「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」を手掛けた関根光才「たくさんの方々が“やりたいです”と言ってくれました」

12月9日(木)6時0分 TOKYO FM+

UoC UNIVERSITY of CREATIVITY 共同編集長の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするInterFMの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。12月8日(水)の放送では、映像ディレクターの関根光才(せきね・こうさい)さんをお迎えしました。

(左から)関根光才さん、Hide、Misa


関根さんは数多くの企業CMを手がけ、カンヌ国際広告祭をはじめ多くの賞も受賞。2018年に公開された映画「太陽の塔」や、バンクシーと難民収容問題についての短編映画「INVISIBLE」、選挙への呼びかけをする動画「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」の監督を務めるなど、映像を通じて常に社会に問題提起するような作品を作っています。
◆著名人たちが投票を呼び掛ける動画が話題を呼ぶ
Hide:「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」、観ました。小栗旬さんやコムアイさん、菅田将暉さんとか錚々たる人たちが「投票に行こう」と呼び掛けている映像でした。「小気味いい演出でずっと観られるな」って思ったのですが、このプロジェクトはどんな思いで作ったんですか?
関根:僕と発起人がおりまして。前に映画「太陽の塔」を一緒に作った菅原直太さんという方と、大越毅彦さんという方です。菅原さんは日常会話でよく政治の話をするような仲間というか、先輩なんですね。普段からそういう話をしていたので、日本の投票率の低さがすごく気になっていたんです。
Hide:(投票率が低いのは)本当にその通りですよね。
関根:選挙のとき、「流石に今回は投票率が上がるんじゃないかな」みたいに思うタイミングって(今までに)いくつかあって。だけど、結局上がってないみたいな(笑)。むしろ下がったりしているんですよね。
コロナ禍を経て、多くの国民がそうだと思うのですが、「自分たちの生活と政治って地続きで繋がっているんだな」っていうのを肌で感じましたよね。前から影響力のある方に「投票に行きましょう」と呼び掛けていただくことを考えてはいたんですけども、実現させるのはなかなか難しいなと感じていたんです。
(動画を出すには)重要なタイミングだなと思いました。そして、7月末ぐらいからお声がけを実際にし始めたって感じですね。コロナ禍よりも前だったら、ここまで参加してくださる方はいなかったかもしれないです。たくさんの方々が「やりたいです」と言ってくれました。
Hide:政治のことを言うとバッシングを受けたり、「タブーだ」って言われたりしますよね。本当は全然そんなことはないのに、そういう風潮がいつのまにか作られてしまっている。だから、こういう映像があると本当に大きいなと思いますね。
関根:僕らも「政治のことを話しちゃいけないんじゃないか」っていう空気感があるなと感じています。もしかしたら、俳優さんのなかにも「言ったら叩かれるんじゃないか」という思いを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。今回お声がけをしたときは、みなさん前向きに考えてくださいました。迷いがあった方もいらっしゃるとは思うのですが、向こうから「やりたいです」と言ってくださった方もいらっしゃいました。
Misa:昔はタレントさんや発言力を持っている方たちって、自分の本音を言うことが若干タブー視されていましたよね。だけど今は、少しずつ言葉を前に出していくことが解禁されていく感じがあって。こういう映像で観ると「自分も意見を言っていいんだ」って感じるだろうし、すごく前向きに捉えられる気がしたので素晴らしいなと思いました。
関根:2、3年前に世界的な動きがありましたよね。
Hide:「Black Lives Matter」もありましたしね。
関根:はい。そういう風潮って日本に限らず世界中であると思うんです。「アーティストが政治に口を出すな」とか「知らないのに俳優が政治のことを言うなよ」とか。そうやっていっぱい叩かれていた歴史がありましたけど、もうそういう時代じゃないよと。
表現する人も一市民なんだから、政治のことを言うべきなんじゃないのっていう流れが、海外では顕著に出てきたんですよね。そのある種の余波として、日本でも同じようなことをやったほうがいいんじゃないのって流れが来ていて。マグマのようなパワーが溜まっていたんじゃないかなと思います。
Hide:そうですね。
◆人々の本音をまとめるには客観性が必要
関根:写真や映像といった“撮ること”ってある種の暴力性があるんですよね。被写体を切り取っちゃうわけですから。そういうことじゃないものづくりの仕方ってないのかなって思っていたら、今回のプロジェクトでたくさんの方が参加してくださることになって。本当にありがたいなって思いました。
Misa:光才さんは映像を作っているとき、ものすごく客観視をされているんだろうなと思いました。なかなか自分の本音って言いづらいと思うんですけど、その言葉に対して客観的に見ていかないと、すごくどぎついものができてしまう気がします。「みんなと一緒に」ってことを伝えるには、客観視が必要だなと感じましたし、光才さんはそれができている人なんですよね。すごいです。
関根:ときどき自分を見失うこともありますけどね(笑)。
Misa:(笑)。
◆音とともに楽しめるデジタル絵本を制作
Hide:今、光才さんが力を入れているデジタル絵本について教えていただけますでしょうか。
関根:ありがとうございます。「ちいさなものとおおきなもの」というタイトルのデジタル絵本でして、画家の遠藤恭葉(えんどう・やすは)さんという方と共作しました。デジタルなので、音楽も一緒に聴くこともできるのですが、そちらは立石従寛(たていし・じゅかん)さんというアーティストにお願いをしました。サウンドスケープのように、音とともに絵本が読めます。
Hide:すごくよかったです。
Misa:(絵本の)最初と最後で音が繋がっていることに気付いちゃいました。
関根:実は、音楽がループしているんですよ。
Misa:循環している感覚になりました。
関根:すごい。そういう風に感じていただけたのなら嬉しいです。
Hide:自然のなかに入っていくみたいな感じもありますし、長編ですよね。
関根:絵本としては長すぎたかなって心配していたんですけど、「長くは感じなかった」と言ってくれた方がいて安心しました。コロナ禍によって、いろんなことを考える必要があるなと感じたんですね。
人類はこれまでたくさんのパンデミックを経験してきたと思うんですけども、今って情報化社会になってしまったじゃないですか。人類がどういうことに直面していて、自然と人間の関係はどういうものなのかといったことを、大きなスケールで毎日毎日考えざるを得ない状況になりましたよね。
Hide:そうですよね。全員が哲学者や文化人類学者になったような感じがありましたよね(笑)。
関根:そうなんですよ。僕は映像という、現場に行って撮影をするという仕事だったので、「映像はしばらく撮れないかもしれないな」って思いました。なんなら、永遠に撮れなくなる可能性もあるわけじゃないですか。「どうしようかな。農業でもやろうかな」と考えたりしたこともありました。
そんなとき、ふわっと「僕たちは何かとてつもなく大事なことに気づかされようとしているな」という感覚があって。だけど、この感覚で通り過ぎたらすぐに忘れちゃうかもしれないって思ったんですね。「この気持ちを留めておかないともったいない」という気持ちになったんです。そんなタイミングで、遠藤恭葉さんの絵をお見掛けする機会があったのですが、とても神話的な絵だなと思ったんですね。
Hide:たしかに、その感覚はすごくよくわかります!
関根:しかも、「自分の作風はどうだ」っていう偉そうな感じもなくて。自分の絵を売るっていう意識すらない人なんですよね。自分の感情とか気持ちを記録するために絵を描いている人なんです。なので、その佇まいがすごく自分に合っているなと思ったのでお声がけいたしました。
Hide:なるほど。
関根:そうしたら「ぜひ一緒にやりたいです」と言ってくださって。それで物語を書いていきました。
Hide:自分なりに重ねられることがたくさんあって、すごく深読みができる作品だなと思いました。
次回12月15日(水)のゲストは、写真家のレスリー・キーさんをお迎えします。お楽しみに!
番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」と「Spotify」でも配信中。
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聴取期限 2021年12月16日(木)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:UoC Mandala Radio
放送日時:毎週水曜23:00-23:30
パーソナリティ:近藤ヒデノリ(Hide)、平井美紗(Misa)
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/mandala

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