<黒光る君>こと実資「命をかけた彼らを軽んじるなどあってはならぬ!」に視聴者感嘆「今や<実資様が芸人してる>に…」「先の戦争から80年は現代も同じ」「『光る君へ』のMVP」
2024年12月9日(月)13時55分 婦人公論.jp
(『光る君へ』(c)NHK)
12月8日の『光る君へ』
現在放送中の吉高由里子さん主演・大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第47回「哀しくとも」が12月8日に放送され、話題になっています。
*以下、第47回「哀しくとも」の放送内容と次週予告のネタバレを含みます。
●「哀しくとも」あらすじ
まひろたちは異国の海賊との戦いに巻き込まれ、敵の攻撃で、周明(松下洸平さん)が倒れる。一方、朝廷にも攻撃による被害状況が伝わり、動揺が広がる中、摂政・頼通(渡邊圭祐さん)は対応に動かず、太閤・道長(柄本佑さん)への報告も止めてしまう。
そんな事態を歯がゆく思う実資(秋山竜次さん)の元に、海賊との戦いを指揮する隆家(竜星涼さん)から文が届く。
やがて異国の脅威を知った道長は、まひろの安否が気になり……
刀伊襲来を道長に伝えた実資
ドラマ前半、異民族「刀伊」への対応で混乱する朝廷。道長の息子で摂政の頼通は、出家した父・道長にその襲来について伝えるのを躊躇します。
しかし大宰権帥・隆家と直接文をやり取りしている実資経由で、その状況を知った道長。武者を集めて大宰府に送るよう実資に伝えます。
対して、文の日付が7日で、報告した今日が18日であることを告げた実資。
すでに敵が大宰府を陥落し、都を目指している可能性を鑑みて山陽道・山陰道・南海道・北陸道にも警護の武者を配置するべき、と伝えつつ、陣定(じんのさだめ)にはかる旨を道長に告げるのでした。
そして行われた陣定。
左大臣・藤原顕光を筆頭に、公季、資平、能信、通任、行成、公任、斉信、道綱、源俊賢ら勢ぞろいした公卿が意見を交わすも、出てくるのは「前例がないので分からない」「様子見」など。そこに遅れて、副音声曰く<のしのし>と実資がやってきます。
前例にこだわっていては政ができない時代へ
実資はその場の公卿たちへ「山陽道・山陰道・南海道・北陸道の守りを固めるべし。各地の武者を募るよう手配すべし」と伝えます。
しかし<皆の意見を摂政に伝える>という結論に至ったのみで、陣定は解散することに…。
「事は急を要する!」と主張する実資の目には怒りが。
そしてドラマ中盤で、刀伊を何とか追い払った旨について道長へ報告した実資。
武力の必要性について道長と話し合うと「平将門の乱以降、朝廷は軍を持たなくなりました。それから80年がたち、まさかこうして異国の賊に襲われることになろうとは」と告げつつ、前例にこだわっていては政ができない時代になった、とあらためて伝えるのでした。
「何を申すか!」
さらにドラマ後半。刀伊撃退の功労者・隆家たちの褒賞について検討する陣定が開催されます。しかし撃退から2か月経ってからようやく開催されたこともあり、公卿から大宰府への関心はすっかり失われていました。
口を開いた行成は、朝廷が刀伊追討の命を出す前に大宰府が戦いを起こしたので、朝廷にかかわりはないと話します。
さらに公任も、朝廷の命のない戦である以上褒賞は無用、と続けると、実資は「何を申すか!」と突然立ち上がって怒りを爆発させます。
刀伊が1000人を連れ去り、数百の民や牛馬を殺し、壱岐守をも殺めた以上、これは重大な出来事であり「その敵を撃退した者に褒賞を与えねば、この先事が起きた時、奮戦する者はいなくなるであろう! 都であぐらをかいていた我らが…命をかけた彼らの働きを軽んじるなどあってはならぬ!」と喝破します。
実資から目をそらす一同。
それから場面が転換。実資は自らの力が及ばなかったせいで、褒賞がたった一人にしか送られなかった無念さを道長へ伝えるのでした。
視聴者の反応
前例のない異民族襲来への対応について、自らの意見を周囲にはっきり伝え続けたロバート秋山さん演じる実資。その態度や主張について、そして秋山さんの演技に感嘆した視聴者間で意見が飛び交っていました。
たとえばネットでは「最初は<ロバート秋山が平安貴族してるw>だったのに、今では<実資様が現代で芸人してるw>に」「あんなに平安貴族の装束が似合う役者はそうそういない…このドラマのMVP」「<黒光る君>こと実資。視聴者の信頼がここで最高潮に」「現代も、先の戦争から軍隊を持たなくなって80年程。考えさせられる」「実資様のような上司が理想」「1年を通してこの作品を支えたの、実は実資と乙丸の二人」「また大河で見たい俳優になりました」といった声が見られていました。
大河ドラマ「光る君へ」の主人公は平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性である紫式部。
彼女は藤原道長への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で、光源氏=光る君のストーリーを紡いでゆく。変わりゆく世を、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた女性の物語。
脚本は大石静さんが担当しています。
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