西田氏が考えるネット時代のテレビと映画の作り方

12月8日(金)4時49分 日刊スポーツ

オンデマンド時代に突入した現代におけるドラマ、映画製作の現状、難しさと、向き合い方について語る西田征史氏(撮影・村上幸将)

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<映画「泥棒役者」西田征史監督インタビュー3>

 脚本家の西田征史氏(42)が、監督2作目の映画「泥棒役者」公開にあたり、ニッカンスポーツコムのインタビューに応じた。3回目の今回は、今後の創作活動について、そしてオンデマンド時代に突入した現代におけるドラマ、映画製作の現状、難しさと創作者としてどう向き合うかについて話を聞いた。
 −◇−◇−◇−◇−◇−
 −この先、やりたいこと
 西田氏 ちょっと今、変な方向を考えています。
 −かつては、お笑い芸人だった。まさかの復帰?
 西田氏 いや、いや、いや、いや、いや…出る側じゃ全然、ないですね。それはないんで、大丈夫です。もう、自信ないんで(苦笑い)書く方向で1個、また別ジャンルのものを考えていますけど。
 −落語? 漫才? コント番組?
 西田氏 それは今、秘密の話…そこは今、ちょっと言えないからなぁ。
 −音楽方面で作詞?
 西田氏 ないですね。
 −英語で脚本とか?
 西田氏 なるほど…海外とか、今、いろいろ考えていますけど。
 −活動の軸足はどこに?
 西田氏 決めています。いつも中心は脚本です。その時、その時で、オリジナルだったら頭に浮かんだアイデアが、テレビの尺に合うのか、映画に合うのか。基本、僕は2時間にギュッとした話が好きなので、映画を作りたくなっちゃいますけど。自分のオリジナルで考えたアイデアが、2時間くらいで見せるのが、ちょうどいいのが多いので、そういう意味で映画が好きというだけで、テレビドラマとしての存在価値も、すごく感じています。
 −映画、テレビを見ずオンデマンド配信を見る若い世代も多い。今後のエンターテインメントの行方は?
 西田氏 そこに脚本家が必要ないんだとすると、自分が生きていく道が難しいかもしれないですけど…どこまで食べていけるか分からないですけど、頭に浮かんだ物語を形にしたいので…映画もテレビも、なくなりはしないと思うんでね。
 −ウェブの配信限定ドラマも多い。
 西田氏 自然なことですし、僕もオファーをいただいたりもする。興味はありますし、そこも戦場にしないと難しい世の中じゃないですかね。
 −地上波とBS、配信の連動なども増えてきた
 西田氏 本当言うと、放送体系に変化は必要なのかなと思う。決められた時間に1時間、バッチリ見ないといけないって、もう現代人において、無理な視聴スタイルだと思うんですよね。だから録画になってしまって…生の視聴率だけで価値が判断されるとすると、ちょっと苦しいだろうと。
 −今はタイムシフト視聴率も出ている
 西田氏 それは、やっぱり、あまりスポンサーにとっては重要視されていない。でも、どれだけの数の人が見てくれているのかとか、そういうものの価値で言うと、そっち(タイムシフト視聴)の方が大事かなと思うんで。
 −作品性が高くても、視聴率が低いから評価されない作品も少なくない
 西田氏 局側が、そこ(作品性)を評価してくれるんだったら…。そこ(視聴率)じゃない価値基準で判断されるようになると、もう少しやりやすいというか、脚本を含めた作り方も、変わるのかも知れないですよね。
 −特にテレビはコンプライアンス問題で、逃走犯がシートベルトを着けて車で逃げるなど、違和感のある表現を強いられると嘆く声が俳優からも聞こえてくる
 西田氏 苦しいですね…ただ、脚本において「シートベルトを着ける」とは書かなくてもいいじゃないですか。それは演出家に任せますが、演出家も戦いきれずに、やらざるを得ないんでしょうけれども。ドラマ、映画が(現実世界、社会と)別ものではなくなっている。芸術とは言わないまでも、リアリティーを追求させてもらえないのは、苦しいは苦しいですね。
 −映画はテレビよりは、まだ自由度が高いはず
 西田氏 タバコとかも嫌がられますね。結局のところ(映画を)地上波で流せなくなるとか、そういうのもありますしね。でも、そういうのがあるから、面白いものが書けないという言い訳は、しちゃいけないと思います。その中で、いかに面白いものを作るか模索しなければいけないと思っています。だからこそ生まれる、面白いものがあると考えた方がいいと思いますし、その気持ちは捨てちゃいけないとは思いますね。
 −だからこそ、自分のやりたいことが出来るオリジナル作品は大事
 −西田氏 逃げも隠れもせず、俺がやりたいことなので。でも原作ものもプロデューサー、監督、原作との出会いが1つ、面白いので、そっちもやりつつ…というバランスは、あまり変えるつもりはないですね。
 −また朝ドラ、大河という話が来たら
 西田氏 もちろん、お話しをいただければ、頑張ります。いい経験をさせてもらいましたが、大変なこともありますので(苦笑い)
 −市村正親演じる絵本作家・前園俊太郎は、創作のアイデアが出ず苦しむ。自らの経験は投影したか
 西田氏 ある気はしますね。感情的で言えば、いろいろ乗っかっていますね。
 最終回は、40代になり、父親になって感じた心境の変化について、さらに人気アニメ「TIGER&BUNNY」の今後についても直撃する。【村上幸将】

日刊スポーツ

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