第6回「白土三平さんの訃報に寄せて」〜療養中のPANTAが回顧する青春備忘録〜

12月6日(月)11時0分 Rooftop

PANTA(頭脳警察)乱破者控『青春無頼帖』

 マーティン・スコセッシ監督『沈黙 ─サイレンス─』出演のオファーを受け、隠れキリシタンとして撮影現場の台湾にいた。

 ちょうど話していたスパイダーマンでもある主演のアンドリューと離れ、ケータリングへ向かおうと身体を捻った瞬間、「そうか、今日は2月28日(諸説あるが)、原城の陥落した日じゃないか」。そして『カムイ外伝』で自分の演じた唯一の生き残りというかダブルスパイの絵師、山田右衛門作当人としてはちょっと心ざわつく思いを抱え、ケータリングを物色していた。

 すると、後ろから仲の良いディレクターのトレヴァーが、「PANTAさん、もう撮影だよ。行きましょ。今日は“Mass”の撮影です」。そうか、今日は初めてのミサの撮影か。それもよりによって原城が陥落した日にか…。もう身体中に鳥肌が立つ思いだった。

 行き交う役者に「今日は原城が…、ミサが…」と何人かに言葉を投げた。果たしてどれだけの役者に、オランダ船を先頭にした12万の徳川勢に攻められ37,000人虐殺された原城陥落のことが伝わっただろうか。

 いつもの撮影ではクリスチャン握りが嫌で、甲賀者の印を結んでいたのだが、さすがにその日のミサだけは両手でクリスチャン握りをさせてもらっていたのだった。

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