色い髪をおろし、大きな眼鏡に黒いスーツ、薄い水色のブラウスを着た高岡被告は終始うつむき気味だった。


 起訴内容を蚊の鳴くような小さな声で、「間違いありません」と認めた高岡被告。被害者のホスト男性も減刑を求める嘆願書を提出しており、500万円の示談金、および被害者との接見禁止、歌舞伎町に近寄らないことを約束し示談が成立したことを明かした。


 証人として琉月さんも出廷。シルバーアッシュに染めた髪の毛に、片耳には大きなピアス、目にも鮮やかな紫色のパーカーという“歌舞伎町仕様”だ。被害者が法廷に入ってくると傍聴席からは高岡被告が入廷したよりも、大きなどよめきがおきた。事件後、はじめて顔を合わせることとなった2人。琉月さんが苦笑いしながら高岡被告のほうを見ていたことに反し、2メートルほど先の距離に座る高岡被告は下を向いたり、顔を背けたりして、被害者を一瞥する様子もなかった。


 公判では、高岡被告が犯行直前に携帯電話に残したメモも公開された。概要は、以下の通りだった。


〈お母さん、お父さん、○○ちゃん、××さん、□□くん(※被害者の先輩ホストの名前)ごめんなさい。私に関わった皆さますべてにごめんなさい。昔からずっと虚言癖がひどくて、虚言癖のあった私は、悲劇のヒロインになりたくて、美しくてはかないものになりたくて 何があって何がなかったことなのかわからない。親不孝でごめんなさい。バカな娘でごめんなさい。虚言癖で嘘か本当かわからなくなって、大好きな人ができて、どうしたら私以外を見なくなるのか、殺せばいいと思いました。何もない私に(聞き取れず)もう何もわからない。琉月くんと呼ぶのはなんだかお金って感じがしてイヤです。(被害者の本名)くんを愛してる。心の底からどうしようもないほど愛しているけど、お金としか見てくれなくても(中略)君は私に嘘の言葉しかくれなかった。僕はホストだからって。(中略)けれど死ねばそれが本当になる。だから今は大事にしたい。一緒にいられるなら何でもするから安心してね〉


 琉月さんの証人尋問が始まった。


──高岡さんとの関係は?

 平成30年10月頃、高岡さんが働くガールズバーで出会い、3月末から(自分の勤めるホストクラブに)頻繁に客として来るようになりました。

──どれくらいの頻度で来ていた?

 2日に1回くらいです。

──あなたを指名していた?

 はい。

──お金はどのくらい使っていた?

 数百万くらい。

──性的な関係もあった?

 はい。


──いつ頃から?

 今年の4月くらいです。

──正式に交際していた?

 してないです。

──同棲していた?

 してないです

──高岡さんのことを重いと思った?

 はい。

──どういった時に?

 5月くらいに高岡さんから屋上に呼ばれて「飛び降りるから」と言われてちょっと重いなって。

──事件当日は?

 高岡さんからLINEで呼ばれて「片付けがあるから来て欲しい」といわれ、まず話をして片付けして一緒に寝ました。

──口論や喧嘩は?

 なかったです。

──寝た時の服装は

 パンツ1枚です。

──高岡さんより先に寝た?

 はい。

──その後、どんなことがありましたか?

 包丁で刺されました。パニックになって自分で(包丁を)抜きました。

──その時高岡さんは?

 自分の上に乗って、自分に質問してきました。

──どんな質問?

「私のこと好き?」って聞いてきました。「好き」って答えました。「警察を呼ばないから救急車を呼んでくれ」とお願いした。「一緒に死のうね」って言われました。

──高岡さんは救急車を呼んでくれなかった?

 はい。自分で救急車を呼ぼうとしたけど、高岡さんに携帯を取り上げられて、玄関まで逃げました。

──「一緒に死のうね」と言われてなんと答えましたか?

 まだ死にたくない。

──突き放して突き飛ばして玄関から外に出たのは?

 家にいると自分が死んでしまうと思ったから。

──今も通院している?

 はい。1か月に2回くらい。

──肝臓を刺されたことで影響は?

 お酒が飲めないです。

──示談した?

 はい。

──嘆願書を出しましたね。なぜ?

 僕もこうやって普通に不自由のない生活が遅れているので、彼女も普通の生活が送れればいいなって思いました。


 続いて、高岡被告の弁護人から、琉月さんへの証人尋問が行われた。


──謝罪文には何が書かれていた?

 謝罪の気持ちと、今後どうしたらいいか。

──貰ってどう思った?

 その時は何も考えられなくて、後で反省しているんだなと思いました。

──500万円受け取って示談した。治療費はいくらかかった?

 細かくは言えないんですが、今の時点で50万以上。

──100万円でも200万円でも50万以上です。

 三桁いかないくらいです。

──そのお金はどうしている?

 自分の貯金にしています。

──その他の示談の内容は?

 僕に接触しないこと、歌舞伎町に入らないこと。500万円以上の、後遺症とかで治療費かかった場合にはその分払いますという約束です。

──嘆願書には、刑事処罰は求めない、高岡由佳には寛大な処分を求めますとありましたが、どういう処分がいい?

(黙り込んで)できれば罪を償う形でなくて、普通の生活を送ってほしい。

──次の通院の予定は?

 12月16日。最後に通院したのは、前回は11月半ばらへんです。

──治療の内容は?

 前回はCTスキャンと採血です。

──薬は何を処方されている?

 痛み止めを飲んでいます。

──刺されてどんな変化があった?

 お酒が飲めないのと、思った以上に食事がとれない。量が減ったということが事件後と事件前で変わっています。

──医者から言われていることは?

 アルコールだけはやめてほしいと医師から言われています。

──職業は?

 ホストをしています。

──仕事への影響は?

 ネットに(事件のことが)上がっちゃってるので、けっこう自分のこと知っているという人が、多かったです。お酒はいまだに飲めなていないです。まったく飲めていない。

──仕事の変化は?

 月によって変化があるので、変わらないです。

──高岡さんはどのくらい使った?

 月に数百万くらい。

──ランキングはどうなりました?

 彼女のおかげでナンバーワンになった月もありました。(平成)31年3月はランキングに入っていませんでした。

──4月は?

 ナンバー3。

──5月は?

 ナンバーワンです。

──このようにランキングが上がった理由は?

 彼女がお金を使ってくれたから。

──高岡さんに対しては「好きだよ」とか「一緒になろう」と言った?

 はい。

──何回くらい?

 回数はわからないけど数十回です。

──付き合うつもりはなかった?

 付き合うつもりはないというのは違くて、自分がホストをやっていて、付き合うとなるとおろそかになっちゃうと思ったので付き合わなかった。

──肉体関係は何回くらいあった?

 回数は覚えていません。

──週に何回くらい?

 週でいうと2〜3回。

── 一緒に暮らそうという話はした?

 ホストをやめたら一緒に暮らそうと言いました。自分が9月でホストをやめられたらやめたいという話をしたので、やめたら同棲しようと。

──それは本心から一緒に暮らそうと思っていた?

 はい。

──ホストをやめようとも思っていた?

 はい。

── 一緒にニトリにもいった?

 はい。

──同棲していた?

 その時はしていなかったです。

──高岡さんの家は何回行きましたか?

 1〜2回です。

──家ではどのくらいの時間いた?

 時間は覚えていないです。

── 一晩?

 一晩はないです。3〜5、6時間くらいです。

──高岡さんが本気で好きだったことは認識していた?

 はい。

──高岡さんの気持ちを知っていたにもかかわらず、好きだと言い続けていた?

 はい。

──示談金500万円の経緯は?

 弁護士さんからお話があった。

──アルコール飲めない状況は、仕事にどう影響している?

 お酒を飲む仕事なので他の人よりちょっと不利になる部分があります。

──売り上げが下がったりは?

 自分なりに考えてノンアルコールとかを含めてやっています。僕はもともとアルコールに強い人間じゃないんですけど、飲めなくてもも売り上げは立てられるので、そこはいいかなと思ってます。

──アルコール飲めないのは生涯? それともよくなる?

 よくなると聞いています。

── 一緒に住むような話もしていた一方で重いとも思っていた。時期的には重なっている?

 そういうのあってからはそんなには言ってなかったけど、お店に通っているときにはけっこう言っていました。(詳報2に続く)


◆取材/宇都宮直子(ジャーナリスト)

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