ベルリンで監督賞を受賞した“難民3部作”「希望のかなた」——シネマチャート

12月12日(火)17時0分 文春オンライン

〈あらすじ〉


内戦ですべてを失い、故郷シリアを脱出した青年カーリド(シェルワン・ハジ)は、ヘルシンキに流れ着く。難民認定の申請が却下され、トルコへの強制送還が決まったカーリドは、途中で生き別れた妹を探し出すために、収容施設から脱走する。行き場を失い路上を漂う彼に救いの手を差し出したのは、それまでの人生を捨ててレストランを開業したばかりの中年男性ヴィクストロム(サカリ・クオスマネン)だった。レストランに匿われながら働くカーリドは、人種差別や暴力に晒されながらも、従業員仲間や、収容施設で出会った難民やスタッフらの協力を得て、妹を探し続ける。


〈解説〉


アキ・カウリスマキが自ら“難民3部作”と位置づける、『ル・アーヴルの靴みがき』に続く監督作。第67回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した。98分。





  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆例によって無愛想なおかしみとせつなさと。主役(不法移民)はもっとヘンな顔であって欲しかったが。犬、かわいい!




  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆仏頂面と寡黙の陰で、逃亡と自由に味方するのはこの監督の真骨頂。狭量な世界を直視しつつ、繊細な笑いは手放さない。




  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆男たちが枯れた色気を放っていて素敵。異なる文化の中で生き抜く恐怖を独特なテンポで描いている。夫婦の姿も象徴的。




  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆毎度おなじみのカウリスマキ節に今日的なニュース性を練り込む。変わらぬ美味しさのまま新しい。満点にするか迷った。




  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆石炭に塗れた難民を見た途端、おなじみのカウリスマキの世界へ潜る。「音楽か死か」語る音楽。絶望をユーモアで掬う。







©SPUTNIK OY, 2017



INFORMATION

「希望のかなた」(フィンランド)

渋谷・ユーロスペースほか全国にて公開中

監督:アキ・カウリスマキ

出演:シェルワン・ハジ、サカリ・クオスマネン、イルッカ・コイヴラ、ヤンネ・ヒューティアイネン、ヌップ・コイブ ほか

http://kibou-film.com/




(「週刊文春」編集部)

文春オンライン

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