アップル業績下方修正の要因は製品戦略の判断ミス?

1月8日(火)6時0分 JBpress

アップル製品を販売する中国・北京の商業施設(2014年9月16日撮影、資料写真)。(c)Greg Baker / AFP〔AFPBB News〕

 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は1月2日に投資家に宛てた書簡で、昨年(2018年)10〜12月期の業績予想を下方修正すると発表した。


中国で下位モデルの「XR」が売れず

 ウォールストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズなどの米メディアは、その原因について、世界最大のスマートフォン市場である中国で、売れると見込んでいたiPhone最新モデルの下位モデルが販売不振に陥っているからだと報じている。

 iPhoneは中国で依然、ステータスを求める消費者層に人気がある。そのため、これまでは「7」「8」といった下位モデルも同国でよく売れていた。しかし、今の中国市場は様変わりしたと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 ファーウェイ(華為技術)、オッポ(広東欧珀移動通信)、ビーボ(維沃移動通信)といった中国メーカーが、iPhoneの下位モデルよりも手頃な価格の高級モデルを販売するようになったからだという。

 アップルは昨年9月にiPhoneの上位モデル「iPhone XS」「iPhone XS Max」を、10月に下位モデル「iPhone XR」を市場投入した。

 このうちiPhone XRの中国における価格は950ドル〜。しかしファーウェイの高級モデルは、それよりも安い600ドル〜。ここ最近、中国メーカーのスマートフォンは機能が向上しており、価格と機能のいずれにおいても、アップルを上回っているとニューヨーク・タイムズは伝えている。


もはやステータスシンボルは最上位「XS Max」のみ

 また、ウォールストリート・ジャーナルは、中国ではiPhoneのステータスシンボルとしての意味合いが薄れてきたと報じている。そうした中、ステータスを求める消費者は、最も価格が高いiPhone XS Maxを選択している。今や、ステータスという役割はこのiPhone XS Maxにしか残っていないのだという。

 一方で、iPhone XRは、価格重視の消費者層と、ステータス重視の消費者層のいずれにも訴求しない中途半端な製品だと、同紙は伝えている。


XRの生産台数、当初計画の半分に

 これらiPhoneの最新モデルについては先ごろ、度重なる生産計画の縮小で、組み立て工場や部品メーカーなどのサプライヤー(供給網)の間で、不満の声が噴出していると伝えられた。

(参考・関連記事)「アップル、iPhoneのサプライヤーから不満噴出」

 今回の報道によると、アップルは当初、iPhone XRの生産比率を45%にするという計画を立てていた。しかし、その後、幾度となく計画を縮小し、生産開始から約半年間の台数を3000万〜4000万台に引き下げた。これは当初計画の約半分。それでも、iPhone XRは生産過剰に陥っているという。

 スマートフォン販売は世界的に頭打ちという状況。そうした中、アップルは、台数の伸び悩みを、販売価格の上昇などで補う戦略を取っている。現時点でiPhone XRが失敗に終わったと言うのは時期尚早。だが、その販売不振を示す初期の兆候は、同社の戦略を失敗させる恐れがあると、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

筆者:小久保 重信

JBpress

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