【インタビュー】C-3POは救世主か、闇落ちか? J.J.エイブラムス監督「大活躍するのは間違いない」

2019年12月21日(土)9時0分 シネマカフェ

J.J.エイブラムス監督『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』/photo:You Ishii

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果たして、わたしたちはどんな“完結”を目撃することになるのか? 壮大な銀河のサーガが40数年の時を経て、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』をもって幕を閉じようとしている。来日したJ.J.エイブラムス監督は慎重に言葉を選びながら、取材に応じた。

なぜC-3POの目は赤く染まっているのか?

——お話をうかがえるのは光栄なんですが、現時点で映画本編は拝見しておりません。『スター・ウォーズ』新3部作のインタビューはいつもそうですが…。

そうだよね。その点はいつも申し訳ないなと思ってはいるよ(笑)。


——なので、すでに公開されている予告編映像をヒントに、可能な限りお話を聞かせてください。ファンが最も衝撃を受けたのは、赤い目をしたC-3POの姿でした。赤といえば『スター・ウォーズ』の世界では、いわゆる“闇落ち”を象徴する色。それに最新の予告編では「最後にもう一度だけ、友人たちに」という明らかに別れを示唆するセリフもあります。

いま言えるのは、今回C-3POが大活躍するのは間違いないということ。過去には不遇を味わったこともあるけど、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』以上に彼が活躍する作品はないんじゃないかな。


——C-3POはシリーズ全9作品に登場する数少ないキャラクターであり、そのすべてをアンソニー・ダニエルズさんが演じています。つまり、伝説の目撃者であり、歴史の生き証人といえる存在ですね。

1977年に公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で最初に登場するのもC-3POだからね。僕らにとっては、彼こそが『スター・ウォーズ』の世界への入り口なんだ。アンソニー自身が劇中で素顔を見せたことはないけれど、その声とパフォーマンスで映画のトーンを決定づけてくれたんだ。今回もすばらしい演技を披露してくれたよ。


カイロ・レン率いるレン騎士団、ついに大暴れ?

——もう1つ、注目を集めているのが、カイロ・レンが前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で破壊したマスクを修復している場面です。新品を用意するのではなく、わざわざ修復するんだなと。

あのシーンは、金継ぎと呼ばれる日本の伝統的な修復技法にインスピレーションを受けている。修復という行為そのものに、負った傷を隠すのではなく、再生を祝福するというドラマチックな意味があるんだ。新品を用意するんじゃなくてね。


——カイロ・レンといえば、彼が率いるレン騎士団ですが、いまだ全ぼうは明らかになっていません。いよいよ『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』に登場するのでしょうか?

レン騎士団は黒澤明監督の映画に強く影響を受けているよ。

——ということは、彼らのアクションシーンを期待しても良いということですか?

(笑)。



最終章には『スター・ウォーズ』のすべてが詰まっている!

——そもそも『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が描く結末、つまり3つの3部作を締めくくる結末はいつ頃、構想が固まったんですか?

結末に関しては、かなり早い段階で決まっていたんだ。むしろ大変だったのは、新たな伝説の1ページとなる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をどのような展開でスタートさせるかだったね。


——さまざまな物議をかもした『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、結末に影響を与えましたか?

ノー。もちろん、結末に関しては、作品を重ねるたびにより良いアイデアを議論しながら微調整し、ブラッシュアップは続けていたけどね。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の撮影前から、続編はライアン・ジョンソン監督がメガホンをとるって決まっていたし、彼が書いた脚本も読んでいた。驚きに満ちていたよ。


——それを踏まえて、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』はどんな完結をファンに提示するのでしょうか?

スカイウォーカー家、そして彼らを結びつけるフォース——それが光であれ、闇であれ——が物語の中心になる。つまり、本作も含めた9つのエピソードを結びつけるという意味合いをもつはずだ。『スター・ウォーズ』のすべてが詰まっている、と言っていいんじゃないかな。映画作りは試行錯誤の連続。常に心残りはあるけれど、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』には揺るぎない誇りを持っているよ。

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