月9『SUITS』の巧みな新戦略、織田裕二にぶつける新旧共演者

12月9日(日)7時0分 NEWSポストセブン

月9 「織田の共演者」で新戦略

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 織田裕二主演で好調な月9ドラマ『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)。10日の最終話・前編放送を直前に控え、が然注目度は高まっている。このドラマで毎回、注目を集めるのは、織田と週替わりゲストとの共演だ。そこにこれまでの月9にない戦略があるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。


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 スタート前から『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)が再放送されるなど、「織田裕二と鈴木保奈美の27年ぶり共演」が話題を集めていた月9ドラマ『SUITS/スーツ』。


 保奈美さん以外のレギュラー出演者には、中島裕翔さん、小手信也さん、中村アンさんなど、織田さんと対峙したときに新鮮な顔合わせになる俳優がキャスティングされました。


 一方、週替わりのゲスト出演者には、「新旧共演者を対峙させる」という巧みなプロデュースが見られたのです。


◆「深津絵里も!」期待感は高まるばかり


 主演の織田さんに対する、泉里香さん、山本未来さん、佐久間由衣さん、ブラザー・トムさんの顔合わせに新鮮な印象があった反面、矢田亜希子さん、石田ひかりさん、西村まさ彦さん、ジュディ・オングさんとの共演は懐かしさを感じさせました。


 矢田さんは2004年の『ラスト・クリスマス』(フジテレビ系)で織田さんの恋人役、石田さんは1989年放送の『ママハハ・ブギ』(TBS系)で織田さんの妹役、西村さんは1993年放送の『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系)で織田さんに復讐する医師役、ジュディ・オングさんは『お金がない!』(フジテレビ系)で織田さんにビジネスをさとすデパートの社長役。いずれも名作であり、織田さんと対峙するシーンが多かったため、かつてのファンを喜ばせています。


 今年は3月に『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)で「木村拓哉と山口智子が『ロングバケーション』(フジテレビ系)以来の22年ぶり共演」が話題を集めたなどの背景もあって、視聴者の期待はさらに加速。ネット上には、「『踊る大捜査線』(フジテレビ系)で織田さんと共演していた深津絵里さんが出てくれたら最高」「『卒業』(TBS系)の相手役だった中山美穂は『黄昏流星群』(フジテレビ系)だけでなく、『SUITS/スーツ』にも出るべき」などの声が飛び交っています。


『SUITS/スーツ』は17日の放送で最終回を迎えますが、原作の海外ドラマは第7シリーズまで放送済の大作である上に、日本版も平均10%前後の視聴率以上に評判がいいだけに、続編が制作されるのは間違いありません。「深津絵里さんや中山美穂さんら過去の共演者がキャスティングされるかも…」という期待感は、第2シリーズ以降に引き継がれていきます。


◆「旧」ばかり「新」ばかりでは飽きられる



 織田さんにあえて新旧の共演者をぶつけた理由は何なのでしょうか?


 真っ先に挙げられるのは、「昔、楽しく見ていたドラマを思い出す」という懐かしさ。「過去作品を思い出させることで視聴者の期待感をあおり、視聴率につなげる」という効果が期待できます。


 特に視聴率の面では、リアルタイム視聴の習慣が根強い40代以上にとって、織田さんと保奈美さん、石田さん、西村さんらの共演は、魅力的なトピックス。同時に、そのトピックスはメディアに記事化されやすく、個人のSNSにもつぶやかれやすいなど、いいこと尽くめなのです。


「旧」ばかりではなく「新」を織り交ぜているのは、「旬の俳優で40代以下の視聴者を引き込みたい」「どちらかばかりだと飽きられて話題性が落ちる」「キャスティングばかり注目されるのではなく物語にも注目してほしい」などの理由から。その意味で『SUITS/スーツ』のキャスティングは、第1シリーズとしても、今後のシリーズ化を見据えた上でも、バランスが取れていたと言えます。


 最終話・前編のゲストは、検事役の市川海老蔵さん。「最強の検事vs最強の弁護士」とうたったオリジナルキャラだけに、織田さんと海老蔵さんが対峙するシーンは鮮度も迫力も抜群です。


 今回の共演は海老蔵さんが10月10日のブログで「楽しかったっす。スーツはNetflixで殆ど見ていたので楽しいです。そして、織田裕二さんと鈴木保奈美さんの御二方が我々世代にはたまらない、通行人でも出たいな。」と書いたことがきっかけだけに意気込みは十分。織田さんも海老蔵さんも眼力の強い俳優だけに、最後まで火花が飛び散るようなシビアな戦いを見せてくれそうです。



【木村隆志】

コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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