難関突破したオーケストラ団員は「超一流演奏家の集まり」

12月22日(木)7時0分 NEWSポストセブン

この年末には“オーケストラデビュー”?(写真/アフロ)

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 毎年、年の瀬になると街のあちこちで耳にするベートーベンの交響曲『第九番』。ちょっと敷居が高い気がするものの、この時期になると、いつか“オーケストラデビュー”したいと思っている人も少なくないよう。そんな人のために、気後れせずデビューを飾れる“オケのいろは“をお伝えする。


◆4種類の楽器のパートからなる


 オーケストラとは、弦楽器や木管楽器、金管楽器、打楽器の編成による管弦楽団のこと。


「オーケストラは、さまざまな種類の楽器が集まり、指揮者とともに一つの音を作ります。個々の演奏家が、与えられた役割の中で、自らの音楽を主張しながら、周りと協力・協調することが必要とされ、まさに“社会の縮図”なのです。そんなオーケストラでいちばん多いのが、弦楽器のバイオリンです」(読売日本交響楽団〈以降、読響〉制作部主任の大久保広晴さん)


 バイオリンの客席側のいちばん前、つまり指揮者にいちばん近いところに座っている人はコンサートマスター(略してコンマス)と呼ばれ、オーケストラ全体をまとめる、とても重要な人物だ。読響コンマスの小森谷巧さんは、こう説明する。


「コンマスは、演奏をしながら指揮者の動きを見て楽団員に体の動きで合図をしたり、オーケストラの代表として曲の進め具合や曲の解釈を指揮者とともに決めたりもしています」(小森谷さん、以下「」内同)


 コンマスは、技術だけでなく、人柄も重視される。


「楽団員とこまめにコミュニケーションをとり、みんながどのような考えを持っているかを知るなど互いの理解を深めています」


 ちなみに、そんな小森谷さんも出演する『読売日本交響楽団「第九」特別演奏会』は12月26日19時から、東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)で開催される。



◆誕生は今から400年前


 オーケストラが誕生したのは今から400〜500年前。バロック期までさかのぼる。


「初期の頃は、宮殿に呼ばれて王様の前で演奏していたので、人数は10人、多くても20人くらい。楽器もバイオリン、チェロ、ホルンと限られていたので指揮者もおらず、演奏の指示をするのは、今のコンマスのような人でした。時を経て、今から200年前頃のベートーベンの時代になると楽器の種類も増え、迫力のある音が求められるように。人数も30〜40人に増え、今に近いオーケストラの形になりました。それで専門的に演奏を統一できるように、指揮者が誕生したのです」


 日本で本格的なオーケストラが誕生したのは大正3〜4年頃。『赤とんぼ』の作曲者で知られる山田耕筰がドイツ留学で得たオーケストラのノウハウを日本に持ち込み、帝国劇場で演奏したのが始まりとされている。


◆トップオブ神童が集まる日本のオーケストラ


 日本にあるプロのオーケストラは、日本オーケストラ連盟に加盟している楽団だけで、全国で34(2016年12月13日現在)。これ以外にも多くの団体が存在する。


「宝塚歌劇オーケストラのように連盟に加盟していなくても、素晴らしい演奏をする楽団もあります。小規模な楽団を含めると数えきれません」(大久保さん)


 しかし、プロの演奏家の中でもオケの団員として安定した給料をもらえるのは極ひと握り。


「団員募集は定期的ではなく、欠員が出た時だけ。募集人数1人に対して国内外から100人単位の応募があり、オーディションで選ばれます。この難関を乗り越えて合格するのは、小さい頃からその街の神童と呼ばれたような人ばかりです」(大久保さん)


 いわばオケの団員は“超一級演奏家の集まり”といっても過言ではないのだ。


※女性セブン2017年1月5・12日号

NEWSポストセブン

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