二階俊博氏「野党幹部の孫に誕生日プレゼント」の凄み

12月11日(月)16時0分 NEWSポストセブン

二階氏はなぜ権力者たちに重用されるのか

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 二階俊博・自民党幹事長は「異能の政治家」である。地味な風貌で、弁も立たず、目立った政策もない。当世の“人気政治家の条件”には、まず当てはまらない。にもかかわらず、安倍晋三氏、小泉純一郎氏、小沢一郎氏、小池百合子氏ら政治的には敵味方の関係にあったアクとクセの強い権力者たちに重宝され、政界の実力者へと上り詰めた。“将来の首相候補”小泉進次郎氏さえ、いまや二階氏の側にいる。作家・大下英治氏が、不思議な力の秘密をインタビューした。


 * * *

 自民党幹事長室には〈総力結集〉と大書された田中角栄・元首相の自筆の書が飾られている。“最後の弟子”二階氏が掲げたものだ。


「田中先生と同じようにやろうなんて大それたことを考えたことはありません。第一、私は田中先生とは比べるべくもないんだから」


 常に一歩退いたところから自分を語る。


「ただ、ふと思うことがあります。派閥の若い人から応援を頼まれて日程の調整がつかない時に、“オレが若いとき、あの人は骨を折って世話してくれた。ずいぶん忙しかったはずなのに、無理して時間をつくってくれたんだろうな”と。その感謝を忘れずに、次の世代に伝えていくことが大事だなと思っています」


 二階氏は“田中判決解散(*)”と呼ばれた1983年の総選挙で田中派の候補として出馬し、初当選した。田中氏はその2年後に脳梗塞に倒れたため、直接、教えを受けた最後の世代になる。


【*1983年、ロッキード事件で懲役4年の一審判決を受けた田中角栄・元首相は即日控訴し、3か月後の総選挙に臨んだ。田中氏は過去最高の22万票を集めて当選するが、自民党は過半数割れとなり、28年続いた自民党単独政権が終了した】


 ブルドーザーと呼ばれる実行力で先頭に立って政策を実現させた田中氏と権力者を支える“黒子タイプ”の二階氏の政治スタイルは対照的に見える。そのことを認めつつも二階氏は「私の原点は田中先生」と語る。


 田中氏が官僚の入省年次から家族関係まで暗記し、夫人の誕生日には花を贈って搦め手から官僚を取り込んでいったのは有名だが、二階氏にも自民党国対委員長時代の2007年頃、与野党の国対関係者を驚かせたエピソードがある。


「野党の抵抗で法案審議が暗礁に乗り上げたとき、二階氏は野党のキーマンだった大幹部が可愛がっている孫の誕生日を覚えていて、その子にプレゼントを贈った。いたく感激され、法案に成立の道筋をつけた。それを臆面もなくやってのけるのが二階さんの凄味だ」(自民党ベテラン議員)


 他の政治家が見よう見まねでやろうとしても、かえって反発を買うだけだろう。二階氏はどうやれば相手を傷つけずにそれができるかを田中角栄氏から学んだ。二階氏はこう語る。


「田中先生は相手を傷つけたり、迷惑をかけたりすることがないよう言葉の端々にまで極力気を使っておられた。たとえば5人を相手に話をすれば、1人くらいは学歴や仕事のことなどでコンプレックスがあって、話題によっては知らないうちに傷つけてしまうことがある。しかし、先生はそういうことを絶対に許さなかった。1人も寂しい思いをすることがないよう真剣に考えて気を配っていました」


 そうした気配りは、トップダウンで指示を出すタイプの権力者が最も苦手とするところだ。二階氏は田中流の気配りを武器に権力者の信頼を得ていく。


※週刊ポスト2017年12月22日号

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