繁昌亭大賞12年ぶりの該当者なし 奨励賞に露の紫と桂三実、新人賞には笑福亭智丸

2024年12月5日(木)14時0分 スポーツニッポン

 上方落語協会会長の笑福亭仁智(72)は5日、「第19回繁昌亭大賞」を発表。大賞は該当者なし。奨励賞に露の紫、(50)、桂三実(31)、一昨年に新設した新人賞には笑福亭智丸(36)が選出された。

 8人の審査委員が11月29日に選考会を開催。入門25年目以下で、上方落語の定席「天満天神繁昌亭」で昼席を中心に活躍した落語家に贈られる大賞は12年ぶりに該当者なしとなった。会長の仁智は「若手、中堅の登竜門で、皆さん成長著しいですが、今年は該当者なしとなりました。来年に期待したい」と語った。

 審査委員8人の選考会で、入門25年以内の109人から大賞候補は2人挙がったが、さらなる奮起を促すこともあって見送りに。奨励賞を2人選出した。また、15年目以内の対象者69人から新人賞に智丸が選ばれた。

 奨励賞に輝いた紫は女流噺家ながら古典落語、新作落語とも「役になりきる」と仁智も絶賛。安定感、存在感を兼ね備えた実力を各審査委員が高く評価して選出された。14年に輝き賞を受賞した時は高熱で苦しんでいた時に選ばれ、今回も直前にインフルエンザで苦しんでいたという。

 公演「とりどり男紫」で話芸を磨き、元フリーアナらしく滑舌の良さも光っての受賞となった。「今後もコツコツ積み重ねていきたい」と抱負を語った。

 三実は10月に「NHK新人落語大賞」で優勝。師匠の桂文枝(81)ゆずりの新作落語で「笑いのセンスがあり、話の切り口がすばらしい」と仁智。審査委員からは「新作が将来の古典になる」とネタをベタ褒めだ。

 「うれしいというより驚きの方が強い」という三実。2年前から前髪を分けておでこを出すようにして、顔が阪神の藤川球児監督(44)にそっくりと評判に。これまでも話のつかみに「藤川球児さんに似てる」と笑いを誘ったが「お会いしたことはないですが、監督になられて、これでツカミには困らないですね」と満面に笑みを浮かべた。師匠からは「おめでとう。これからやで」と激励されたそうだ。

 新人賞の智丸は仁智会長の弟子。繁昌亭で初めて落語に接し、アルバイトをしていた縁の深い場所の名前入りの賞で喜びも倍増だ。一方で現代詩の詩集を出し、「中原中也賞」の候補に挙がった。母校の大阪芸大で講師を務めるなど、作詩の分野でも知られており、その文才が評価されている。

 何事にも動じず「高座で落ち着きすぎ」と言われることもあるが、智丸自身は「新人賞を獲ってフレッシュな気持ちではしゃぎます」と笑いを誘い、「落語も頑張るというスイッチが入りました」とさらなる飛躍を誓った。

 来年2月20日に天満天神繁昌亭で表彰式、受賞記念落語会を開催する。

スポーツニッポン

「大賞」をもっと詳しく

「大賞」のニュース

「大賞」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ