伊藤沙莉「心に届くといいな」『映画 えんとつ町のプペル』夢を持つ者を嫌う少年役に

2020年12月17日(木)16時0分 シネマカフェ

『映画 えんとつ町のプペル』(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

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ゴミから生まれたゴミ人間・プペルを窪田正孝、星を信じる少年ルビッチを芦田愛菜が演じる『映画 えんとつ町のプペル』。本作で、ルビッチの“元友達”と呼ばれる少年アントニオの声をつとめた伊藤沙莉がキャラクターと本作への思いを語った。



友達がいないというルビッチが、ハロウィンの夜にプペルと出会い友情を育んでいく物語だが、ルビッチにはずっと友達がいなかったわけではなかった。その“元友達”がアントニオ。絵本にも登場するキャラクターで、デニス(声:大平祥生)、レベッカ(声:諸星すみれ)といつも一緒にいる、えんとつ町に住む少年だ。

アントニオはプペルがえんとつ町にやってきた時から、強く嫌悪感を示し、プペルの口から“ルビッチがまだ星を信じていること”を聞くと激怒し、プペルをいじめてしまう。アントニオは何に怒っているのか、デニスとレベッカも分からなかったが、物語が進むにつれそのアントニオの心情が明らかとなっていく。


そんな、夢を信じるルビッチとは対極的に描かれるアントニオの声を演じた伊藤さん。「いじめっ子のような強い印象のある男の子ですが、本当は純粋で意外と臆病な子なんだと思いました。西野(亮廣)さんや廣田(裕介)監督に演出を受けて、この作品、キャラクターをとても愛しているし伝えたいことが明確にあるからこそ、アントニオに感情を抑えずにぶつけることを望んでいたのかなと思いました」とアフレコ時の様子をふり返り、「星の話を聞く前、思っていたより元気で優しい印象に近い演出を受けたので、きっとそこが大前提なんだと思いました」とアントニオというキャラクターに思いを馳せる。

アントニオは、本当は心優しい少年だったが、誰にも言えない秘密を持ってから夢を持つ者を嫌い憎むようになる。だが、嘘つき呼ばわりされても夢を諦めないルビッチの姿を見ることで、一度離れてしまった友情も再び結びついていく。


伊藤さんは、そんなアントニオとルビッチの関係性について「アントニオは自分が生きている世界や信じなくてはいけないことに逆らうことができないからこそ、それができるルビッチが羨ましくもあるんだと思います」と語り、「シンプルに羨ましいと思いました。見たいものや信じたいことが一緒だからこそぶつかるし助け合える。分かり合えた時、最終的には親友になれる気がしました」と2人の関係性についてコメント。クライマックスに向かう中、アントニオがルビッチの夢を応援する姿では強固な絆を感じることができるシーンとなっている。


そして伊藤さんは予告映像でも使用されている台詞を引用しながら、「『あの煙の向こう側を誰か見たのかよ。誰も見てないだろ?だったらまだわかんないじゃないか』。この言葉にどれほどの人達が何かに気づかされ、心を動かされるのかとても楽しみです。少なくとも私は心底刺さりました。ハッとさせられたし、ありがとうと思った」と本作のメッセージに強く心を打たれたと語り、「見たことないもの、知らないことに対してどう向き合うのか、どう受け止めるのか、重くなりすぎずスルッと心に届くといいなと思っています」と期待を込めながら語っている。

『映画 えんとつ町のプペル』は12月25日(金)より全国にて公開。

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