50点差! 神戸製鋼はサントリーになぜ大差で勝利できたのか

12月16日(日)19時12分 J-CASTニュース

日刊スポーツ(2018年12月16日付)より

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55−5。2018年12月15日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたラグビー日本選手権決勝戦。神戸製鋼(以下、神鋼)が、大差でサントリーを退け、実に18大会ぶりの優勝を勝ち取った。

記者も30年以上、ラグビーをプレーし、また取材もしてきた。だが、社会人トップリーグ(TL)同士の決勝戦で、ここまで大差がついた試合は、記憶にない。試合開始早々から「深紅の軍団」神鋼が「タイガージャージ」サントリーを圧倒した。



普段からの「気合い」「ハート」「体の当て方」の差か...?



18大会ぶりのVを狙う神鋼と、3連覇を目指すサントリー。まず、試合の入り方が決定的に違った。神鋼の「10番」で、ニュージーランド代表「オールブラックス」のキャップ(国際マッチ出場回数)112を誇るダン・カーターのキックオフでスタート。神鋼は相手陣内へと一気になだれ込み、ターンオーバー(相手のボールを奪うプレー)から、開始わずか2分で先制トライを奪った。



一方のサントリーは、こちらも世界屈指のオーストラリア代表「ワラビーズ」で、キャップ103を誇るマット・ギタウを擁していた。この「世界レベル」の対決に注目が集まったが、結果的には、神鋼が圧倒。50点という大差がついてしまった。



その要因は「ブレイクダウン」の差だった。



ラグビーにおける「ブレイクダウン」とは、「タックルが成立した後の、密集でのボール争奪戦」のことだ。たとえば、前にふれた先制トライの場面だ。



キックオフのボールは、サントリーがキャッチ。スタミナに自信を持つサントリーは、果敢にボールを展開してきた。しかし、その直後、神鋼のNO8で出場した中島イシエリ選手の「ブレイクダウン」から「ターンオーバー」し、ボールを獲得、先制につなげた。



こうした場面が随所にみられ、神鋼はブレイクダウンでサントリーを大きく上回った。



ブレイクダウンはW杯への課題




事実、NHKで解説をした日本ラグビーフットボール協会(JRFU)15人制日本代表強化委員長・薫田真広氏も



「『ブレイクダウン』で神鋼がサントリーを圧倒している」


と解説している。



さらに、今季でヤマハ発動機(ヤマ発=日本選手権3位)退団を公にした清宮克幸監督は、早大監督時代に



「『ブレイクダウン』の1歩、2歩。そこが勝負だ」


ということを、常に選手に求めていた。



「ブレイクダウン」で勝った神鋼が「世界の10番」カーターの動きを自在とした。一方のサントリーは、同じく「世界の10番」ギタウを起点としたかったが、十分なボールを供給できなかった。



ラグビーという競技は肉弾戦のため、「接点」の1歩、2歩の差が、大きな違いとなってくる。その意識を高く持った神鋼が、結果的にカーターを中心とするバックス(BK)を自由に動かしていた。




今回の神鋼の戦い方は、日本代表も目指しているところだ。どこまで激しい「ブレイクダウン」で試合を優位に進められるかが、来年のラグビーW杯の課題だろう。



(J-CASTニュース編集部 山田大介)

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