ナオミ・ハリス、“祝祭の孤島”は「本当に奇妙な島」HBOドラマ「サード・デイ」を語る
2020年12月8日(火)14時30分 シネマカフェ
「サード・デイ ~祝祭の孤島~」 (C)2020 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.
本作は、「夏」と「冬」3話ずつの2部構成で贈るミステリードラマとなっており、ロンドン郊外の孤島を舞台に、島の伝統と文化を守るためには手段を選ばない謎めいた島民を相手に、「夏」ではジュード演じるサムが、「冬」ではナオミ演じるヘレンが奇妙で恐ろしい体験をし、それぞれのトラウマと向き合わされ精神を追い詰められている姿が描かれている。
本作のテーマである、超自然的な空間や空想的な世界を舞台に実世界で経験した悲しみについて、ナオミは「役者として私は真実を演じることに忠実であることをいつも心がけているから、空想的な世界観においても出来る限り掘り下げて、逆に空想の世界での真実を追い求めて演じたつもり」と演技のポイントを語る。
2部作となる本作は、共通するテーマを描きながらも全く異なった作風であるが、ロウソープ監督は「私はこのプロジェクトはそれぞれ別の作品だと考えていて、マーク(・マンデン)が監督した『夏』は主人公のサム(ジュード)の島での冒険を描いているのに対し、私が監督した『冬』では主人公もビジュアル的なアプローチも違うし、違いを明らかにすることを重視した。主人公が母親と娘2人なので、たとえ舞台が同じでもビジュアル的なスタイルを変えることが大切だった」と制作意図を明かす。
■「3人ともすぐに仲良くなったし絆も深まった」娘たちとの交流明かす
心理的なスリラーを撮影している現場の雰囲気について、ナオミは、「主な共演者が私の娘を演じる2人の女の子。特にシャーロット(・ゲアドナー・ミヘル/タルーラ役)は今回が初めてのお芝居だから本当に心配だったんだけど、それがナチュラルで予測不能な演技に繋がって私の演技も引き上げられた気がする。ニコ(・パーカー/エリー役)も素晴らしい女優で、私たちは3人ともすぐに仲良くなったし絆も深まった。撮影が終わった時は本当に自分の娘と別れるような気持ちになって悲しかった」と3人に生まれたケミストリーについて語る。
続けて撮影場所であるオシー島について、ロウソープ監督は「撮影するには素晴らしい、魔法のような光景を見せてくれる場所だった」と言うが、ナオミは「オシー島は本当に奇妙な島。私は撮影に行くまではとっても楽しみにしていたんだけど、実際に行ってみると何か変なエネルギーが流れていて、『早く家に帰らせて』って思った」と明かす。「でも私の家族はすごく気に入ってしまった。魔法のような素晴らしい光景は作品のもう一人のキャラクターと言ってもいいくらいだと思う」と特異な雰囲気を持つ島の印象を回想した。
彼女が演じたヘレンは時にヒステリックになるくらい過剰に娘を守ろうとする母親だが、その役柄については「私は子どもを守るためなら何でもするという母親の獰猛さを見せたかった。母親として優しく包み込むような一面もあり、いざとなったら命がけで守ろうとする。それは私の母親へのオマージュでもある。母親と子どもってとても複雑な関係。ドラマではその関係性がとても美しく描かれている」と母娘の関係がより明らかになる第5話(『冬』第2話)への期待を高めるコメントを寄せている。