ピース・又吉直樹 後輩が活躍できる場を広げる「辞めたらアカン!」

12月7日(金)12時15分 ジェイタメ



ピース・又吉直樹が、後輩のよしもと芸人と行なっているユニットコントライブ『さよなら、絶景雑技団』が19年3月、再演される。09年の初演からちょうど10年目となる来春公演を控え、作・演出・演者の又吉は何を思う? 芥川賞受賞以来、ご多忙なセンセイに迫った。(interview 伊藤雅奈子)



——『さよなら、絶景雑技団』(※1)を発足させた理由から教えてください。

「やりはじめた2009年っていうのは、しずるが世に出はじめたくらい。あとの芸人は、仕事はあるけど、世には出ていない時期で、『おもしろいコントライブがやりたい』って後輩から言われてたんです。僕はピースとして活動してたけど、ただ自分が好きなコントを作るっていう機会はなくて、後輩にそう言われるのはプレッシャーで、怖いなぁと思ってたんですけど、なんとなく逃げられないっていったら言い方が悪いですけど、腹くくったんですね。失敗するかもって、そういう怖さはあるんで」


——タイトルの由来は?

「最初は旅一座みたいなイメージで、それぞれが思う絶景を現出させるっていうものだったんです。今も、僕が作ったコントの合間で、芸人それぞれが思う絶景を見せるというのは変わらず、昨年の公演まではやってます」



——立ち上げた当初と今では、又吉さんを取り巻く環境が大きく変わったと思います。

「まぁ、テレビに出たというのは大きいですかね」


——15年の芥川賞受賞を機に、タイトなスケジュールになったのではないかと。

「時間の使い方は、制限されてますよね。でも、やってる仕事の内容が違うだけで、その2009年でいうと、『さよなら、絶景雑技団』ともうひとつ、『ラ・ゴリスターズ』っていうコントライブもやってまして。それも全部僕が作ってたんで、あの年は5月、6月の2カ月で20本の新作コントを作ったんですよ。それで、『カキフライが無いなら来なかった』っていう本を、せきしろ(俳人)さんと出したりもしたんで、時間的には今と同じ。朝の8時ごろまで、よしもと(クリエイティブ・エージェンシー)の社員さんが出勤してくるまで、事務所に1人残って、コントを作ってたんで。まだ今のほうがマシかなぁって気はしますけど」


——そうですか?

「いやっ、でもなぁ……。今は小説を書いてるんで、コントを作るのって、むずかしいといえばむずかしい……かな。でも、好きなことなんで、がんばろうかなぁと思ってます」



——このユニットは、プライベートでも親しい後輩ばかりですが、稽古場はどんな雰囲気ですか?

「芸歴はみんな10年を超えていて、いちばん若い小川で10年かな。稽古場ではさすがにみんな、ちゃんとやってるんですけど、終わってからのごはんで、結構マイペースやったり、自己チューなやつが多い。去年かなぁ、ライスの関町が、『秋も深まってきたから、すき焼きでも食べたいですね』って言うて、サルゴリラの赤羽が『ネットで探します』って、“現在地”から探したんですよ。で、『ありました!』って見たら、焼きとん屋って書いてる。『えっ、なんで!?』って聞き返したら、『あれっ……。“焼きとん”って書いてますねー』って、しらばっくれよる。ようは、自分が食べたいだけなんです。僕を騙せると思って(笑)。『ぶーちゃん(赤羽)、それはアカンで。焼きとんにすり替えようとしてるけど、それは良くないよ』って言ったら、周りから『最低だよーっ』てすっごい怒られてましたけど」


——又吉さんが優しすぎるのかも……。

「今年の頭にも、ありましたね。そのときは、僕が『すき焼き食べたい』って言ったんですよ。12人ぐらいいたんですけど、そいつらが『しゃぶしゃぶも食べたい』って言いだして、両方を食べられる店に行ったんですね。個室にテーブルが2つあって、6人・6人に分かれて、こっちはすき焼き、あっちはしゃぶしゃぶにしようとなったんですけど、その店、焼肉もあったんです。多数決とろうってなったら、すき焼き希望者は僕だけ。結局、片方はしゃぶしゃぶ、片方は焼肉となって、お金は僕が払うんですけど、なんで僕が好きなもん食べられてへんねんって(笑)。途中で誰かが気づいてましたけど、『あれ、又吉さん。すき焼きを食いに行こうって言ってませんでした?』って」


——そんな食の騒動が起こっても、かわいい後輩たちですか?

「こっちから見たら怖くなるぐらい、純粋な人たちが集まってますね。普通の人間が持ってる屈折度が、みんなにはない。みんなの分を、すべて僕が背負ってる感じです。あっ、好井がいましたね(笑)。好井は、なかなか屈折度合です」


——では最後に、このライブの期待度のようなものを聞かせてください。

「子どもの頃、テレビでネタを観るのが好きだったんですよ。吉本新喜劇でも、ボケのくだりだけを何度も巻き戻して観るとか、しょっちゅうしてて。結局、僕がやりたいことってコント、ライブっていうのが核にあるんですけど、でも、それだけでごはんを食べることはむずかしいので、やっていながら、『できんのかな?』とも思う。でも、おもしろいことを思いつくうちは、何本か作っておきたい。もちろん、テレビにも出たい。テレビで活躍するのもむずかしいけど、おもしろいネタをいっぱい作っておきたいというのは、思いとしてありますね。僕、人生、何度もやってないですけど、2009年のとき、20本も5時間分も作れたけど、今は小説を書いたり、テレビに出させてもらったりして、コント以外のこともやってて、それは芸人に限らず、社会人や職人でも、ひとつのことを長くやっていると、周りを大きく俯瞰で見ないといけないっていう、そういう立場になっちゃうんですよね。僕、得意じゃないけど、でも、自分でやらないと活躍の場はなくなるので、後輩のみんなの就職先のフィールドを広げていくっていうのは、僕もさんざん先輩にやってきてもらったんでね、辞めたらアカンなぁと思います。たしかに時間はないし、飲みに行くお誘いも全部断ってる状態ですけど、それでも作ってたい、ですね」



(※1)出演芸人は以下。又吉、グランジ・五明、しずる、ライス、サルゴリラ、囲碁将棋・根建、ゆったり感・中村、パンサー・向井、井下好井・好井、スパイク・小川


<さよなら、絶景雑技団>

作・演出:又吉直樹

出演:又吉直樹、グランジ五明、しずる、ライス、サルゴリラ、囲碁将棋根建、ゆったり感中村、井下好井、パンサー向井、スパイク小川

日程:3/22(金)18:30開場 19:00開演

3/23(土)18:30開場 19:00開演

3/24(日)18:00開場 18:30開演

チケット料金:前売り6000円 当日6500円

場所:三越劇場(東京都中央区日本橋室町1-4-1日本橋三越本店本館6階)



<派生ライブについて>

タイトル:さよなら、絶景雑技団主宰「日本の表現者」

作・演出:又吉直樹

出演:又吉直樹、竹内健人、フルポン村上、サルゴリラ児玉、ライス関町

日程:3/23(土)14:30開場 15:00開演

3/24(日)14:00開場 14:30開演

チケット料金:前売り4500円 当日5000円

場所:三越劇場(東京都中央区日本橋室町1-4-1日本橋三越本店本館6階)



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