アメリカンな大規模農場を運営する農業シミュレーションにモバイル用の最新作が登場。レビューと共にわかりにくいプレイ方法を解説【レビュー:Farming Simulator 20】

12月6日(金)11時58分 電ファミニコゲーマー

 『Construction Simulator』や『Truch Simulator』シリーズと並ぶ、お仕事ゲームの定番。
 様々な農業機械を駆使し、アメリカの大規模農場を拡張していく、運営シミュレーションゲームの最新作が公開されました。
 『Farming Simulator 20』です。

 名前は「20」ですが、これは2020年の20。
 20作目ではないので悪しからず。
 とは言え、2008年から数多くのシリーズ作が登場しており、派生作を含めると今回で13作目になります。

 『牧場物語』や『Stardew Valley』のような人間が汗水垂らして働く農業ではなく、大型のパワフルな農業機械で広大な農地から大量の作物をガーッと収穫するアメリカンな大農場ゲーム。
 車両の運転がメインであり、クワで畑を耕し、カマで麦を刈るような内容ではありません。

 稼いだお金で好きなように農場を拡張できる、経営SLG好きならハマれるゲームですが、用語やアイコンの説明がない、やり方の説明も不十分、チュートリアルさえ難解で、あまりにわかり辛すぎる。
 ロクに説明もせず荒野に放り出す「投げっぱなし感」は洋ゲーではおなじみですが、このゲームはもっと根本的なところが足りておらず、当初の私的なプレイ感は「農業をテーマにした謎解きアドベンチャーゲーム」。
 もちろんここで言う謎とはプレイ方法。

 また、『Farming Simulator』シリーズは作業感が強く、同じお仕事系のゲームでも『Construction Simulator』はクエスト形式になっていて、ちょっとしたストーリーがあり、重機によって操作も異なりましたが、こちらにそんなものはない。
 広い農地を与えられ、あとは自由だ。勝手にやれ。
 やることも畑の上を走り回るだけの単純作業。

 しかし今回は繰り返しの作業、たとえば畑の上を走り回るだけの耕作や、畑の上を走り回るだけの種まき、畑の(中略)収穫などは、最初からオート(ヘルパー任せ)にできます。
 ずっと自分で単純作業を繰り返さなければならない訳ではありません。
 ただ、畑までの移動や仕事始めの部分は手動でやらないといけないし、収穫物の運搬が大変で、ひたすら出荷トラックを運転する「出荷ゲー」だったりしますが。

 ともあれ、あまりに説明不足なゲームなので、プレイ方法の解説を中心にレビューしたいと思います。
 わかってしまえば没頭して楽しめる作品です。
 価格はiOS版730円、Android版660円。

 今作はSteamやPS4で発売されている「19」をベースに、モバイル用に改修したもののようです。
 Nintendo Switchで発売されている『ファーミングシミュレーター Nintendo Switch Edition』は17がベース。
 基本は似ていますが、ここで説明するのはあくまで20のものなのでご了承を。

 ゲームがスタートすると、まず「ガイドツアー」が始まります。
 前述したように難解なので、ここではガイドツアーのガイドツアーを行います。

 目の前に小麦畑が広がっており、プレイヤーは黄色い「コンバイン」に乗っています。
 カッター(収穫機)を「起動」させて収穫を行うよう言われますが…… 起動ボタンがどれかの説明がない。
 ボタンは以下のようになっていて、「起動」はスパナマークのボタンです。

どれが起動ボタンかわからないまま切り離しボタンを押して、カッターが外れて作業不能になり、どうすれば良いのかわからず迷走するのが開始直後のお約束。

 起動ボタンを押すと「うぃーん」と収穫機が動き始めるので、画面右下にあるアクセルバーをスライドして前進しましょう。

 ちなみに画面をダブルタップすると運転席表示になります。
 長距離移動はこちらの方がやりやすいかも。
 急に運転席になってしまったときは、あわてずに画面を再度ダブルタップして下さい。

視点はスライドで動かせます。ピンチ操作でズームも可能。
コンバインは収穫物を積載できる収穫専用のマシンです。

 緑色の目標地点まで移動すると「あとはヘルパーを雇って任せましょう」という案内が出ます。
 人のマークのボタンを押せば続きは自動でやってくれるようになるので、ここでの作業は終了。
 左下の車両交換スイッチを押して、「カルティベーターの付いたトラクター」に切り替えて下さい。

 例によって「カルティベーター」が何なのかまったく説明してくれませんが、ここでは赤いトラクターです。
 カルティベーターは耕うん機のことで、収穫後の畑を耕すもの。
 やり方は収穫と一緒で、起動ボタンで動作を開始させたら、そのまま畑に前進するだけ。
 目標地点に着いたらヘルパー(人)のボタンでオートにして、さらに緑色のトラクターに切り替えましょう。

最初に持っているふたつのトラクターのうち、赤い方はパワーがあり、緑の方は速度に優れます。
エンジンパワーは大型の機械を使うときに必要。
ガイドツアーの間は赤いトラクターで移動しますが、終わったら普段乗り回すのは緑の方が良いでしょう。

 次は種まき。ただ、ここでは種まき機がトラクターから外れています。
 どうして耕うん機を「カルティベーター」と異人語で呼ぶのに、「種まき機」は日本語なのか……。
 ちなみにショップでは「シーダー」と呼ばれます。

 パーツ(アタッチメント)のトラクターへの装着は、バックするだけで OK。
 トラクター後部とパーツのドッキング部が触れれば、そのまま装着されます。
 あとは同じ要領。起動ボタンを押して、前進して種まきを行い、目標地点に到達したらヘルパー任せましょう。

 種のボタンで種類を選べると説明されますが、今はそのまま小麦をまいて下さい。
 種の種類はアイコンで示されていて、どのアイコンが何の種なのか表示されませんが、上部にある全体マップのボタンを押し、上部左右にある「<」と「>」のボタンで作物マップに切り替えれば、アイコンの意味を確認できます。

右下のアクセルバーを下にスライドするとバックできます。
最初の種まき機で使える種は麦系とキャノーラ、大豆。でも小麦と大麦は単価が安め。
キャノーラと大豆は単価が高く、収穫量は少なめですが、初期のマシンは積載量が少ないので、こちらの方が良いです。
麦系は収穫時に「わら」が出ますが、活用できるのはかなり先。

 続いて「カルティベーターの電源を切り、地図に表示されている場所へ行きましょう」と言われます。
 赤いトラクターに切り替えて、まだオートになっているなら解除し、起動ボタンを押して耕うん機を止め、指定の場所へと移動します。

 左にある黄色いマップボタンを押すと、周囲のミニマップが表示されます。
 目的地には緑色の丸印が付いており、画面上でも緑色の光が立ち上っているので、場所はすぐにわかるはず。
 序盤は迷子になりそうになったらすぐミニマップを出しましょう。

 現場に着いたら切り離しボタンを押してカルティベーター(耕うん機)を外し、近くにあるトレーラー(荷台)にドッキングします。
 バックで近付いて接続して下さい。

 そして「コンバイン」に向かうように言われるのですが…… ここは本当にわかり辛い。

 コンバインは最初の黄色いマシンです。
 「え? ヘルパーが動かしてるよね?」と思うかもしれませんが、ここではヘルパーの状態が解除されて止まっています。
 場所はマップの「2」の畑。

 コンバインの進行方向左側に荷台を寄せるとパイプが伸びてくるので(ここでは最初から伸びているはず)、パイプの先端の真下に荷台が来るように移動して下さい。
 コンバインが収穫した小麦が荷台に流し込まれます。
 コンバインはその後も収穫物がいっぱいになると作業を停止するので、随時回収に向かいましょう。

コンバインから作物を回収中。画像の辺りに荷台を移動させます。近すぎても離れすぎてもダメ。
積載量が最大になったコンバインは自動で停止してパイプを伸ばした状態で待機しますが、そうでないときでも荷台を近付ければパイプが伸びて来ます。
ちょっと難しいですが、作業中のコンバインと併走して回収することも可能。
なお、ショップには「飼料コンバイン」というものがありますが、これはトウモロコシを砕いてバイオ燃料の元にするためのマシンで、用途が違うので注意。

 小麦を積み込んだら、出荷場に売りに行きます。
 ここでは「ウエストヒル・グラインミル」という場所に売りに行くことになり、マップに目印も付けられます。村の東側。
 全体マップで位置を確認し、農場から出て道路を走行、お店に向かいましょう。右側通行なのでお間違えなく。

 もし他の車と正面衝突しても事故ったりすることはなく、荷台の作物がこぼれたりすることもありません。
 ド田舎で信号も制限速度もないので、安心して爆走して下さい。
 ただし横転すると面倒なので、あまりムチャはしないように。

 作物を売れる場所は村の中に複数あります。
 そしてお店によって値段が違い、しかも変動しています。
 メニューボタンを押して「価格」を選ぶと相場を確認できるので、次からは高いところに売りに行きましょう。

 お店に到着して金網の上に移動すると、自動的に荷台が傾いて作物が投げ込まれ、すぐに換金されます。

全体マップ。下向きの矢印マークの場所が作物の売却場所。ここをひたすら往復することになります。
もし転倒するなどして走行困難になったら、アタッチメントを外し、全体マップの「車両」を選んで、下部に表示される「リセット」を選択して下さい。
車が「ショップ」に戻されます。
荷下ろし中。作物を積んでいる状態で、この金網の上に行けば OK。

 これで「ガイドツアー」は終了です。
 しかし、まだまだ知らなければならないことはたくさんあります。
 でも説明はほとんどないので、ここからは自力で解き明かさなくてはなりません!
 ここで一通り説明しますが。

 メニューにある「ヘルプ」にも簡単な説明があるので、一度は目を通しておきましょう。

 とりあえず農場に戻ります。
 そして全体マップで「成長度」を確認して下さい。

 収穫が終わって耕作が必要な畑は紫、耕うん機(カルティベーター)での耕作が終わって種まき機(シーダー)での種まきが必要な畑は水色、種まきが終わって成長中なら緑、収穫可能なら黄色になっています。
 (ジャガイモの場合、収穫前に「切葉処理」が必要な赤になります)

全体マップの成長度画面。ゲーム中に何度も確認することになります。
余っているトラクターに必要な機器を装着し、ヘルパーにどんどん仕事させましょう。
ヘルパーは必ず、畑の角からスタートさせること。

 最初は収穫後である紫の畑が多いでしょうから、カルティベーターで耕さなければなりません。
 しかしトラクターをひとつ運搬に使っていると、その間は耕作できません。
 できればトラクターを一台増やしておきたいところ。

 また、「肥料散布機」を購入し、畑に「肥料」を撒いておくと収穫量がアップします。
 これも早めに購入すべきマシン。
 肥料の散布状態は全体マップの「土壌」で確認でき、肥料は農場にある小さめのサイロで補充できます。

 機器の購入は、画面上部のカートボタンでいつでも行えます。
 ただし注意として、機器には速度や積載量などの基本性能の他に、対応している作物や、ドッキング可能なマシンがあります。
 ドッキング可能なマシンの表示(パズルピースのアイコン)がない機器はどのトラクターでも(エンジンパワーが必要量以上なら)使えますが、表示がある場合は必要なマシンも合わせて買わなければなりません。

 なお、買ったマシンは「ストアに出現します」と言われますが、実際には地図に「ショップ」と書かれている場所に出てきます。
 紛らわしいのでご注意を。

収穫のかたわらで肥料を散布中。肥料散布にはそれほど時間はかかりません。
肥料には「肥料散布機」でまく粉末肥料、「散布機」でまく液体肥料、家畜から得られる「堆肥」や「スラリー」があり、それぞれ必要になる機器が異なるのでご注意を。
粉末肥料は葉っぱの描かれた袋、液体肥料は葉っぱの描かれたポリタンクのアイコンの場所で補充します。
マシン購入画面の上部にも左右にページ切り替えボタンがあるのでお見逃しなく。
当面は買わないと思いますが、大型の機器を買うときは必要なエンジンパワーにも注意を。
この画像のシーダー「ED 3000-C」は、種をまくと同時に肥料も与えてくれる優れもの。
こうしたハイブリッドなマシンや、トラクターが不要な自走型の機器もあります。
ただ、このシーダーは使える種が最初のものと異なり、初期のカッター(収穫機)で収穫できる作物は大豆しかありません。
トウモロコシやヒマワリの収穫には別のカッターが必要になります。

 もちろんマシンの購入にはお金が必要です。
 安めの肥料散布機とトラクターを買ったら、もうお金は厳しいはず…… 作物も一朝一夕には育ちません。
 ただ、最初から農場には、ある程度の作物の備蓄があります。

 トレーラー(荷台)を繋げたトラクターを、農場の脇にある大型サイロの、パイプのある側(金網のない側)に横付けすると、備蓄の作物を積み込むことができます。
 これを出荷して当面の運営資金にしましょう。

 逆に作物を積み込んだ状態で金網の上に乗ると、サイロに作物を溜めることができます。
 出荷しようとして金網の上を通ってしまうと、意図せず流し込まれてしまうのでご注意を。

 大きな荷台を買えば出荷がはかどりますが…… それにも元手が必要ですね。

貯蔵されている作物はここから積み込めます。必ずメニューの「価格」を確認し、高いところで売ること。
荷台が満タンになっていないときは継ぎ足すことができます。
コンバインから直接、貯蔵サイロに作物を入れることもできますが…… 位置が微妙で、うまく反応してくれません。
少しずつ動きながら反応する場所を探してみましょう。 不具合だと思うので、アップデートで修正されるかも。

 農業の基本は以上です。
 同じ作物ばかり売っていると相場が下がるので、いくつかの作物をローテーションしましょう。

 ただ、ジャガイモやテンサイ、綿を収穫するには専用マシンが要ります。
 作業の効率を上げるため、上位の耕うん機や種まき機も欲しいところですが、やはり高い。
 また、一番ネックになるのは収穫速度ですが、これを速めるには上位のコンバインが必要で、しかしすごく高価。専用の収穫機器も別途必要。

 畑の購入にもお金が要ります。
 最初に買うことになるであろう、近くの縦長の土地を得るには約10万ドルが必要。
 干し草置き場の近くにある小さめの土地は約9万ドルですが、それでも安くはない。
 (なお、土地の値段はお金が足りない場合、確認できません。何とかして欲しい)

 とにかくゼニが必要です!
 今作のディーラーは作業機器のレンタルをしてくれず、ド田舎すぎて融資してくれる銀行もないので、自力で稼いで買うしかありません。
 (課金要素を予定しているようですが、2019/12/5現在、機能していません)

 畜産、酪農があることも今作の魅力ですが、これらを始めるのはもっと大変です。
 まず、家畜運搬用のトレーラー(荷台)が必要。
 ウシやヒツジにはエサとなる牧草や干し草を与えなければならず、しかし干し草の束を作るには「ベール技術機」が要る。
 麦の収穫時に出てくる「わら」も飼育環境を整えるのに必須ですが、集めるには「ローダーワゴン」が必要。

 家畜は牛乳やウール、肥料となるスラリーを生産してくれますが、それらもタンクやスラリースロワーと呼ばれる機器で運ぶ必要があり、他にも給水やら寝床の整備やらで、とにかく初期投資がかかります。
 融資やレンタルのない今作で集めるのはかなり大変。

 農場が十分に拡大して、相応に余裕ができてから始めるべきものですね。
 ただ、牛が農場にいると、見た目が賑やかになります。

家畜は家畜運搬用の荷台を買ってから、家畜商の「ラリーの家畜」で購入します。
豚と羊は1頭$1500、牛は$2500、馬は$5000。
ただ、牛と羊はエサにワラか干し草が必要なので、飼育は当面難しい。
豚は何でも食べるのでエサは初期から供給可能で、ワラがなくてもそれなりに数がいれば繁殖してくれますが、元を取るのは大変。
ともあれ、焦って手を出すべきものではないです。
馬に乗れるのは今作のウリのひとつですが、機器を引っ張れたりしないし、乗り換えると牧場に戻ってしまうので、移動用に使えるものではないです。
エサはオーツ麦で良いので、エサと水は供給しやすいのですが、「ワラ」がないと飼育環境を良くできない。
乗っていると調教率が上がっていき、日々の調教で鍛えてから売ると儲かるようですが、日々の管理費が高いのも厳しい。
当面、おまけ要素だと思った方が良いでしょう。
なお、馬運車は接続可能マシンに「Pickup」の表記がありますが、ピックアップトラックを買わなくてもトラクターで運べます。

 資金稼ぎが大変で、シンプルに作って運んでの繰り返しなので、やはり作業感は強いです。
 ただ、上位のマシンが手に入れば目に見えて作業効率が上がり、そのマシンが豊富に用意されているため、稼ぎがい、やりがいのあるゲームではあります。

 もうちょっと家畜の敷居が低ければ…… とも思いますが、目標としては厳しめの方が良いのかもしれません。
 購入できる畑もたくさん用意されていて、最大の農場を目指すとなると、長く楽しめるゲームとなるでしょう。

 インターフェイスやガイドなどで気になる点もありますが、開発ゲームが好きなら、理解できれば延々と遊べる作品です。

Farming Simulator 20

欧米の大規模農場経営SLG、最新モバイル版

(画像はFarming Simulator 20 – AppStoreより)

・経営シミュレーション(農場シミュレーター)
・開発:GIANTS Software GmbH(スイス)
・iOS版730円、Android版660円

iOS版ダウンロードはこちらAndroid版ダウンロードはこちら

文/カムライターオ

著者
カムライターオ
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。

電ファミニコゲーマー

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